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「日本一の農家」目指すSNSネイティブ世代【農垢の素顔#3 新規就農を目指す22歳】

熊谷 拓也

ライター:

連載企画:農垢の素顔

「日本一の農家」目指すSNSネイティブ世代【農垢の素顔#3 新規就農を目指す22歳】

Twitterのアカウント=垢(あか)を持つ、気になる農家を紹介する連載「農垢の素顔」の第3回は、「新規就農を目指す22歳」さん。愛媛県での就農を目指し、今春から農園で働きながら準備を進めています。Twitterを始めたのは1年前のこと。積極的にフォローを返していたら、あれよあれよとフォロワーの数が増え、今では1800人超え! 取材で等身大の姿に迫りつつ、就農前のTwitter活用のヒントを探ります。


新規就農を目指す22歳 新規就農を目指す22歳@mhlfk0SMwiYH3Qi
非農家出身・未経験からの新規就農を目指す22歳。Twitterフォロワー1848人(2021年7月11日時点)。2021年4月から愛媛県西条市にある23アールの農園で働きながらイチゴの栽培方法を中心に学び、2年後の就農を目指している。農園ではトウモロコシや枝豆の管理についても勉強中。Twitterのプロフィール欄では、「日本一の農家目指します!!」と壮大な夢を掲げている。

独立自営就農を目指し、農場で働く「22歳」

「新規就農を目指す22歳」(以下、22歳)さんの主な担当は、イチゴのハウス栽培。将来はイチゴの観光農園を経営したいという目標を持っているので、ここでの仕事は独立に向けた研修の意味も兼ねています。

Twitterでは、農園で働く中で感じたことを率直に発信しています。実名も素顔も明かしていませんが、同じく就農を目指す仲間やすでに独り立ちしている先輩、経験豊富なベテラン農家との交流の場となっていて、最近の投稿はどれも3桁の「いいね」が付いています。

「新規就農を目指す22歳」に至るまで

新規就農を目指す22歳さんが働くイチゴ園

22歳さんが働く農園。イチゴ園の管理を任されている

22歳さんは、大阪府泉南市生まれ。9人きょうだいの4番目、姉3人がいる長男です。泉南市は都市部に近いベッドタウンで、農業とはまったく無縁の環境で育ちました。

転機となったのは17歳ごろ、淡路島でタマネギ収穫体験をしたことです。自分の手でタマネギを抜いていく作業がとにかく楽しく、大勢で作業したこともあって「農業ってめっちゃ楽しいなぁ」と感じたそうです。

その後、土木関係のアルバイトなどいろいろな仕事を経験しましたが、「やっぱり農業をやりたい」と思い、農業専門のマッチングアプリで農業バイトを始めました。ただ、人に言われた通りに仕事をするのがどうにも性に合わず、次第に独立して農業経営をしたいとの思いが強まります。

就農できそうな地域をインターネットで探すと、選択肢は日本じゅうに広がりました。四国は縁もゆかりもない地域でしたが、愛媛県西条市が「2021年版住みたい田舎ベストランキング」1位であることをネットで知り、「移住者が多いなら住みやすいかもしれない」と思って、その周辺で農業の働き口を探しました。

SNSでつながる仲間、広がる選択肢

イチゴの苗作り

取材に訪れた6月末はイチゴの苗作りの時期。親株から伸びたランナー(つるのような枝)をポットに植え付けて子株を作る

Twitterアカウントを開設したのも、就農を考え始めた頃でした。理由は「シンプルに農業のことを勉強できると思ったから」だと言います。デジタルネイティブどころか、SNSネイティブ世代の22歳さんにとって、情報収集のためにTwitterを活用することは、むしろ当たり前の選択でした。

Twitterを始めてから5日後。ぽつりとつぶやくようにこんなツイートをすると、驚くことに60件もの「いいね」が付きました。そしてコメント欄には、つながったばかりのフォロワーからアドバイスが寄せられました。

営農する市町村の農業振興を担当するとこにいくのが1番ですが、担当がやる気ない場合は ①農業公社(農地中間管理機構等) ②都道府県の普及部 ③農協などに働きかけるのも有効です。

