夏野菜の出来は梅雨時期で決まる!【畑は小さな大自然vol.43】

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夏野菜の出来は梅雨時期で決まる!【畑は小さな大自然vol.43】

連載企画:畑は小さな大自然

夏野菜の出来は梅雨時期で決まる!【畑は小さな大自然vol.43】
最終更新日:2019年06月04日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。一年の中で最も野菜づくり初心者がつまずきやすい時期、それが梅雨です。4月・5月の種まきシーズンに意気揚々と種まきをしたものの、梅雨対策ができていないために、そのあとは手間ばかりかかって収穫は少ない、という残念な結果になってしまうのがよくあるパターン。梅雨明けの暑い時期に畑がこのように残念な状態だと、心が折れてしまってそのまま挫折する方も少なくはありません。対策していないという方もまだ間に合いますので、ぜひ梅雨対策の参考にしてください。

梅雨に発生しやすい問題とは?

地域や年によって少しずつ異なりますが、大体6月上旬ごろに梅雨がやって来て、雨が多くなります。雨が多くなることで、出やすくなる問題点は以下の3つです。

  1. 野菜が病気になりやすくなる
  2. 雑草の勢いが増す
  3. 土の流出・粘土化

それぞれ詳しく解説していきます。

問題①野菜が病気になりやすくなる

まず致命的な問題として最も出やすいのが野菜の病気です。土の中や野菜の表面が高温多湿な環境になると、野菜の病気の原因となる細菌やカビの菌が増えやすくなります。特にトマトやスイカ、カボチャなどのもともと雨量の少ない地域を原産地とするような野菜は、雨の多い環境では弱りやすいため、それもまた病気にかかりやすくなる一因となります。

また土の中の水分量が過剰になると、野菜の根が呼吸できなくなり、酸素欠乏によって障害を起こすこともあります。

問題②雑草の勢いが増す


梅雨時期になると雨量が増えるとともに、気温も高くなる時期のため、雑草が成長しやすくなります。もともと日本で長年生きている雑草たちは、高温多湿な環境に対して野菜よりは慣れているため、より雑草が野菜よりも成長しやすい時期です。これに加えて雨が多くなると畑に行く回数が自然と減りやすくなるため、草刈りなどの手入れが行き届かなくなるのも雑草の勢いが増す原因の一つとなります。

問題③土の流出・粘土化

土壌表面が露出していることの多い畑では、大量の雨が降ると、土が雨で溶けて流出し、雨に溶けやすい栄養素も同時に流れ出て行きます。特にカルシウムやマグネシウム、カリウムなどの栄養素は水に溶けやすく、流出しやすいです。これらが流出すると土壌中の栄養素が不足しやすくなるだけでなく、土壌が酸性に傾きやすくなり、酸性に傾くとさらに野菜は栄養素を土から吸収しにくくなるため、生育に障害が出る原因となってしまいます。
 
さらに雨が降ることで土壌に起こりやすい問題が粘土化です。雨が大量に降り、水がたまったりその上を歩いたりすることで土がドロドロになると、細かい土の粒子である粘土が表層にたまりやすくなります。粘土化した土は隙間(すきま)がないので硬くなりやすく、水はけも悪くなるため、野菜は根を張りにくくなったり、根が呼吸できなくなることで生育障害を起こしやすくなります。

梅雨対策これだけはやっておこう!

ではこれらの問題が起こらないようにするための対策をご紹介していきます。

対策①マルチングを行う


土の表面が裸にならないように、ビニールや落ち葉・ワラなどで覆う方法をマルチングと言います。土の表面を覆うことで、野菜の近くに生える雑草や、土の流出を防ぐ他、雨によって跳ねた土が野菜について土壌中の病原性のカビや細菌が野菜に付着するのを防ぐことができます。

対策②雨よけ資材を設置する


雨が直接野菜に当たらないように、アーチ型の支柱を組んで、ビニールなどで上部を覆う方法で、主にトマト・ズッキーニ・結球レタスへの使用をオススメします。トマトの中でもミニトマトや加工用トマトなどは雨よけがなくても栽培にはそこまで影響がありませんが、大玉トマトや糖度を高くしたいスイーツトマトなどは雨よけを設置した方が良いです。
 
雨よけのためのビニールを張ることで、身割れや病気が発生するのを防ぎます。ただし側面まで塞いでしまうと風通しが悪くなり、余計にカビが発生しやすくなってしまうので注意しましょう。

対策③畑の水はけを良くする

腐葉土などの有機物中心に土作りを行うことで、水はけの良い土になる

雨が当たること自体はそこまで問題にはならないものの、土壌中の水分が多すぎることを苦手とする野菜を栽培する場合は特に、畑自体の水はけを良くすることが必要となります。もともと雨の少ない地域や砂質土壌で生まれ育った野菜は特に水はけが悪いと生育不良になりやすいため、注意が必要です。具体的には以下のような野菜があります。

特に土壌の過湿に弱い野菜の例

  • トマト
  • スイカ
  • カボチャ
  • ダイコン
  • キャベツ
  • ブロッコリー
  • コマツナ
  • ミズナ
  • レタス
  • イチゴ
  • ネギ
  • ズッキーニ
  • 枝豆

水はけを良くする方法としては、畝を高くする方法、水はけの良い土質に改善する方法と、畑全体の水の流れを良くする方法の3つがあります。畝の高さとしては20〜25センチほどあれば十分だと思います。

水はけの良い土質にするためには、牛ふん堆肥(たいひ)や雑草堆肥などの有機堆肥をベースに使用し、腐葉土やもみ殻くん炭、バーミキュライトなどを混ぜていくのがオススメです。また畑全体の水の流れを良くするためには、畑の周囲に溝を掘り、それが特定の方向に流れ出ていくようにしていくことが大切となります。

対策④雨の日に野菜を触らない。畑の中を歩かない。

トマトの芽かきなどは晴れの日に行う

雨の日に野菜を触ることで野菜に傷口ができると、そこから病原性の細菌が入りこむことがあります。また雨の時に畑を歩くと土がドロドロになって、粘土化しやすくなります。これらは絶対にしてはいけないという訳ではありませんが、できるだけしないようにすることをオススメします。

対策⑤通路に草丈の低い植物を生やす

定期的に刈りそろえることで、自然と芝生のようになる

これは少し上級者向けのテクニックかもしれませんが、僕は通路部分にもあえて雑草を生やします。そうすることで雑草が根を張り水はけが良くなる他、土壌流出や粘土化、泥はねを防ぐことができます。これは通路の草を刈らないということではなく、雑草の根を抜かずに草刈機で低く刈り揃えることで、球根で生えてくる雑草や地下茎で生える雑草があえて生えやすい状態にしています。こうすることで通路部分が自然と芝生のようになっていきます。

できるものだけでも対策を

紹介させていただいた梅雨対策の方法には、今すぐにはできないものもあるかもしれません。しかし、一つでも行っておけば、そのあとの野菜の生育や手間が大きく変わってきます。雨よけ資材を設置したり、畑に溝を掘る、土の表面をワラや枯れ草・落ち葉などで覆うなど、取り組みやすいものだけでも行っておきましょう。

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