止まらぬ原油価格高騰。農業が受ける影響とは?
原油価格の高騰は、灯油、肥料、農薬、農業用建設資材など、農業の分野においても暗い影を落としています。そこに、近年の気候変動による豪雨などの自然災害、化学肥料の多用による連作障害が加わると、農家は致命的な打撃を受けることに。
肥料や農薬のコスト削減は農業における永遠の課題ですが、病害虫などの生物的ストレスの緩和には、農薬なくしては立ち向かえないというのが一般的な認識です。農業資材の高騰によって営農のあり方を見直す必要性が迫られる今、農業は変革期を迎えたと言っても過言ではありません。
そんな中で注目されているのがバイオスティミュラント資材です。農業大国・ヨーロッパを中心に近年注目されているこの技術は、植物に対し高温や乾燥、低温(霜)など非生物的ストレスを制御することにより、気候や土壌のコンディションに起因する植物のダメージを軽減することで丈夫で健康な植物を育てます。その技術を確立する代表的なものが「フルボ酸」という成分です。
日本の農地は手をかけ過ぎ?土壌のリセットに効果もたらすフジミン®とは
フジミン®に含まれるフルボ酸という成分は、自然界では微量にしか生産されない腐植物質の一種で、通常は動植物などの死骸が微生物によって分解されて形成された腐植土壌に含まれます。フルボ酸の一番の特徴である*キレート作用により、植物の生育や土壌に対して、以下のような効果を発揮します。
①光合成を活性化して生育を促進
②発根を促進して根系を健全化
③肥料成分の吸収効率の向上
④土壌中の過剰な養分のバランスを調整
⑤凝集効果による土壌の団粒化促進
*キレート作用:土壌中のミネラルを植物が吸収しやすい状態にして運ぶ働きを指します。フルボ酸は「ミネラルの運び屋さん」と言われています。
つまり、長年の化学肥料や化成肥料の多用によって栄養過多になっている土壌を、フルボ酸で“リセット”し、植物を丈夫に育てることができるというわけです。
「日本の農業は即効性がある化成肥料に頼ることで、いろいろなことを“やり過ぎている”傾向にあります。次から次へと化成肥料を散布するため、何が効いているのか、生産者自身も理解していないのが現状ではないでしょうか。そのため、まずは土壌そのものをリセットすることが重要なのです」と、分析するのは国土防災技術株式会社の田中賢治さん(同社取締役・事業本部長)です。
同社は長年にわたる腐植物質の研究により、フルボ酸を高純度に量産化することに成功。植物活性剤フジミン®として製品化しました。
「フジミン®を水で500倍に希釈後散布し、地中にある鉄やマグネシウムをイオン化、酸素を植物にたくさん運ぶことで光合成を活性化します。全ての作物は光合成によって成長するため、野菜、果樹、樹木、海藻、芝生などあらゆる植物への効果が期待できます」(田中さん)
フジミン®によって土壌がリセットされると、光合成が活性化し、肥料の吸収も向上、作物は丈夫に育ちます。すると、追肥や農薬の使用回数を減らすことができ、コスト削減にも大きな効果が期待できます。
山間部や森林には、フジミン®に有機コンポスト肥料を混合して固形化した「フジミン® Forest」が有効です。降雨によって溶けるため、 液体のフジミンよりも効果の持続性が向上。また、水で希釈する必要がないため、水源の確保が難しい土地でもストレスなく使用ができます。
「化成肥料の一般的な有効成分は全体の半分以下であり、無効成分は畑に蓄積され、土壌の有機物の含有量を減らすリスクがあります。それに対しフジミン®は純度95%と有効性が非常に高く、もともとあった土壌の有機物含有量を減らすことなく土壌を健全な状態に戻す効果が期待できます」
と、話すフジミン®の開発者である田中さんは、この無効成分こそが連作障害や作物の品質低下につながっているとさらに言葉を続けます。
「有機農業が盛んなヨーロッパでは、化成肥料を入れると有機物質の含有量が減ることが認識されています。それに対し日本の農業は、収穫量を上げることに注力してきた歴史から、化成肥料を毎年多用し、有効成分以外の成分を地中に蓄積させてきました。余計なものがたくさん入っている土は酸化を招き、作物は十分に酸素を吸収することはできませんよね。土壌管理を怠ってきたツケが今、回ってきたとも言えるのではないでしょうか」
実証実験が証明するフジミン®の実力
国土防災技術では、野菜、果樹、樹木、海藻、芝生などさまざまな作物での実証実験を行い、フジミン®の効果をデータ化。明確なエビデンスを示しています。そのひとつが京野菜の代表とも言える「賀茂なす」です。
