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小さい農家のSNS活用術 強みを生かして使い分けるには?【ゼロからはじめる独立農家#22】

西田 栄喜

ライター:

連載企画:ゼロからはじめる独立農家

小さい農家のSNS活用術 強みを生かして使い分けるには?【ゼロからはじめる独立農家#22】

小さい農家とSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)との相性は抜群。情報化社会といわれて久しいですが、その情報も情報源があってこそ。毎日現場で直接体験している農業はそれだけでネタの宝庫。そして小さいからこそ個人の思いを強く出せます。個人が情報を無料で出せる時代。活用しないともったいない。そんな農家のSNS最新の活用術。

どのSNSを使うか?

過程を見せることは信頼づくり、ファンづくりにもってこい。種から育てている農業は、その点においてとても強みがあります。そしてその情報発信を気軽にできるのがSNSです。

ただそのSNSも今や百花繚乱(りょうらん)。Instagram(インスタグラム)、Facebook(フェイスブック)、 Twitter(ツイッター)、LINE(ライン)そして一時急激に広がった音声SNSのClubhouse(クラブハウス)とたくさんのサービスが存在します。

SNSにもそれぞれ特徴があります。画像重視のInstagramは若い世代や女性にとても人気があります。ただ本文にリンクが入れられないので物販のビジネスに結びつけるのは難しいところがあります。
Facebookは長文が書け、リンクも張り放題。グループページ、イベントページなど機能が充実しているので欠かせない存在ですが、人気に陰りが出てきたといわれ使用者数が少しづつ少なくなってきています。TwitterはLINEに次いでではありますが公開型としては日本人が一番使っているSNSです。その分、全体の情報量が多く、ユーザーの画面には時系列でさまざまな投稿が流れていくので注目されるのが難しい。ただ拡散能力は抜群でリンクも張れるので、筆者も今は主にTwitterで情報発信しています。

筆者のTwitterプロフィール。農的暮らしに興味ある人へのアプローチを意識した内容に

同じ農産物でも写真が映える果物などはInstagram、日常使いの野菜は多くの人の目に触れるTwitter経由での発信や販売が向いているなど、それぞれの強みを生かし使い分けることが大切です。

ただ、どのSNSにおいても重要なのがプロフィールの書き方。プロフィールとはつまり自己紹介。自己紹介というと自分のよいところを書きたくなるのが人間の心理ですが、よい自己紹介とは、読んだ人にとって自分と関わるとどんなメリットがあるかを示すもの。私自身そう心がけてから、どのSNSもかなりフォロワーが増えました。

総合窓口を作る

ネット販売をする上でとても重要なのがSEO対策といわれています。SEOとはSearch Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の略で、自社サイトをユーザーが求めている情報にアクセスしやすい形に整備することで、Googleなど検索エンジンの検索結果に上位表示させるウェブマーケティング施策のことです。

我が菜園生活 風来(ふうらい)でも、「野菜セット」「無添加漬物」というキーワードの検索結果一覧でできるだけ上位に表示されるよう対策してきました。しかし検索エンジンもアルゴリズム(検索順位を決めるルール)のアップデートにより大きく変わり、ついていくのが大変になりました。そこでユーザーとの関係性がもてるSNSを重視するようになりました。そもそも出せる量に限りのある小さい農業では大手と争う必要もないことに気づいたのも大きいです。

ただ先述したように今や数多くのSNSがあり、また時系列で流れていくので目に留めさせるのも大変です。それを補う形で最近出たサービスが、linktree(リンクツリー)やlit.link(リットリンク)などのリンク案内総合サイトです。

菜園生活 風来のlit.linkサイト。販売サイトや他のSNSを案内

どのSNSのプロフィールにもこのリンク案内総合サイトをリンクしておけば、最新の情報などをまとめて管理できるので便利です。直接自社サイトにリンクさせるのに比べ、クリック数が増えることでマイナスになるという声もありますが、ネット販売も自社サイトに加え産直ECサイトなどひとつではなくなってきたので、とても便利に活用しています。

SNSの活用は窓口と出口をどこにするかがとても大切になります。

#農家のオススメ農家さん

農業が他の仕事と違うのは、横のつながりが強いということだと思います。同業者というと普通はライバルですが、農家の場合、それぞれノウハウを教え合うこともしばしば。農産物の収量に限りがあるからというのもあるのでしょうが、同じ自然に翻弄(ほんろう)されている同志という意味合いも強いのかもしれません。
今年1月に爆発的に広がったのが音声SNSといわれるClubhouse。気軽に誰でも参加できる音声チャット、ネット上の井戸端会議的なもので、作業しながら情報交換できるので農家にはもってこいのアプリです。

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音声は文字よりも感情、ニュアンスなどを伝達できるといわれますが、まさにClubhouseでそれを実感しています。これまでTwitter上の知り合いであった農家同士もClubhouseを通じて仲が深まっています。そんな農家同士で始まっているのが農家の物々交換。実際に生産物を交換するとより親しくなれます。
そうして知り合った農家同士のオススメを今、TwitterやInstagramで「#農家のオススメ農家さん」のハッシュタグをつけそれぞれつぶやいています。この農家同士のワイワイとした感じが人柄を伝え、また口コミ効果も手伝い、それぞれの売り上げも上がっています。農家のSNS活用術としてとても素敵な取り組みだと実感しています。

Clubhouseで毎日開かれている農家の雑談。気軽に聴きにきてくださいね

興味ある人はTwitterで「#農家のオススメ農家さん」で検索したり、またClubhouseのルーム「農家の雑談」「GOOD農ING JAPAN!」など検索してみてください。いろいろなヒントが得られると思います。
スマホが普及してからまだ10年ちょっと。その間に世界が大きく変わりました。まだまだSNSも発展途上。これからも新しいサービスが次々に出てくるでしょう。でもどんなに手段が変わっても情報源をもっている農家の強さは変わりません。以前からパソコンは農機具と言ってきましたが、SNSもそのひとつだと思ってどんどん活用していきましょう。

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