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夏野菜の栽培にもおすすめ! 簡単グリーンカーテンのつくり方

鮫島 理央

ライター:

夏野菜の栽培にもおすすめ! 簡単グリーンカーテンのつくり方

湿度と気温が高い日本の夏。近年は異常気象も重なり、もはや「暑い」を通り越して「熱い」日々が続いています。毎日続く地獄のような暑さを和らげるために、グリーンカーテンをはじめてみませんか?

グリーンカーテンの役割

グリーンカーテンとは?

テレビや雑誌などでもよく目にする機会のある「グリーンカーテン」という言葉。
そもそもグリーンカーテンとは、アサガオやゴーヤーなどのつる性植物を、窓の外や外壁に張ったネットにはわせて、カーテンのように日差しを遮ることを目的にしたものです。

露地や花壇はもちろん、プランターや小さな鉢植えでも作ることができ、ある程度の日差しと風当たりさえあれば、場所を選ばず作ることができます。また各家庭の状況に合わせて、サイズを調整し、自分だけのぴったりなグリーンカーテンを作ることができるというのも、楽しい要素の一つです。

グリーンカーテンの効果

清涼感を感じる緑が、強い日差しに映えるグリーンカーテンですが、その効果は見た目以上! 3つの具体的な効果を見ていきましょう。

1. 視覚的な清涼効果
緑色は自然を想起させ、安らぎや爽やかな印象を与える色です。風によりグリーンカーテンが揺れると、葉の音や、和らいだ光が揺れることで、視覚的・聴覚的にリラックスすることができます。

2. 直射日光による気温上昇の低減
しっかりグリーンカーテンを育てることができれば、繁茂したツルや葉っぱが暑い日差しを遮って、室温の上昇を防ぐことができます。カーテンやすだれのような役割で、わかりやすい効果ですね。

3. 蒸散効果による冷却機能
蒸散とは植物が吸い上げた水分を、大気中へ放出する機能のことです。植物は蒸散をすることで、葉の温度を下げ身を守っています。このように周囲の熱を奪い気温を下げるため、グリーンカーテン近辺は涼しく感じるのです。

コンクリートジャングルと揶揄(やゆ)されるようにビルなどの人工物が林立する日本の都市は熱がこもりやすく、ヒートアイランド現象を引き起こしやすい環境にあります。
しかしグリーンカーテンによって熱の逃げやすい環境を作ることができれば、自宅はもちろん、街全体の暑さを和らげることができるかもしれません。

グリーンカーテンの作り方

用意するもの

  • 培養土
  • 鉢底石 or 軽石
  • プランター or 鉢植え(深さ30センチ以上あるもの)
  • 園芸ネット(10センチマス目のものがおすすめ)
  • 支柱
  • 麻ひも

ホームセンターで購入。凝ったものじゃなくても十分育ちます

手順

1. プランターの底に鉢底石を敷き、培養土をその上に盛る
プランターは必ず奇麗なものを使ってください。過去に使った培養土などがついていると、そこから病害虫が発生してしまうおそれがあります。

土が漏れ出ないように石を敷きます

土はきちんとならしましょう

2. 支柱を立て、ネットを取り付ける
ネットが自重でたるんでしまうと、せっかくのカーテンがきちんと効果を発揮できません。支柱を横に通すなど、ネットがたるまないように対策しましょう。

あらかじめ支柱にネットを結んでおくと立てやすいです

写真のものより大きなネットを使う場合は上辺にも棒を通しましょう

3. 種をまいて、たっぷりと水をやる
種袋の裏面に書いてあるまき方に従って、種をまきましょう。
ただ、種から植物を育てるのは難しいので、慣れないうちは苗から育てることをおすすめします。

植物が大きくなったら、ネットに沿って育つようにつるを固定する「誘引」作業をします。誘引は麻ひもなど柔らかい素材のものを使いましょう。ビニールひもや硬い素材のものを使うと、風が吹いた時につるや葉っぱが切れてしまうおそれがあります。

植える位置を決めたらポットから取り出します。余ったネットはプランターの下へ

プランター栽培のポイント

市販の培養土を使おう!

グリーンカーテンに限らず、植物を上手に育てるためには土作りが大切です。どれだけ耐病性に優れた品種を播種(はしゅ)・定植したとしても、土壌が痩せていると絶対にうまくいきません。

プランターや鉢植えで育てる場合、地植えと違い栄養分が限られてしまいます。昨年の培養土を使いまわしたりせず、しっかりと新しい培養土を使うようにしましょう。

また公園や山で採取した土を使うことも避けましょう。法律で禁止されている上、雑草の種や病害虫が潜んでいる可能性が高く、デメリットしかありません。

筆者も種から育苗する際は、必ず市販の培養土を使用します。畑の土もあるのですが、培養土と比べ、保水性や栄養価が低く発芽率も低いからです。また必ずといっていいほど雑草も一緒に生えてきてしまいます。特別な理由がない限り、培養土を使いましょう。

水やりに注意!

土の表面が乾いたら、プランターの底から水がにじみ出てくるくらいたっぷりとあげましょう。
プランター栽培の土は乾きやすいので、水やりは忘れないように!

