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おおいた農業経営塾はいいゾ〜経営塾と大分農業のススメ〜

佐川 友彦

ライター:

おおいた農業経営塾はいいゾ〜経営塾と大分農業のススメ〜

令和3年度おおいた農業経営塾(主催:大分県、運営:マイナビ)が無事に終了した。経営計画の最終発表会に臨んだのは14名の受講生たち。夢とチャレンジの詰まった個性的かつ具体的な経営計画は、一緒に何度も書き直した彼らの人生計画そのものだ。本講座のメイン講師として、おおいた農業経営塾の1年の歩みについて振り返りつつ、経営について学ぶことの意義をみなさんと一緒に再考したい。
農業経営塾とはその名の通り農業経営を学ぶシリーズ講座である。財務会計、人事労務、マーケティングなど経営に必要不可欠な各論について学びつつ、経営理念や経営目標、経営計画など、農園の将来像や今後の戦略をかたち作る実践の場でもある。

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おおいた農業経営塾の内容と特徴

ビジョン発表会の様子

本年度のおおいた農業経営塾は8月5日の開講式で始まった。新型コロナウイルス感染症対策や受講生の負担軽減という観点もあり、まずは12本のオンライン動画で基礎知識を学ぶ。BCP(事業継続計画)やコロナ環境への対応など最新のテーマも取り入れつつ、先輩農業経営者の苦労や工夫から現場の経営論まで薫陶を受ける充実した内容だ。15分動画というオーダーに対して30分以上熱弁してくださる講師が多く、あふれるサービス精神で神動画も多かったことは今年だけの僥倖かもしれない。
続いてやリアルタイムのオンライン講座が6回続く。「経営計画作成講座」では経営ビジョン、経営目標、環境分析、ビジネスモデルといった経営塾の王道的な内容で、内省しつつ経営方針を固める。後半3回ではマーケティング、労務管理、財務管理について専門家を講師に招き、実務レベルの具体的なアドバイスを受ける。
終盤には経営計画の作成指導が続く。個別面談も含めて3度も経営計画を見直す機会があるので、更新を重ねて余念のない計画に仕上がっていく。はじめは不安そうだった受講生も徐々に顔が明るくなり、最終発表会で力を込めて将来の農業経営について話す姿は誇らしいものだった。
おおいた農業経営塾いちばんの特徴は、県の手厚いサポートである。講座の企画運営がトラブルなく順調だったのは、受講生の状況や諸事情を考慮しつつ、常に細心の調整を施してきた県の献身的な対応の賜物である。講義や面談に地域の普及指導員さんたちが同席し、受講生を個別フォローする万全の体制が整っている。これは講座終了後の継続的なサポートにも効果的だ。

農業経営塾の意義と可能性

農業経営塾の存在意義はなんだろうか。
ひとつは農家から農業経営者への「転職」である。経営塾を受講する過程で、経営者らしい考え方や視野、マインドを身に着けていく。はじめは講座の内容と自身の現実とのギャップにとまどうことばかりでも、内省を続けることで自然と経営者”然”としてくるのだ。「生産」と「経営」のどちらが鶏でどちらが卵なのかはともかく、経営者意識は生産技術のポテンシャルを引き出すために必要不可欠な最強の補助魔法である。
また、農業経営塾は「人生の転機」にもなり得る。多方面からの刺激を受け、過去の農業人生を振り返り、今後10年の経営計画を立てる。経営計画はまさにライフプランそのものであり、経営塾は「能動的に人生を変えるラストチャンス」ではないか。実際に、農業経営塾を機に経営や人生が上方修正された受講生たちが全国各地で活躍している。ただ知識を得るためだけではなく、人生を変えるつもりで経営塾を存分に活用すれば、これ以上頼もしい場所はないはずだ。
各地の農業経営塾に日本で一番関わってきた私も、まだまだカリキュラムや運営体制、フォローアップなどの面において進化できる余地があると、おおいた農業経営塾で体感できた。農業界の一番の伸びしろは「人」だと期待している。経営塾のレベルが業界のスタンダードになれば成長産業への道も夢ではない。

経営塾と大分農業のすすめ

令和3年度 おおいたの農業経営塾 メイン講師の佐川氏と大分県庁の鹿島さん

まだ受講していない大分県の農業者のみなさんはぜひ、おおいた農業経営塾の門を叩いていただきたい。経営を学ばないのはこの上ない機会損失である。また、全国の新規就農希望者は、この経営塾の存在をもってして、就農候補地に大分県を追加してはどうか。様々な特産品、山と海に囲まれた豊かな農地、温かい県民性、行政や農業界の手厚いサポートがみなさんを歓待してくれるはずである。

