雇用就農だから実現できる!“半農半X”で自分らしいライフスタイルを【島根県浜田市】|マイナビ農業

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雇用就農だから実現できる!“半農半X”で自分らしいライフスタイルを【島根県浜田市】

雇用就農だから実現できる!“半農半X”で自分らしいライフスタイルを【島根県浜田市】

島根県浜田市は、旧浜田市と旭(あさひ)町・金城(かなぎ)町・三隅(みすみ)町・弥栄(やさか)村の5市町村が2005年に合併して誕生。日本海に面する海沿いには高級魚「のどぐろ(アカムツ)」の水揚げでも有名な浜田港があり、山間部には「日本の棚田百選」にも選ばれる美しい田園風景が広がっています。中でも「三隅町井野地区」は、きれいな水や空気、昼夜の寒暖差を生かした米作りが盛んです。高齢化や担い手不足による耕作放棄地の増加という課題はあるものの、「三隅町農業支援センターみらい」が中心となって地域の田畑などを守っています。今回はIターンで三隅町井野地区に移住し、同社に勤めながら“半農半X(エックス)” を実践する方々にフォーカス。彼らを取り巻く地域のみなさんにも取材しました。

地域の荒廃は田畑から―農地を守るために農業生産法人の「みらい」を設立

“半農半X”という言葉をご存知でしょうか?“半農半X”とは農業をしながら(半農)、自身の特技や能力を生かした仕事(半X)などで生計を立てるライフスタイルのことで、コロナ禍による社会環境の変化もあり、若い世代を中心に注目を集めています。

浜田市

島根県浜田市の三隅町井野地区にある有限会社三隅町農業支援センターみらい(以下「みらい」)では、“半農半X”を志す移住者を積極的に受け入れ、ともに農業に取り組んでいます。

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「『みらい』は地域の方々とJAしまね、浜田市が出資して立ち上げた農業生産法人です。未来の子どもたちや地域のために、今ある田畑を守ろうと2004年に設立され、2007年に法人化されました。圃場面積は20.7ha。約8割が水稲で大豆や蕎麦、楮(こうぞ)などを栽培する他、JAの育苗センターとライスセンターの運営や地域の農作業受託も行っています。私たちは町内の5つの集落の農地を預かっていますが、一つひとつの圃場が小さく、10a以上の田んぼは数えるほど…。それらを合計しての20.7haですから、とても作業が煩雑なんです」と話すのは、取締役の三浦崇夫(みうらたかお)さんです。

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しかし、安心・安全・おいしさに一切妥協しないのが「みらい」のこだわり。農薬や化学肥料をできる限り削減した米作りに取り組み、同社産の「水澄み(みすみ)米」は、島根県のGAP認証制度『美味しまねゴールド』を取得しています。また、雇用により若者を受け入れることを想定し、社会保険等の福利厚生部分もしっかりと整備しておられます。

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自分らしい生き方を求めて、三隅町井野地区で“半農半X”をスタート

そんな「みらい」の扉を最初に叩いたのが、Iターン者の吉田岳史(よしだたけし)さん・40歳です。

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名古屋出身の吉田さんは、高校で有機農業を学んだ後、有機農産物を扱う会社に8年間勤めた経歴の持ち主。しかし、退職してバックパッカーで世界各地を渡り歩き、帰国後の2013年に「みらい」での雇用就農の道を選びました。

「帰国後、自分が理想とする生き方ができる場所や働き方を探そうと考え、浜田市の三隅町井野地区にたどり着き、そこで縁あって『みらい』で働くことになりました。こちらに来てから林業技術を身につけ、今は農業と並行して特殊伐採の仕事を請け負っています。『みらい』で働いているので、地域の方から“あの木が邪魔で…”という声を気軽にかけてもらえます。一軒請け負うと、評判を聞いた他の方からも依頼があり、どんどん仕事が増えて年中繁忙期のような状態です」と豪快に笑う吉田さん。

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特殊伐採で地域の役に立ちながら、自身も経済的に潤い、更には伐った木を燃料にして生活するという理想の暮らしを実現していると話します。

そしてもう一人、Iターンで家族とともに移住してきたのが星亮人(ほしあきと)さん・39歳です。

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実は、星さんと吉田さんは海外放浪中のオーストラリアで意気投合した旧知の仲。星さんは吉田さんを訪ね、年に一度は井野地区に足を運んでいました。

