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ここでしかできない有機農業がある。オーガニックビレッジ・島根県浜田市で習得する有機米作り

ここでしかできない有機農業がある。オーガニックビレッジ・島根県浜田市で習得する有機米作り

島根県西部の中心都市の一つである浜田市は、水産資源が豊富な日本海に面した沿岸部と美しい田園風景が広がる山間部を擁する自然豊かな市です。なかでも、南部の中山間地域にある弥栄地区は、「米どころ」として知られています。今回は、20年前にこの地に移住して有機米栽培を行う清水康彦さんと、清水さんのもとで米作りを学んでいる中村光良さんをご紹介。さらに、浜田市の新規就農者支援事業についてもお伝えします。

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有機農業を応援する浜田市の取り組み

浜田市は元来より、有機野菜栽培を行う農家が多い有機農業の先進地域です。令和2年度には、浜田市が「浜田の顔となる農産物」として選定する振興作物の品目に「有機野菜」が選ばれ、市として有機農業を応援していこうという気運が高まっています。昨年より、有機米栽培を助ける抑草ロボット(アイガモロボ)による実証実験などを行っています。

また、浜田市は国が進める「オーガニックビレッジ」を目指して現在、「浜田市オーガニックビレッジ構想」が進んでいます。「オーガニックビレッジ」とは、有機農業の生産から消費まで一貫し、生産者のみならず地域ぐるみの取り組みを進める市町村のことで、浜田市では生産者と消費者などが有機的につながることにより豊かな自然や風土をはぐくみ続けることを目指し、地元小学校における有機米給食の実施や地産地消の拡大などの取り組みも検討されています。

弥栄地区で実現した環境に配慮した農業

今回訪れた弥栄地区へ20年前にIターンで移住してきた清水康彦さん。「もともと他県の大規模農家で農薬散布の仕事に就いていました。当時は農薬肯定派だったのですが、50haの田んぼに除草剤を1~2週間散布し続ける仕事を続けるなかで、このままではよくないと思うようになりました」

次第に自分の関わる農地は環境に配慮したスタイルにしたいという思いが強くなっていった清水さんは、弥栄地区で有機農業の研修生を募集している雑誌の記事を見つけすぐに応募。以来、「自分が自信を持てる安心安全なものを提供できること」に喜びを感じながら、この地で有機米を作り続けています。

除草のポイントは、強い苗を作ること

有機米の作り手にとって一番頭を悩ますのが、除草の問題。除草剤を使用しないため、草取りにかける労力をどれだけ減らせるかは大きなポイントになります。「誰よりも多く失敗した」と語る清水さんですが、“草に負けない強い苗を育てる”という現在の除草の方法に到達し、確かな手応えを感じています。
清水さんは、専用のポットにもみ殻を撒き田んぼで育てるポット育苗を採用しており、40日ほどかけて一般的な苗の2倍(約15㎝)程まで育ててから6月頃に田植えを行います。育苗には時間も手間もかかり、特に田植えの時に重い苗箱の運搬をする作業は大変ですが、「苗が草よりも大きければ日が当たらないため草が負ける」という大きなメリットがあります。この方法にして、草に負けない強い稲を育てることができ、除草の手間も軽減しました。
「一般的な米作りでは、その年の作柄の半分は苗で決まる”苗半作”という言葉がありますが、有機米作りは”苗8割”ですね」と清水さんは育苗の大切さを語ります。

長年の試行錯誤の結果、確立した有機米農法

有機農業では、どんな有機肥料をどのタイミングで使用するかといった“肥料設計”への気配りも必要です。良い肥料を使うには費用がかかりますが、10年かけて土作りしたことで次第に収量も安定してきました。さらに、有機肥料を使い続けることで、田んぼにイトミミズなどさまざまな生命が増え、有機米作りにとって良い循環が生まれています。
こうした有機米栽培法が確立したのは、就農10年目を過ぎたあたりから。それまで本に書いてあることのほとんどを試したそうですが、「田んぼに草が生えているのか、稲が生えているのか分からない程ひどい状態の時もありました。有機米作りで手応えを感じるには時間がかかりますが、今は失敗しない作り方を確立できています」。このノウハウを、皆さんに知ってほしいと願う清水さんです。

有機米作りのグループを作るのが今後の夢

有機米作りには苦労もありますが、やりがいや魅力もたくさんあります。一番は、安全で安心な食べものを自分で作って食べられるということ。「農薬のない自然環境のなか、太陽のもとで働けることもうれしいですね」。また、米作りはハウス栽培などと異なり年1回の収穫で区切りが付くので、ストレスも少なく気持ちのうえでとても楽なのだそうです。失敗しても成功しても、秋で一度リセット。冬の米作りがない時は、趣味の登山にたっぷり時間を費やしてリフレッシュ。自由な時間を満喫し、次の年の活力にしています。
「農業を通じて、思いやりと優しさのある社会を作りたいですね」と清水さん。今後は、今のノウハウをベースにもっと人を巻き込んでいきたいと考えています。将来は、集落全体が有機農家になるくらい同じ志のもとに集まった仲間とグループが作れたら、と夢を語っていただきました。

清水さんのもとで米作りを学び、田舎暮らしを満喫

中村光良さんは浜田市のお隣、益田市の出身。両親の影響で自然農に興味を持ち、いろいろな働き方があるなかで、”有機米を作る仕事を一度経験してみよう”と思ったそうです。2022年の4~12月までは、浜田市のふるさと農業研修生育成事業制度を利用し、清水さんのもとで経営や技術を学びました。この制度は浜田市内で就農を考えている方に、地元の先進農家で農業経験を積んでもらうものです。研修期間中は研修手当(月額150,000円)や住宅手当(家賃の半分/最大20,000円)を支給、研修生専用の住宅が地区内に用意されています。

「研修を始める前は中山間地域、特に水の冷たいところで有機米を作るのは相当苦労するだろうなと思っていたのですが、安定して素晴らしいお米を生産している清水さんの米作りのスタイルには、素直に驚きました。結果を出すために清水さんは長年無理を重ねてこられたので、少しでも力になればと思い、研修後も手伝っています」。もともとは独立を志向していた中村さんですが、今は清水さんの米作りをより深く学び、規模拡大に貢献できたらと考えています。「自然豊かな弥栄地区には、私が求めていたゆったりした暮らしがあります。一度、自分の目で弥栄の暮らしを確かめてみてはどうでしょうか」

有機農業を推進する浜田市で学ぶ米作り

島根県は有機JAS取得農地が耕地面積に占める割合が全国トップクラスの有機農業への関心の高い土地です。なかでも浜田市は、オーガニックビレッジ構想を立ち上げ、有機農業に取り組む人を積極的に支援しようと動き出しています。中山間地域の有機米作りは苦労する部分もありますが、清水さんの取り組みに共感し、弥栄地区での暮らしに興味を持った方は、ぜひ浜田市までご相談ください。

浜田市就農・生活パッケージについて

浜田市ふるさと農業研修生育成事業について


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【問い合わせ先】
浜田市産業経済部農林振興課
普及支援係(農林業支援センター)

〒697-8501
島根県浜田市殿町1番地(浜田市役所4階)
TEL:0855-22-3500
FAX:0855-22-3477
Mail:n-shien@city.hamada.lg.jp

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