受講者コメント①「自走力を身に着ける」

就農12年目、大分県竹田市荻町でミニトマトを栽培している一粒万倍の猪野精一郎さん

脱サラ農業12年目、大分県竹田市荻町でミニトマトを栽培しています。
受講のきっかけは昨年よりECサイトを立ち上げ、戦略も分らずにスタートした焦りの中、新聞でこの塾の存在を知り申し込みました。県内の積極的な農家さんと知り合えるいい機会、経営にも興味があり、それのブラッシュアップも図れると思い応募しました。
メイン講師の佐川友彦さんは言葉選びが素敵。それに加え問いかけた事に対しての返答、参考資料の提示が速い。「あなたにはこれですね!」のような感じで処方箋を即座に渡す。知識と整理術があってこその成しえる技です。
この受講で身についたことは、習慣化・とにかくやってみる事、特に気付いたのは思いだけでは目標は達成しない、戦略がある事。
マイナビさんにはハイレベルな運営に加え、課題についてのアナウンス等を事務的ではなく温かみのある対応を頂き、大分県職員の皆さまには熱量を感じ、全力サポートを頂きました。これが終わりではなくスタートです。この恩を忘れずに、農を通じて社会にどうお役立ちできるかを問い、また今回のチーム全員の顔を思い浮かべながら今後取り組んでいきます。
半年間ありがとうございました。

受講者コメント②「おおいた農業経営塾を受講して」

就農2年目、大分県豊後大野市三重町で菊を栽培している若杉翔子さん

受講のきっかけは、以前から佐川さんの阿部梨園の知恵袋を知っており、日々参考にさせていただいていました。その佐川さんが経営塾のメイン講師として大分県に来るということで絶対に受講しなくては‼と思い、受講の申し込みをしました。
就農前から自分はどんな農業経営をしたいのかということをずっと考えていたのですが、この経営塾を受講し、経営計画を作成することで自分の頭の中にあるぼやっとした考えを言語化し、自分が経営において何を大切にしたいのかをしっかりと自覚することができました。加えて受講生の方々の経営計画を通してその人の熱い想いに触れることができたのはとても良い刺激となりました。
私は就農したばかりだったので、他品目の生産者との交流がまだほとんどありませんでした。しかしこの経営塾を通して、理想の経営に近づけたいとする志が同じ仲間に出会えたことは、今後の経営を行っていく中でとても心強く感じます。

受講者コメント③「貴重な経験になりました。」

親元就農をして2年目、大分県国東市安岐町でオリーブオイルを栽培している河野嘉徳さん

私は2年前に親元就農しました。日々、作業に追われ、長期的な計画書制作や、事業継承の準備を考えるのは後回しにしていました。ある時、農業青年会員のグループLINEにこの塾のチラシが流れてきました。その内容は、計画書の作成と事業継承の進め方などを学べる…「これだ!」と、すぐに申し込みしました。
研修では、経営の基礎を学び、計画書を段階ごとに作り上げていくプログラムでしたので、徐々に出来上がっていくことに達成感を感じました。また、参加者と経営の課題を共有することで、フィードバック出来、計画書を詳細に記入することが出来ました。
今回参加して、経営計画書の作成方法を学べたことで、コロナなどの突発的なことが起きても、臨機応変に対応する自信がつきました。
また、参加者との交流は、「目標を達成する。」という意識を高め合うことが出来きました。
企画運営してくださった関係者の皆様、ありがとうございました。

5年目が終了したおおいた農業経営塾を振り返って

おおいた農業経営塾 担当者の鹿島 和之さん(大分県農林水産部新規就業・経営体支援課 副主幹)

「おおいた農業経営塾」は、歴史を遡ると平成2年度「おおいた農業平成塾」から始まり、32年の歴史を誇る事業である。令和2年度まで延べ556名(うちおおいた農業経営塾75名)の卒塾生を輩出し、今年度新たに16名が卒塾した。
長期間・継続的に県が実施するキーワードは「農家から農業経営者へ」であり、スマート農業、6次産業化、ネット販売等、農業経営の選択肢は非常に多く、多様な経営が描ける農業だからこそ、経営の羅針盤である「経営計画作成」を核として開講している。
併せて、忙しい農業経営の中、半年間の受講、計画作成、発表練習の時間を生み出すためには、受講生のやる気と根気、そして学び続ける気持ちが大切である。以前、県内の優良農業経営者から「経営者こそ学ぶべき、人より半歩先に行くために学ぶべき。」との言葉を聞いた時、農業経営塾は「学ぶ癖」をつける登竜門としての機能も果たしていると考えている。
そして、親元から独立就農し受講後、経営発展の方向性を確立した人。6次産業化を考えていたが受講後、基本である農業生産に主力をおいた人など、受講を契機に農業経営を見直し、変化する卒塾生を見た時が、担当者として一番の充実感を感じる瞬間である。
今後も人の人生を変える力のある農業経営塾で、「仲良く」「楽しく」「ちゃんと」学べる環境づくりを行っていく。
最後に、県では農業経営塾の卒塾生など農業経営者が地域農業を牽引する新たな取り組みを支援する「次世代農業プロジェクト支援事業」を令和3年度から実施し、卒塾生の活躍の場を創出している。

【おおいた農業経営塾のお問合せ】
大分県農林水産部
新規就業・経営体支援課 経営体育成班

〒870-8501
大分県大分市大手町3-1-1(大分県庁舎本館9階)
TEL:097-506-3598
FAX:097-506-1758
大分県庁ホームページ
おおいた農業経営塾のホームページ

【経営塾・セミナーについてのお問い合わせ】
株式会社マイナビ 農業活性事業部
クラマル・ノウラボ事業企画課

メールアドレス:agri-seminar@mynavi.jp

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