役所か最寄りの農協に

多分、色々批判的な意見を聞くと思いますが、聞き流してください。
一カ所さえ、場所を確保し真面目に耕作していれば、自ずと増えてきます。
年単位でかかりますが…

うちの近くならいくらでも借りられるのに…田んぼを貸すと貸主が借主にお金払わないといけない そんな時代になってきました。

どのコメントも、実情を踏まえたリアルな情報で、ためになるものばかりでした。

「22歳」的Twitter活用法

イチゴの株を撤去する新規就農を目指す22歳さん

イチゴの苗作りと並行して、収穫が終わった株の後片付けも進める。どの仕事も未経験。作業を通して日々学んでいるという

その後も、日常の農作業の様子や、販売方法などふと疑問に浮かんだことを事あるごとに投稿しました。ペースは1日1件程度。躍起になってネタを考えて投稿するのではなく、あくまでマイペースで。そして、投稿に「いいね」がついたら、即フォロー返し! 農家として独立する時には資金集めのためにクラウドファンディングを活用することも考えていて、「少しでも応援してくれる人を増やしたい」と思ったからです。

すると、気づいたときには毎日何人かのフォロワーが付くようになっていました。Twitterを始めてから1年余りたった今は、フォロワーが1848人。そして、フォローしているのは、それをさらに上回る2265人になっています(ともに2021年7月11日時点)。フォローしている人の中には現役農家もいるので、「重要な情報源になっている」と言います。

中でも印象に残っているという先輩農家のツイートがこちら。

22歳さんは「こういった仕組みを全国に普及させられたら、農家の団結力がさらに上がるし、自分たちのような新規就農者も安心できると思うんです」と話します。

今は十分フォロワーの数が増えたので、無作為にフォロー返しをするのはやめました。代わりに、自分の就農を応援してくれる人とのつながりを深めようと、次なる「作戦」を練っています。今、農家から農産物を購入した際に特典としてもらえる「農カード」がちまたで人気を集めています。農家の写真入りの名刺サイズのカードで、「農業をもっと身近に感じてもらいたい」との思いから有志の農家が始め、Twitterを通じて全国に広がっています。22歳さんもいつかは自分のカードを作りたいと思っていて、「素顔は農カードをお披露目するまで秘密にするつもりです」と教えてくれました。

夢は大きく、目指すは「日本一の農家」!!

いつか農カードを作りたい22歳さん

素顔の公開はNG。いつか自身の「農カード」を作るその日までは(Twitterのプロフィール画像を合成しています)

取材の最後に、ひとつ気になっていたことを質問しました。

筆者:「Twitterのプロフィールに、『日本一の農家目指します!!』とありますよね。あれって……」
22歳さん:「やるからには、目指しますよ、日本一。『面積当たりの収量で』だとかなんでもいいんです。けれど、『農業界で有名になる』っていうのが大きな目標です」

もともと、「波乱万丈な人生を送りたい」と考えていて、単に生活するためのお金を稼ぐだけではなく、夢に向かってチャレンジしたいという性格なのだそう。「今から1000万円くらいの借金抱えたってまぁ返せるでしょ。失敗したってどうにかなる!」。聞いていて気持ちがいいくらい、はっきりと答えてくれました。

夢に向かってのチャレンジが始まったばかりの今が正念場。農園で働く傍ら、週に3日はコンビニで深夜のアルバイトをしています。ダブルワークの日のスケジュールを聞くと、朝7時40分に農園へ行き、8時から17時は畑仕事。一休みして、22時から翌朝6時までコンビニでアルバイトをします。その後は夕方まで農園で仕事をし、自宅に戻って疲れ切った体を休めます。

「この2年間は死ぬ気でやろうと思っています」。日本一の農家になった暁には、地元の大阪を含め、全国各地に自身の農園を展開する計画です。

農垢の素顔
農家バンドの仕掛け人! 農業嫌いだった農家が情報発信に力を入れるワケ【農垢の素顔#1 しなやん】
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