アブラムシ駆除に効果的!おすすめの薬剤4選
アブラムシは繁殖力が高く、すぐに畑全体へ広がってしまいます。目に見えるサイズなので手で潰して回ることもできますが、大量発生してしまった後はやはり薬剤による駆除が最も簡単で効率的でしょう。
ここではホームセンターなどで簡単に入手でき、かつ害虫駆除に効果的な農薬を紹介していきます。栽培している作物や畑の環境によって使用すべき薬は異なりますので、事前に確認してください。
モスピラン
モスピランはネオニコチノイド系の比較的新しい薬剤で、従来の薬剤に抵抗性のあるアブラムシにも効果があります。使用できる範囲も広く、多くの野菜のアブラムシ防除に使える便利な薬剤です。
またモスピランはミツバチやマルハナバチに影響しないという特徴があり、自然受粉を邪魔しません。農業の現場では、トマトやキュウリ、梨などハチを使って受粉作業を行っているところで好んで使用されています。
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オルトラン
オルトラン粒剤は植え付け時に株元へ数グラム置くだけで良いので、初心者にもオススメの薬剤です。住宅街や貸し農園など周辺へのドラフトが心配な場合でも、安心して使うことが出来ます。粒剤の他、水和剤タイプもあります。どちらの場合でも、効果の持続時間が長く高い予防効果があり、株のすみずみまで成分が行き渡るため、多くの農業者が使用しています。
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ベニカXスプレー
花き類や庭木のアブラムシ被害に悩んでいる人には、ベニカXスプレーがおすすめです。本剤はスプレータイプの農薬で、面倒な希釈や移し替えが必要なく、買ってそのまま散布することが出来ます。
即効性があり、アブラムシに対しては1ヶ月ほど効果が持続するので、定期的に散布するとかなりの被害を予防できるでしょう。また、うどんこ病や黒星病の防除にも使えるので花を育てている人は1本持っていても良いでしょう。
何度も散布出来る反面、一回あたりの効果は化学農薬よりも弱いです。大量発生したアブラムシを防除する時は数日置きに連続散布しましょう。
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ダントツ
ダントツもモスピランと同じくネオニコチノイド系の薬剤で、従来の農薬に抵抗性のあるアブラムシに対して効果があります。アブラムシのほかカメムシやコナジラミ、ハモグリバエやシンクイムシ、カミキリムシなど幅広い害虫に対して殺虫効果がある農薬です。
散布すると、葉茎から株全体へ防除成分が浸透するので、葉の裏に隠れているアブラムシに対しても高い殺虫効果が見込めます。水溶剤のほか粒剤タイプもあるので使いやすいものを選びましょう。
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オーガニックや有機栽培でも使える農薬3選
アブラムシを防除できる薬剤は化学農薬だけではありません。自然由来の体や環境に優しい成分で作られた農薬を紹介します。
アーリーセーフ
オーガニックや有機栽培でも使用できる薬剤をお探しの人は、アーリーセーフを使いましょう。この薬剤はヤシ油由来の成分を使用しており、有機JAS規格でも使えます。ナスやトマト、キュウリなど夏の定番野菜や、葉物野菜などありとあらゆる野菜のアブラムシ防除に使用できる範囲の広さがとても便利です。また、自然由来成分の薬剤ということで、収穫の前日まで何回でも散布できるのもうれしいポイントです。
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ムシラップ
ハダニ類やアブラムシ類、うどんこ病に効果のあるムシラップは食品添加物がベースとなって作られた農薬です。薬液の膜でアブラムシの呼吸孔を塞ぐことで物理的に窒息死させるという機序で防除ができます。
収穫前日まで何度でも散布できるので、アブラムシが突然発生してしまったときにも便利です。浸透性はなく、薬剤を直接害虫にかけないと効果がないので散布する際は満遍なく吹きかけましょう。
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エコピタ
エコピタもハダニ類やアブラムシ類、うどんこ病に効果のある薬剤です。こちらも還元水あめが主な成分で、人や動物に影響のない薬です。ムシラップと同じく害虫の気門を塞ぐことで駆除するので、薬剤耐性がある害虫にも効果があります。またミツバチなどの有用昆虫に対して安全性が高く、天敵昆虫との併用ができるでしょう。
実際に使ってみるとアブラムシがポロポロ落ちていくのでかなり効き目の高い薬剤だと思います。
