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【外国人材相談事例#3】「勝手に進めて失敗されちゃう」問題の処方箋【外国人雇用について考える第50回】

連載企画:外国人雇用について考える

【外国人材相談事例#3】「勝手に進めて失敗されちゃう」問題の処方箋【外国人雇用について考える第50回】

執筆者:山下弘喜

私は企業のグローバル採用に関する支援をライフワークとして長年活動し、よく日本の職場に外国人を受け入れるための心構えなどの研修を行っているのですが、その繋がりから外国人材との働き方について相談を受けます。

その中でもよくある相談内容と解決策を、具体的な事例を元に紹介します。

【今回の相談内容】

『会議で決まった業務をチームで役割分担しながら進めていくことが多いのですが、途中でやり方を変えたり、指示したことと違う方法で進めたりするので困っています。

本人はそれでいいかもしれないですが、周りで一緒に働いている人に迷惑がかかってしまうケースがあったり、最悪の場合「できませんでした」と失敗してから報告してきて……。
「事前に相談して」と何度も言うのですが改善されません。どうしたらいいでしょう?』

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執筆者:山下弘喜 仕事をお願いする時に、少し難しい業務なのでやり方を説明してから「できる?大丈夫?」といつも確認をします。すると二つ返事で「できます」と言うので任せるのですが、だいたいできてないんです。本人は、「できま…

相談内容の背景

IT企業でソフトウェア開発のプロジェクトマネージャーである高田さん(仮名)は、4〜5人の開発メンバーと一緒にチームで分担して開発作業を進めています。
受託開発が主な現場では、要件定義で決まっている仕様書に沿ってコーディングしていく業務は、時間的にも余裕があるとは言えない環境です。
チームメンバーの中で唯一の外国籍であるベトナム出身のロイさんは、開発経験5年の中堅社員として活躍しています。ベトナム在住時代、オフショア開発現場で日本の仕事をしていた経験から日本語でのコミュニケーションを取ることができ、来日2年目です。

定例でメンバーと会議をして、進行管理を行っていく中で、方法やプロセス、役割分担を決めて仕事を進めています。会議の時には、ロイさんを含めメンバーの合意をとって仕事を進めていっているはずなのに、途中でロイさんは、仕様や方針を勝手に変更してしまうことがあります。

目的のプログラムが出来上がったとしても、他のプログラムに影響がでたり(出るかどうかをテストする必要があったり)、時には、「問題がありました」と締め切り前日に言ってきたりと、いわゆる「報・連・相」がないのです。かと言って細かくチェックする時間もないので、ある程度任せなければならない状況です。

あらかじめ相談してくれれば、調整もできるし、何よりロイさんは技術があるので、より良い仕上がりしていくこともできるはずなんですが……と悩んでいました。

【今回の問題】決定プロセスに対する考え方が違う

みんなに同意を取りながら決めていくか、自分の権限の範囲で決めていくか。決定プロセスにおいて日本は独特の文化がある

日本の仕事の決定プロセスは、強固な「合意形成型」で進行していく文化です。

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