「海外から日本に戻り、静岡の茶農家で働いた後、南伊豆に移住しました。植物から取り出した繊維で自然布を織ったり、染色したりと陶芸家の妻とともに作家活動をしていました。三隅町井野地区への移住を決意したのは吉田さんの暮らしぶりに惹かれたからです。自分もここで農業をしながら、モノ作りに打ち込みたいと考えました。妻がお米を作ってみたいと背中を押してくれたのも心強かったですね」と移住の経緯を教えてくれました。

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まだ1年経っていないこともあり、理想の暮らしを確立するのはこれからですが、「地域の方が優しくて、何かと世話を焼いてくださるのがありがたいですね。地域の手伝いや集まりには積極的に顔を出し、コミュニケーションを大切にしています」と付け加えてくれました。

住民と移住者の二人三脚で、楽しく快適に助け合える町へ

一方、Iターン者の吉田さん・星さんを受け入れている地域の方々からはこんな声をいただきました。

「人口が減り、高齢化が進む井野地区は、いかに農地を守っていくかが課題です。若い人が進学や就職で都会に出てしまうことが多い状況で、この土地を選んで移住してくれた吉田さんや星さんの存在はとても大きいと思っています。特に10年ほどここに暮らす吉田さんは、すっかり地域に溶け込み、県内の女性とも結婚されて…本当に嬉しいですね。彼がすごいなと思うのは、井野にあるものや環境を生かし、それを自分の強みと結びつけ、どう仕事にするかを考えていること。米作りもそうですし、木を伐る技術を習得したのもそう。しかも、全てを楽しみながら実践しているのが素晴らしいですよね」と穏やかに話すのは井野まちづくりセンターの若菜洋子(わかなようこ)さん。

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井野まちづくりセンターのみなさん(右端が若菜さん)と山本会長(中央右)

井野連合自治会の会長であり、現役の農家でもある山本兼文(やまもとかねふみ)さんもこう続けます。

「井野の人は温かく、住民同士のつながりも強い地域です。住み慣れると、その良さが分かってもらえると思います。先日は家族で夜神楽を見に来た吉田さんと星さんに、地域の人たちから『これ持って帰って』と次々にお土産を手渡され、帰りには持ち切れないほどの荷物を抱えていましたよ。自治会活動や地域活動への参加を通じ、古くから井野に暮らす住民と積極的に触れ合える方なら、きっとうまくやっていけると思います」と太鼓判を押してくれました。

島根県や浜田市は、移住者支援が充実!

東日本大震災の時、海外を放浪中だった吉田さんと星さんは、現地メディアが報じる日本の様子をテレビの前で固唾を呑んで見つめていたといいます。

「あの震災をきっかけに価値観が変わり、自分がどう生きたいのかをより考えるようになった」と語るお二人に、どんな人が“半農半X”のライフスタイルに適しているかを聞いたところ、「あの時に“気づき”があった人なら“半農半X”という生き方の魅力を共有できると思うし、実践できると思う」とエールを送ってくれました。

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更に今後の目標を伺うと「子どもを作って、もっと地域に根を張りたいですね。後は竪穴式住居も作りたい(笑)」と吉田さんが飄々と語る一方、星さんは「自分で育てたお米で作った団子屋の開業や地域の学校給食をオーガニックにしたいなぁ…」と夢は尽きないようでした。

都会と同じ所得水準を維持することは難しいかもしれませんが、経済的な豊かさでは満たされない心の豊かさ、自然とともに暮らす幸せ、家族と過ごす時間の大切さを実感できるのが三隅町井野地区に暮らす魅力ではないでしょうか。

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島根県では移住を希望する方に向けたさまざまな支援制度があり、ふるさと島根定住財団の「産業体験制度」もその一つ。

農業や林業などの対象産業で体験(3カ月以上1年以内)を受ける場合は、月額12万円(中学生以下の子どもがいる世帯はプラス3万円)の助成金が支給され、更に浜田市で農業に携われば、市からもう3万円が上乗せ助成されます。また、“半農半X”の“半農”が自営就農の場合も、定住営農を開始した後は1年間は月額12万円を継続して受け取ることができるので、安心して一歩を踏み出すことができるはず。

興味がある方は、ぜひ、浜田市農林業支援センターにお問い合わせください。

お問い合わせ

浜田市農林業支援センター
〒697-8501島根県浜田市殿町1番地(浜田市役所4階)
TEL:0855-22-3500
FAX:0855-22-3477
Mail:n-shien@city.hamada.lg.jp

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