■ミキさんこと岩神美紀(いわがみ・みき)さんのプロフィール
1981年高知県生まれ。大学卒業後、呉服と宝石の小売店向けコンサル会社に勤務。その後、リクルートにて情報誌「ケイコとマナブ」の編集を担当。29歳の時に地元高知に戻り、コメとショウガを栽培する専業農家と結婚。自身も10年間農業に携わったのち、2022年に農家専用Webデザイン事務所 NoukaDesign を起業。ECサイトリニューアルで前年対比売り上げ3倍、SNSフォロワーを3カ月で5倍に増やす、など農家に寄り添うサービスを行う。
大手企業の編集者から脱サラし、農家と結婚
西田(筆者)
その後リクルートに入社し、雑誌「ケイコとマナブ」の編集者になりました。「ケイコとマナブ」は趣味のおけいこ事から仕事に役立つ資格取得まで、さまざまなことをアドバイスする情報誌で、社内では読者の行動をうながすアクションメディアといわれていました。「好きを仕事にする本」というMOOK本のリニューアルを担当し、売上部数の改善をしたことで社内で表彰されたりと、充実してました。
ミキさん
西田(筆者)
仕事は充実していたのですが、実家の呉服屋が不渡りを出して大変だったこと、また年齢的に子どもを持つならそろそろ結婚しなきゃと思って、地元に帰ることを決意しました。
結婚した後も子どもが生まれるまで地元の出版社でライター業をしながら、実家の呉服屋を手伝いました。
ミキさん
西田(筆者)
ケガをしたこともあったのですが、農業を嫌いと感じたことはなかったです。手伝ってるという意識もなく、自分がやりたいからやってると思っていました。
ミキさん
農家専用WEBデザイナーになったわけ
西田(筆者)
そこで、収入の助けになればと雑誌の世界に戻ろうと思ったのですが、すでに紙媒体は廃刊が続出している時代になっていました。それで、今からやるならWebだと。しかも在宅でできるWebデザイナーになろうと思いました。
Webに関しては全く知識がなかったのですが、高知県が主催していた「長期実践型Webデザイナー育成コース」を活用して勉強しました。在宅でオンライン学習できるのは今の時代ならではだと思います。
ただこういったこともすぐに収入につながることはなく……。そして、いろいろあって離婚することになり、農業からも離れました。
ミキさん
西田(筆者)
それなら独立するしかないかと。そんなに簡単ではないことは重々承知してましたが、たまたま新卒で入った会社の同期から仕事の依頼が入ってきて、少し自信がつきました。
そして高知県の起業セミナーに申し込み、ビジネスアイディアをブラッシュアップしていきました。
ミキさん
西田(筆者)
ミキさん
西田(筆者)
でもなぜ農家専用にすることにしたんですか?
農業は大変だけど楽しい。つらいけどやり方次第では稼げる。苦しいけどやりがいがある。
そんな農業の魅力を伝えることを手伝うことが、農業に対する恩返しになると思い、農家を支援する農家専用Webデザイン事務所 NoukaDesign を立ち上げました。
ミキさん
情報の発信の仕方で売り上げ3倍に
西田(筆者)
そこでどんな方に買ってもらいたのかとターゲットを設定。仮定した人に向けての情報発信をしてもらいました。そうしたところ少しずつ農家以外のフォロワーさんが増えてきました。
増えてきたところで無料プレゼントキャンペーンをしました。コメントを書いてくれた方は当選倍率が上がるといった仕掛けも。そうしたところ3カ月で先の売り上げが達成されました。
また個人だけでなく大きなところから依頼が入るようになったとのことでした。
ミキさん
西田(筆者)
販売をしているのなら、どのSNSでもユーザーになる可能性がある人が見ていることを意識しないと、かえってマイナスになる場合もあります。
ミキさん
西田(筆者)
ただ、自営業者として売り上げをアップさせたい農家もたくさんいる一方で、アドバイザーに相談すること自体、ちゅうちょしている人も多いかと。
ですから、私は無料で農家さんからの相談を受けています。仕事に結びつけたい気持ちはもちろんありますが、それだけでなく、私もたくさんの農家の事情を知りたいので、農家の皆さんと話すことで私の助けにもなっています。ですので気軽に相談いただければと思っています。
ミキさん
西田(筆者)
あとは情報発信してほしい。情報を発信すればするほどつながりが増えて世界が広がります。
ミキさん
西田(筆者)
これからも農家を支える存在として頑張ってください! ありがとうございました。