年商3億円のメソッドを伝受。JA仙台の革新的取り組み
起業10年目となる2021年、年商3億円を実現したねぎびと・カンパニー(山形県天童市)社長の清水 寅(しみず・つよし)さん。農業の経験も知識もゼロからの挑戦とは、にわかには信じられない実績を支えるのは、抜きん出た商才のみならず、あくなき探究心と実証実験から導き出したエビデンス、日本の農業界を本気で変えようとする情熱です。
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1本1万円のネギ「モナリザ」の創出を筆頭に、全国の農業者の悩みや課題を受け、積極的に勉強会や講習会を受け入れる姿勢は、低迷する日本の農業の救世主となりうる存在です。
その清水社長にネギ苗栽培を委託するのが仙台農業協同組合(以下、JA仙台)です。同組合はこれまでネギ苗をハウスで育苗後、管内の生産者に販売していましたが、区画整理によってハウス利用ができなくなり、苗栽培の委託先を模索。そこで出会ったのがねぎびとカンパニーです。
と、話すのはJA仙台の高橋さん。仙台市沿岸部の井土地区を含む3ヶ所の圃場(ほじょう)で2022年度よりねぎびとカンパニーのネギ苗を使った試験栽培がスタートしました。
水に恵まれた井土地区は、レタスやホウレンソウ・コマツナなど葉物野菜の産地として知られていました。状況が一変したのは2011年の東日本大震災。高さ10メートルの津波に襲われた同地区は甚大な被害を受け、農家の多くも家や農地、農機具を失い、農業を断念する人が相次ぎました。
良質なネギの栽培には良質な苗が必要不可欠。前述の区画整理がきっかけとなり、ネギの品質向上に乗り出したJA仙台は、井戸地区のネギ畑6.5ヘクタールのうち、0.1ヘクタールにねぎびとカンパニーのネギ苗を定植。定植前には清水社長を招いた研修会や、同社の育苗ハウスを見学する勉強会を実施、栽培技術を学んできました。
2022年6月、清水社長の指導のもと、新たな仙台井土ネギ栽培がスタートしました。
定植から2ヶ月の管理が品質を左右する。見えてきた課題と可能性
清水社長はネギ苗の受託のみならず、自身が築き上げた栽培技術を伝え、仙台井土ネギの品質及びLサイズネギの収量向上につなげることを目的としています。その清水社長の訪問を待っていたのは井土生産組合でネギ栽培を担当する岩間さんです。
と、話す岩間さんは、清水社長の指導のもと、株間10cmに4本のネギ苗を定植(4粒まき)。これにより従来の2粒まきよりも育苗コストを抑えることが可能に。4粒まきは苗2本に対して株間が倍になるため、ネギが細くなるのでは?という懸念もあったと本音を話します。
━ ネギは定植から2ヶ月間の管理が重要 ━
これは清水社長の言葉です。草刈りや土寄せのしかたなど、課題が明確になったことで取り組むべき課題が見えてきたと話します。
井土生産組合の大友代表理事組合長は、ねぎびとカンパニーが実践する常識を覆す栽培方法に、多くの組合員が驚きと共に可能性を感じたと話します。
JA仙台ではねぎびとカンパニーへのネギ苗栽培委託のほか、「寅ちゃんの極肥料」をはじめとした有機肥料を生産者に販売。試験栽培の結果を受け、年内中に来年の作付けに向けた検討会を行う予定です。
と、期待を寄せるJA仙台の高橋さん。ねぎびとカンパニー・寅ちゃんが、地域農業の救世主となるでしょう。
産地、農家の数だけある「やり方」に寄り添い、ベストな栽培方法を提案していきたい
山形県天童市の自社圃場において、これまでさまざまな栽培方法を実践し、確立してきた清水社長。現在、その技術と信念に追従する生産者は全国に広がりを見せています。
ねぎびとカンパニーは新たな取り組みとして出荷組合「ZERO(ゼロ)」を設立。日本全国のネギ農家と連携し、生産指導から販売までをトータルサポートします。これにより、年間を通した安定出荷が可能となり、所得向上を狙います。
━ 日本の農業が持つ力はこんなもんじゃない ━
全国の悩める農家の相談を受け、解決へと導いてきたからこそ、清水社長の言葉には説得力があります。
今こそ、日本の農業の技術力を知らしめるとき。
JA仙台×ねぎびとカンパニーの取り組みは、その礎になるでしょう。
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〒994-0075
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