初心者も大歓迎!北陸最大のトマトの産地、小松市で農業を始めませんか?
日本海に面して南北に長く県土が広がる石川県では、水稲を中心に多種多様な農業が営まれています。なかでも、加賀地方に位置する小松市は、北陸最大のトマトの産地として知られています。
しかしJA小松市管内では近年、農家の高齢化と後継者不足により、生産高が年々減少傾向になっていることが大きな課題でした。こうした現状を打破するために、JA小松市では2021年に野菜総合出荷場を新設してハード面を強化。ソフト面ではJA小松市新規就農支援センターを拠点に園芸農業での新規就農希望者を対象とする「アグリスクールこまつ」を開講しました。
参加対象は県内外を問わず、約2年間の研修終了後に小松市内で就農することが可能な人。移住就農希望者は、県を挙げた継続的なサポートが受けられます。
“やってみたかった”農業で自立就農を目指す!(番場さん/元自営業/44歳)
第1期生には、年齢も経歴もさまざまな個性豊かな4人が集まりました。以前から興味があった農業で新たな人生のスタートを切ったのは、元自営業の番場さん。前職では、左官業の会社を経営していたそうです。
「農業は、土地、お金、気合がないとできないと思っていました。ネットで、“小松市 農業”で検索したところ、この制度を発見。手厚い支援が受けられて、独立する時にはレンタルハウスを4棟も借りられることに魅力を感じました」
春から始まった研修は、「実践的で楽しく、知れば知るほど農業が面白くなってきました」と話す番場さん。およそ半年間でトマトの土耕栽培と養液栽培の両方を学び、さまざまな生理障害やトラブルも経験しました。
「いろいろな経験から学ぶことができますし、先生の技術指導がきめ細かく、とても勉強になっています。養液栽培は安定しているので、新規就農でも始めやすいと実感できました。今後はトマトをメインに、他の作物も組み合わせて農業一本で独立したいです」
亡き父のトマト栽培を受け継ぐために就農を決意!(濱田さん/元電子部品メーカー勤務/52歳)
昨年、他界した義父が遺した田畑を受け継ぐために、サラリーマン生活に終止符を打って参加した濱田さん。前職では電子部品メーカーに勤務し、生産技術の業務を担当していました。
「農業経験は、義父の作業を手伝う程度。義父は専業農家でしたが、突然亡くなってしまったので夫婦で引き継ぐことにしたんです。米もトマトも作っていたのに何も記録が残っておらず、技術を継承することができなかったのが残念。この研修で一から農業を学ぶことにしました」
脱サラで生活は激変。自然を相手に天候に左右されて働く毎日は、「最初はしんどかった」と振り返ります。しかし、新しい生活にも徐々に慣れ、今では「いかに効率良く管理する農業にしていくか」という目標も見つかりました。
「土耕トマトは、土壌や雨、水質に影響されるので難しいですが、養液は成分をコントロールできるので管理しやすい。泥まみれになることもなく、自動で水管理ができます。養液栽培のシーケンス制御は、自分なりにプログラムを組んでできればもっと面白くなるはず。できるだけ手がかからない農業をしていきたいですね」と、前職の経験を活かしたスマート農業を目指して奮闘中です。
今後の人生をより豊かに、実りあるものにしたい!(今川さん/元会社員/57歳)
今年の3月まで事務系の会社員だった今川さん。母の介護も終わり、自分の人生を振り返っていたところ、偶然見かけた新聞記事を見て応募しました。
「昔から農業に関心があったわけではないのですが、7年前からJA小松市女性部の活動に関わっていました。その活動を通して農業の大切さを知り、私も子どもや孫の世代に農業を伝えていけたらと思い、参加しました。私自身、女性部の活動がすごく楽しくて元気をもらっていたなぁと思い出したんですよね。これは大きなチャンスだと思い、飛び込みました」
長年の悩みの種だった肩凝りと偏頭痛は、農業を始めてから一切なくなり、「圃場に通う毎日が本当に楽しい」と笑顔を見せる今川さん。