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身の回りのものでアブラムシを駆除する方法とは?おすすめの方法5選
ここからは、日用品を使ったアブラムシの駆除方法について解説していきます。
・米酢・唐辛子・ニンニク入りスプレー
・黒酢・木酢液スプレー
・牛乳スプレー
・重曹スプレー
・100均グッズ
それぞれの作り方と使い方について説明していきます。
米酢・唐辛子・ニンニク入りスプレー
用意するもの(300倍希釈)
・米酢 500ml
・唐辛子 5~10本(種を抜いたもの)
・ニンニク 1片
・水
・ガラス容器
・スプレーボトル
① 密閉できるガラス容器に、米酢を入れます。
② ①に唐辛子と潰したニンニクを入れ、1ヶ月ほど漬け置き、溶液は完成です。
③ スプレーボトルに水300mlを入れ、②の溶液を1mlほど加えよく混ぜます。
④ 出来上がった薬剤を、作物の全体にしっかりとスプレーします。
注意点
唐辛子はヘタをとり、種を抜きましょう。またニンニクは薄皮を剥いて、軽く潰してから漬け置きます。こうすることで、害虫の嫌がる成分がよりお酢に溶け出し、効果があります。
出来上がった原液は水に対して300倍ほどの濃度で希釈して使ってください。効果が薄い場合やアブラムシによる被害が大きい場合は濃度を濃くしても構いませんが、一度目立たない場所でテストしてから使ってください。
黒酢・木酢液スプレー
用意するもの(300倍希釈)
・木酢液、黒酢(5ml)
・水(1.5L)
・スプレーボトル
① スプレーボトルに水を入れ、木酢液もしくは黒酢を入れてかき混ぜます。
② 出来上がった薬剤を作物に吹きかけて使います。
注意点
木酢液や黒酢はあくまで植物の代謝を助け、虫の嫌がる匂いをつけるという目的で使われています。アブラムシなど害虫を殺す力はなく、予防薬として使いましょう。
実際にアブラムシの被害が出始めてしまったら、その他の方法で防除したほうが良いでしょう。
牛乳スプレー
用意するもの(10倍希釈)
・牛乳(50ml)
・水(500ml)
・スプレーボトル
① スプレーボトルに水と牛乳を入れかき混ぜます。
② 出来上がった薬剤を作物に吹きかけて使います。
注意点
牛乳スプレーは、牛乳の膜でアブラムシの気門を塞いで殺すという作用をします。そのため、直接虫にかからないとうまく効果が出ません。また、牛乳という性質上、高温時や湿度が高い時には腐ってしまったり、カビなどの原因になりかねませんので注意して使いましょう。
重曹スプレー
用意するもの(100倍)
・重曹(5グラム)
・食用油(20ml)
・水(500mll)
・台所用洗剤(数滴)
・スプレーボトル
①スプレーボトルに水、重曹、食用油を入れ、分離防止剤として台所用洗剤を数滴加えよくかき混ぜます。
② 出来上がった薬剤を作物に吹きかけて使います。
注意点
重曹は特定農薬にも区分されており、無農薬栽培で使われています。油を加えることで葉に展着しやすくなり、より効果を高めることができます。散布後、葉に残った薬剤が乾燥してしまうと葉が焼けてしまうリスクがあるので、綺麗に洗い流しましょう。
100均グッズでもアブラムシを駆除できるって本当?
100円均一でも売られている「ガムテープ」や「セロハンテープ」でもアブラムシを駆除することが出来ます。
使い方は簡単で、ガムテープやセロハンテープを指先に巻き付け、アブラムシをペタペタと触っていくだけです。アブラムシは小さく、粘着力には敵わないので簡単に捕殺することが出来るでしょう。テープがアブラムシでいっぱいになったらゴミとして捨てるだけなので処理も簡単です。
この方法は薬剤を調合したり、準備をしたりする必要がないので気軽に取り入れることが出来ます。ただ、アブラムシを触って回らないといけないので根気が必要です。
そもそもアブラムシはなぜ発生するの?主な原因2つ
暖かくなるといつの間にか発生しているアブラムシたち。
アブラムシが好む環境や、肥料に原因があるようですが、一体なぜ発生するのでしょうか。詳しく解説していきます。
肥料の窒素分が多い
肥料の窒素分が多いと、アブラムシが寄って来やすいと言われています。
窒素が多いと植物がアミノ酸をたくさん作ってしまい、アミノ酸を好むアブラムシがどんどん集まってくるというのです。
風通しが悪い
株間が狭く、風通しが悪いとアブラムシが発生しやすくなります。株が密集していると他の株にも行きやすく、アブラムシにとって過ごしやすい環境となってしまいます。
株間を広く取り、茂りすぎた葉を欠き取ることで風通しを確保し、日が当たるような環境づくりを心がけましょう。
アブラムシを駆除せず放置するとどうなる?
