ホースラディッシュとは
ホースラディッシュは、別名「西洋ワサビ」や「山ワサビ」と呼ばれているヨーロッパ原産のアブラナ科の多年生の植物です。名前にラディッシュとついていますので、ダイコンの仲間のようにも思えますが、ダイコンと同じアブラナ科ではあるものの違う属に分類される別の植物です。
主に根茎の部分を食用とし、特徴であるツンとした辛みを生かすため、すりおろして薬味として使用するのが一般的な食べ方で、ローストビーフとの相性は抜群です。
ホースラディッシュ、実はあなたの冷蔵庫にもあるかも
ホースラディッシュはあまり食べる機会がないという人もいるかもしれませんが、実は日本の食卓では身近な食材になっているのをご存じですか? どこの家庭でも常備されているチューブのワサビがそうです。スーパーで販売されているチューブワサビを2つ用意しました。どちらも同じメーカーのものですが、パッケージをよく見るといろいろと書いてあります。
「特選生わさび」には「本わさび使用」と記載され、「おろし生わさび」には「本わさび入り、西洋ワサビに本わさびをブレンド」と記載されています。パッケージもよく見ると面白いものですね。
原材料の表記は、原材料に占める重量の割合の多いものから順に書くことがルールのようです。「特選生わさび」で最初に表示されているのは本わさびですが、「おろし生わさび」では西洋わさびとなっています。
あなたの冷蔵庫のチューブワサビはいかがですか?
レストランではホースラディッシュをどう使う?
西洋料理の世界では、「レフォール」と呼ばれています。野菜を届けているフレンチのシェフと話していてもホースラディッシュという言葉は一切出ず「レフォール」でした。
レストランは使い勝手がよい、真っすぐなものを求めています。そして、香りを重視するために泥付きのものを仕入れ、使う分だけ洗って処理をするそうです。生産者として、使う側の目線を把握しておくことは大切なポイントです。
ホースラディッシュの香りが西洋料理によく合うこともあり、皮をむいて牛肉の上からそのまますりおろしたり、冷製のソースやクリームベースのソースとして使うことが多いようです。もちろん魚介系の料理にも相性は抜群です。
家庭でもできるおいしい食べ方
ホースラディッシュはピーラーなどで皮をむいてから使います。注意点としては、すりおろしたものを長時間おくと辛み成分が揮発してしまうので早めに食べることです。
熱々ごはんのお供に
すりおろしたホースラディッシュを熱々ご飯にのせ、しょうゆをかけていただきます。
ソースをアレンジ
市販のタルタルソースやマヨネーズでかまいません。すりおろしたホースラディッシュを混ぜるだけで、ソースがグレードアップします。
葉っぱでサンドイッチ
春になると出てくる若い葉もしっかりとしたホースラディッシュの味がします。
焼いたバゲットを半分に切り、バター、ホースラディッシュの若い葉、ローストビーフとチーズをはさんでサンドイッチに。
実は簡単。ホースラディッシュの育て方
ホースラディッシュの栽培は、きれいで豊富な水を必要とする本わさびと違い実に簡単です。
種での繁殖が難しいため、苗を入手することから始めます。苗はオンラインショップで購入することができ、「山わさび」「畑わさび」の名前でも販売されていますので検索する際に参考にしてください。
栽培の流れ
植え付け : 3~5月。株間50センチ。
収穫 : 11~3月。
植え付けの際の注意
苗は水はけのよい場所を選んで植え付けましょう。多年草ということもあり、畑の邪魔にならない場所で栽培することをおすすめします。
ホースラディッシュはゴボウのように地中深くに張った根を収穫しますので、根が十分に育つように地中40センチ以上深く耕しておくことがポイントです。
その後の栽培は、ほぼ放任でも大丈夫です。本わさびと比べると楽だと思います。
収穫の注意
多年草ということもあり、1年目より2年目に掘り上げたほうが太いものを収穫できます。しかし、私のように太いものを目指さなければ、1年目の細いものでも十分においしいホースラディッシュを楽しむことができます。
掘り起こす際、せっかく成長したホースラディッシュを途中で折らないように十分に気を付けてください。
まとめ
意外と身近で栽培も楽なホースラディッシュ。家庭菜園で育てることも難しくないですし、少量多品目で新規就農する人にとっても挑戦しやすい品目だと思いますので、栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。