「初めの頃は、先生がおっしゃることが1度で理解できず、何回も同じ質問をしていましたが、今は原因と結果のつながりが徐々にわかるようになりました。同期の皆さんは個性的で楽しい人たち。この仲間がいるから頑張れます」
独立後については、「ちょっとと言わず、大きくやっていきたいですね。野心はありますよ!」と目を輝かせ、「産地の新たな担い手として成功例を作り、後に続く人が現れるようになるまでが目標」と意気込みます。
いずれは家族みんなで働ける規模の農家になりたい!(森下さん/元ヤクルトレディ/39歳)
「私、10年間ヤクルトレディをしていて、お届け先がJAだったんです。ある日、いつもと同じようにお届けに行ったところ、カウンターで研修制度のチラシを見かけて、“これは話を聞いてみたい!”と思ったのが始まりです。幼い頃、夏休みになると毎日のように祖母と一緒に畑に行っていたこともあり、私にとって農業は楽しい思い出。自分の子どもにも農業をやらせてあげたいと思っていました」
ご主人と一緒に説明を受け、農家研修にも参加。徐々に気持ちが固まっていきました。
「もちろん不安もありました。私がやっていけるのかなぁとか、育てたトマトを全滅させてしまったらどうしようとか、ハウスを潰してしまったらどうしようとか。でも、やってみないと始まりません。結婚前に夫と“いつか夫婦で農家になってゆっくり暮らせたらいいよね”と話をしていたことを思い出し、子どもも将来一緒に働けるように私が自立就農して、我が家の将来の可能性を今のうちに作っておきたいと思ったんです」
家族の賛成を得て新しい道をたくましく切り拓いていく森下さん。「私一人で家族を養えるくらいの規模で稼ぎたい」と、夢は大きく広がります。
JA小松市と行政が連携して自立就農をバックアップ!レンタルハウス4棟からすぐに独立できます
「アグリスクールこまつ」では、石川県の「いしかわ耕稼塾」との連携により、約2年間という限られた期間でトマトを主として植え付けから収穫までに関わる知識と技術の習得、自立就農を後押しするきめ細かいサポートを行っています。
「技術指導のほかには、農業で使う面積の単位や農業気象、台風が近づいた場合に被害を小さくとどめるための知識など、農業を全く知らない人のために基礎知識からしっかり教えます。最終的には農業法人の従業員になることが目標ではなく、自立経営をめざすための研修ですから、何事も自分で判断して決める態度を身につけることが大事。工場のように同じ条件下で何度も同じことができれば経験則で効率化が図れるでしょうが、農業の場合は1年に1~2回しか同じことを経験できません。うまくいってもいかなくても、日々必ず振り返ってその原因を考える習慣をつけて、次に活かすことが大切です」(技術顧問/橋本さん)
次年度の夏からは、実際に各自4棟のレンタルハウスを使って自立就農に近い形で栽培を行う予定です。
4人の研修生について、センター長の南出さんは「技術力はずいぶん上がり、先生の言うとおりにただやるのではなく、自分の考えを人に説明できるまでになってきています。独立後のイメージもできつつあり、気合は十分」と評価しています。
「若手の方には助成金獲得のチャンスも多いので、この4人の後に続いてどんどん挑戦してもらいたいですね。最初は不安もあるでしょうし、会社勤めと比べれば良いことなんてないと思うかもしれない。でも、そんなに難しく考えないで、農業がしたいから農業をする。最終的には、“農業をしたいか、したくないのか”を自分に問い、決めてもらいたいです」
農業経験ゼロの就農希望者に農業の基本の「き」から教え、自立就農までを連携して力強くサポートするJA小松市とJAグループ石川、そして小松市と石川県。レンタルハウス4棟が確保され、借金や保証金なしですぐに独立できる魅力的な研修にあなたも参加してみませんか?
【お問い合わせ】
◆JA小松市 新規就農支援センター
〒923-0964 石川県小松市今江町1丁目627番地
TEL.0761-23-5226
FAX.0761-23-5227
担当者直通 080-1959-0269(センター長/南出)
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