「賀茂なすの栽培は、元肥の使用量も多く、さらに2週間に一度の頻度で追肥をする必要があり、手間や肥料代がかかる作物として知られています。近年、若手生産者を中心に環境負荷を減らしながら収量・品質アップに挑む動きがあり、フジミン®の実証実験に参画いただきました」と、話すのは全国各地、さまざまな農地で実証実験を担当する秋山菜々子さん。
フジミン®は、有機JAS資材に登録されているため、慣行農法の農家だけでなく有機農家も安心して使うことができ、有機JAS資材を用法通りに使用すれば、有機JAS農産物と認められます。
実験では液体のフジミン®を使用。すべての区画に元肥を同量使用し、追肥量を区画ごとに
変更して比較検証をしました。
<試験区設定>
➀従来の追肥量を100%削減+フジミン®散布(追肥なし区)
➁従来の追肥量を50%削減+フジミン®散布
➂従来の追肥量を30%削減+フジミン®散布
➃従来通りの追肥量(従来追肥区)
フジミン®は、500倍に希釈したものを週に2~3回散布しています。
結果、栽培開始から2ヶ月間、追肥なしでフジミン®を散布した区画と従来通り追した区画の収穫量がほぼ同じという驚きの結果に!追肥に頼らずともフジミン®の散布のみで元肥の効果を持続させて一定の収穫量を確保できることが証明されました。また、収穫終了後に土壌中の肥料成分がどの程度あるのかを確認するためにEC値(電気伝導率)を測定。従来追肥区の値が2.02mS/cmだったのに対し、追肥なし区は0.20mS/cmとなり、約10倍の肥料蓄積差があることが分かりました。
「フジミン®を散布した土壌に肥料が残っていないのは、最後までナスが肥料をしっかり吸収できたということです。土壌に余計な成分が残っていないので、次回の作付けや、違う作物を作付けしても土壌改良が不要となり、コスト削減や労力軽減にもつながります」(秋山さん)
このほか、島根県の花き農家のよるケイトウ(鶏頭)栽培ではフジミン®の使用で従来よりも背丈や花の広がりが倍になったという検証結果が得られています。鳥取県の日南町では施設栽培のトマトが等級区分でトップとなり、収穫量、品質共に高い効果が得られました。
「フジミン®を説明する際、どの地域でどの作物に有効かをよく聞かれます。全国各地、さまざまな作物で実証実験を行った結果、光合成をする植物であれば、地域性を問わず一定の効果が得られることがわかりました。しっかりとしたエビデンスを示し、PRしていきたいと考えています」
と、フジミン®の実力に自信を持って語る秋山さん。生産者の喜びの声や表情が、何よりの励みと笑顔で語ってくださいました。
フルボ酸がもたらす地域農業活性化。今こそ、地力向上に取り組もう!
フジミン®の開発のきっかけは、建設コンサルタントである国土防災技術社が道路や河川の法面の緑化に取り組んだことに起因します。地質が複雑な日本でも土地を選ばず使用できるのもメリットの一つと田中さんは話します。
「東日本大震災による津波の塩害に苦しんでいた被災地では、フジミン®の散布によって除塩が進み、大地をリセットすることができました。また、全国各地の実証実験により、多種多様の農作物に効果を発揮することがわかっています。生産者の声に耳を傾けると、今までのやり方にとらわれ、連作障害が起こっても何をしてよいのかわからず、結果、新たな化成肥料でなんとかやり過ごしていることがわかりました。従来のやり方を変えることはとても勇気が必要ですが、農業資材の価格高騰が叫ばれる今こそ、農業は変わらなければ発展はないと実感しています」
原油価格の高騰による農業資材の価格上昇、さらには化成肥料の原料となる鉱物資源の限界など、従来通りのやり方では日本のみならず、世界の農業が危機に瀕しているのが現状です。
今こそ土壌をリセットし、地力向上に取り組むときー。
確かなエビデンスを示す同社は、地域農業を生産者と共に支える農業法人や資材メーカーとのタッグによって、フジミン®の販路拡大を目指しています。「フジミン®」販売に少しでも興味をお持ちのご担当者様、お気軽にお問い合わせください。
第2回ジャパン・レジリエンス・アワード優良賞受賞
2018年 第4回ジャパン・レジリエンス・アワード優良賞受賞
2019年 第28回地球環境大賞「農林水産大臣賞」受賞
2020年 令和2年度気候変動アクション環境大臣表彰受賞
*2019年には、国際連合工業開発機関(UNIDO)東京投資・技術移転促進事務所が提供するサステナブル技術普及プラットフォーム〈STePP)に登録されています。
【お問い合わせ】
国土防災技術株式会社
東京都港区虎ノ門3丁目18番5号青葉ビル
TEL:03-3432-3567
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