アブラムシの最も恐ろしい点は、高い繁殖力と言えます。
1週間ほどで幼虫が成虫になる成長速度の速さや、春から夏にかけてはメスだけで繁殖を行うという性質を持っており、爆発的なまでの勢いで数を増やしていきます。
このように繁殖力が非常に高いアブラムシですが、駆除せず放置しているとどうなるのでしょうか。
アブラムシは放置していると数を増やしていきますが、無限に増えるわけではありません。天敵昆虫であるテントウムシや寄生バチによって食べられたりして、ある程度のラインで抑制されます。とはいっても、量が多いことには変わりなく、アブラムシによって野菜は食べ尽くされてしまうでしょう。
ちなみに、アブラムシは温暖な気候を好み、極端な暑さや寒さを嫌います。高温時の真夏になると数を減らすのはこのためです。また冬場になると成虫は死滅し、一部の卵のみが越冬します。それ以外の時期はいつ大量発生してもおかしくないので、日頃からの防除が大切になるわけです。
厄介なアブラムシを防ぎたい!発生前にできる予防法
アブラムシの被害を抑えるためには、しっかり予防をすることが大切です。
ここでは、3つの予防方法について解説していきます。
1.シルバーマルチを敷く
2.コンパニオンプランツを植える
3.防虫ネットを活用する
以上の予防方法について説明します。
1.シルバーマルチを敷く
アブラムシは、乱反射する光を水面と勘違いし近づきたがらないと考えられています。このことを利用したシルバーマルチは太陽の光を反射し、アブラムシを寄せ付けない効果があるのです。
シルバーマルチによるマルチングをすることで、夏場の地温上昇や雑草の繁茂、雨の跳ね返りを抑えることができ、アブラムシ以外の病害虫対策にも繋がります。
またシルバーマルチのほか、シルバーテープで畝を囲うことでも同様の効果が得られるでしょう。シルバーテープはアブラムシ避けのほか鳥害防止にもなります。
2.コンパニオンプランツを植える
コンパニオンプランツとは、野菜と一緒に栽培することで病害虫対策や成長促進が期待される植物のことを指します。野菜ごとに相性の良い植物は異なりますが、ここではアブラムシ対策におすすめの植物を紹介します。
・マリーゴールド(アフリカン種)
アブラムシの天敵であるテントウムシが好んで近寄ってくる植物です。
・ソルゴー
イネ科のソルゴーにつくアブラムシを食べるため、テントウムシや寄生バチが寄ってきます。イネ科以外の作物を栽培する時に一緒に育てると良いでしょう。
・カモミール
アブラムシが好んで食害する植物で、被害をカモミールに移すことが出来ると言われています。
・チェリーセージ
虫除け効果のある香りを放出するので、害虫避けになると言われています。
3.防虫ネットを活用する
防虫ネットを使用することで、成虫が作物に飛来し食害したり、卵を産み付けることを防止できます。
役割対象の害虫によって、網目の細かさが異なるので注意しましょう。アブラムシの場合、0.8ミリ以下の目合いを選べば防虫できるでしょう。ただし、網目が細かくなればなるほど通気性が悪くなり、空気がこもりやすくなります。ハウスなどで使用する場合は注意しましょう。トンネルとして使う場合はそこまで気にする必要はありません。
アブラムシは早期に防除しよう
アブラムシはいつの間にか発生し、いつの間にか大量繁殖している厄介な害虫です。
まず、外から寄り付いてこないようにネットをかけたり予防剤を散布するなどして、寄せ付けない環境を作りましょう。
次に、日頃から作物をしっかりと観察することが大切です。アブラムシは葉の裏に潜んでいるので細かいところまで見逃さないように注意しましょう。
もしアブラムシが発生してしまったら、捕殺や薬剤散布などさまざまな方法で防除をしましょう。筆者のおすすめはムシラップやエコピタなどを散布することです。根気強く散布し続ける必要はありますが、かなり効果の得られる方法だと思うので、アブラムシにお困りの人はぜひ試してみてください。