注意点として、夏の暑い日は気温の下がった朝や夕方に水やりをするようにしてください。日中あげてしまうと水の温度が上がって、植物をだめにしてしまいます。
また育てている植物の種類によって水やりの回数・量は異なります。しっかりとチェックして水やりをしてあげましょう。

追肥と害虫防除も忘れずに!

植物は培養土に含まれている栄養を吸収して成長します。しかしもともと含まれている栄養だけでは足りないので、途中追肥することをお勧めします。用途別に小分けされた家庭菜園サイズの肥料も販売されているので、うまく肥料を用いて健康なグリーンカーテンを目指しましょう。

また害虫や病気にも注意しましょう。病気は雨の跳ね返りや、ちょっとした傷跡などから簡単に発生してしまいます。雨の跳ね返りは株元にわらを敷くなどすると簡単に対策できるので、各家庭に合った方法で対策するようにしましょう。
他にも風の通りや、日差しの良しあしによって害虫の発生量も変わってきます。適度に葉をすくことや、プランターの設置場所に注意し、できるだけ害虫による被害を抑えるようにしましょう。

これだけ手塩にかけて育てていても、病害虫が発生してしまうこともあります。プロの農家の畑や庭でも病害虫は発生します。初心者は焦ったり驚いたりしてしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて症状を確認しましょう。
病害虫の対策は早め早めが重要です。早い段階で確認できれば、病気になった葉をとったり、害虫を直接捕殺するなど農薬を使わない対処が可能です。

もし株全体に病害虫が広がってしまって、どうしようもなくなってしまったときは農薬による対処も検討しましょう。農薬というと難しいイメージがあるかもしれませんが、自然由来の成分を使った環境に優しいものや、簡単に扱えるスプレータイプのものも販売されています。自身の環境にあった薬剤を適切に使いましょう。

グリーンカーテンにオススメの野菜

ここでは現役の農家である筆者が栽培したことのある野菜の中から、とくにグリーンカーテンにぴったりだと思う野菜を紹介します! 
庭先の家庭菜園でも、ベランダでのプランター栽培でもできる野菜ばかりなので、ぜひ挑戦してみてください!

ミニトマト

ミニトマトはナス科の植物です。つる性植物ではありませんが、ミニトマトはグリーンカーテンにぴったりな野菜です。

あまりイメージがわかないかもしれませんが、トマトの株は成長すると枝がたくさん出てきて、葉もよく茂ります。壁一面にとまではいきませんが、窓の前においておく分にはしっかりと日光を遮ってくれるでしょう。

またミニトマトは大玉トマトと比べ育てやすく、初心者にもオススメです。ただ、種から育てるのはかなり難しいため、苗を購入して育てるようにしましょう。

キュウリ

キュウリはウリ科の植物で、つるがよく伸びグリーンカーテンとして育てやすい野菜の一つです。筆者の畑でもキュウリは必ず栽培する夏野菜の定番で、うまく育ててやると2メートルくらいの高さまで育ちます。あまり高くしすぎてもキュウリを収穫できなくなってしまうので、手が届く高さあたりで親づるの先端を切り、伸長を止めてやるようにしましょう。

またキュウリは病害虫に非常に弱い野菜です。べと病やうどんこ病が出やすく、早めの対処が必要になります。不安な人は病害虫に強い接ぎ木の苗を使うようにしましょう。

ゴーヤー

ゴーヤーはウリ科の植物で、独特の苦みをもち夏野菜の定番として愛されています。耐暑性もあり、比較的病害虫にも強く、グリーンカーテンとして育てるにはぴったりです。

ただ、果実や葉が重くなるので、支柱が倒れないように注意しましょう。

ササゲ

ササゲはマメ科の植物で、育てやすく初心者にとてもオススメです。
つるが伝うことができるネットがあれば、どんどん上へ上へ伸びていくほど元気な野菜なので、大きなグリーンカーテンを作ることができます。

同じマメ科の仲間であるインゲンマメは真夏の暑さが苦手ですが、ササゲは強い耐暑性があり、息切れを起こさないように適切な追肥や病害虫の防除を行えば9月頃までは収穫を楽しむことができます。

ホップ

ホップはアサ科の植物で、ビールの原材料やポプリの素材として有名です。
主に東北地方で栽培されている作物ですが、関東地方など比較的温暖な地域でも育てることができます。
春から夏にかけて縦方向に一気につるが伸び、夏の間ホップの収穫を楽しむことができます。冬になると上部が枯れますが、地中の根は越冬するので翌年も繰り返し栽培することが可能です。

筆者も露地でホップを育てていますが、適切な手入れを怠らなければ全長が6メートル以上になることもあるとても元気な植物です。
6メートルは大きすぎる!という場合でも、ネットの上辺でつるを折り返してあげると今度は下に伸びていくので、好みのサイズに抑えることができます。

今年の夏はグリーンカーテンを楽しもう!

せっかくグリーンカーテンを作るのなら、夏野菜に挑戦してみませんか? 
ただ涼しいだけではなく、おいしい野菜も収穫できて一石二鳥です!
今は家庭菜園向けの品種や肥料などが出ているので、賢く使って楽しくグリーンカーテンに取り組んでみてください!

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