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【レモングラスの育て方】畑・プランターごとの栽培方法や注意点を農家が解説

鮫島 理央

ライター:

【レモングラスの育て方】畑・プランターごとの栽培方法や注意点を農家が解説

家庭菜園というと野菜やフルーツが注目されがちですが、私が初心者におすすめしたいのは、ハーブ栽培。特にレモングラスは害虫に強く、草勢も強いので栽培しやすい作物です。一方で、もともと暑い地域のハーブなので、越冬に工夫が必要となるなど気をつけるべき点もあります。本記事では。そんなレモングラスの栽培の基本から上手に育てるポイント、収穫のコツ、越冬の仕方までを分かりやすく解説します。ぜひ記事を参考に栽培して、自家栽培ならではの鮮度と風味を存分に楽しんでください。

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レモングラスとはどのようなハーブ? 特徴や由来など

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レモングラスは、南インド、スリランカなど東南アジアを原産とする多年生の植物で、イネ科オガルカヤ属の植物です。その名の通り、レモンに似た香りを持っていて、トムヤムクンなど、東南アジア料理に使われることが多いハーブです。また、エッセンシャルオイルとしても利用され、アロマセラピーにおいてもそのリフレッシュさせてくれる香りが重宝されます。

レモングラスの名前は、その独特なレモンのような香りから来ています。実際にはレモンとは関係がないものの、その香りと風味がレモンをほうふつとさせるため、この名が付けられました。東南アジアでは古くから料理や薬として利用されており、今日では消化促進や胃腸への健康効果などもあり、独特で爽やかな香りが世界中で楽しまれています。

レモングラスの栽培歴

レモングラスは暑い地域が原産であり、寒さには非常に弱い植物です。そのため、十分に暖かくなってからが植え付けシーズンになりますが、地域や気候によって植え付け時期にはばらつきがあります。関東平野など一般地から温暖地にかけては、気温が安定して暖かくなる春の終わりから初夏にかけて、4月〜9月が最適です。一方で寒冷地などでは、初夏までに植え付けると良いでしょう。

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なお露地栽培でレモングラスを育てる際は、4月から6月頃までに植え付けて、夏の間にしっかり株を大きくしましょう。日本の気候では、屋外で越冬させるのは難しいので、霜が降りる地域では、レモングラスをポットやプランターなどを使って、屋内で育てるのも良いでしょう。苗が十分に大きくなったら、屋外に移植しましょう。

収穫時期は7月~10月です。7月には開花もしますが、日本の気候においては、なかなか花を咲かせることはないようです。

レモングラスの種まき

レモングラスは強く丈夫なハーブではありますが、種からの栽培はかなり難しくなります。
基本的には苗を購入して栽培するほうが無難ですが、小さな種から大きな株まで育て上げたときの喜びは特別なものがあるでしょう。

種まきの時期や押さえるべきポイントなど、わかりやすくまとめましたので、参考にしてください。

種まきの時期

レモングラスの種まきの適期は4月~6月で、発芽に適した温度は20℃〜25℃です。
レモングラスの種はとても小さく軽いため、雨などで簡単に流されてしまいます。
種まきをする場合は、直接地植えするよりも、育苗ポットなどにまくと良いでしょう。

種まきの方法

レモングラスの種まき方法は以下の通りです。

◯用意するもの

  • ハーブ用培養土または野菜用培養土
  • 育苗用ポットまたは鉢植え(7号~10号)かプランター(深さ30センチ程度)
  • 鉢底石または鉢底ネット
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  1. 市販のハーブ用の培養土や野菜用培養土などを用意します。
  2. 鉢植えやプランターの底に石や鉢底ネットを敷いて排水を良くします。育苗ポットの場合は特に必要ありません。
  3. 用土を入れ、軽く揺らしたり、押さえたりして固めます。その後、表面を湿らせるために水を与えます。
  4. たっぷりの水を与え、土が均一に湿るようにします。
  5. 半日陰の場所にポットを置きます。直射日光は避け、乾燥しないように注意しながら管理します。
  6. 一般的な発芽温度は20℃〜25℃で、発芽日数は7日〜10日程度です。発芽したら、最も成長が旺盛な芽を1本残し、他の芽は摘み取ります。
  7. 育苗ポットの場合、若苗が10cm程に成長したら、より大きな鉢や畑に植え替えましょう。

植え付け時期

苗の植え付けは、4月〜9月に行います。

詳しい方法については後述します。

注意点

レモングラスの種は小さく、発芽率も高くありません。発芽しなかったり、途中で駄目になったりしてしまうことも考慮して、多めに種をまきましょう。

栽培を始めて最初のうちは、株が新しい環境に順応するまで特に注意深く管理してください。強い日差しや風を避けるため、株が成長するまで、トンネルなどの遮光や風よけを設置しても良いでしょう。

レモングラスの植え付け

レモングラスは苗から植え付けて栽培するのがおすすめです。
種と比べて、根が張るのも早く、栽培管理も易しくなります。

また鉢植えで栽培すると、レモングラスを屋内に移し越冬させることも可能です。
地植えと鉢植え、好みや目的にあった栽培方法を選びましょう。

鉢植えの場合

◯用意するもの

  • ハーブ用培養土または野菜用培養土
  • 鉢植え(7号~10号)またはプランター(深さ30センチ程度)
  • 鉢底石または鉢底ネット

植え付け方は基本的に種まき方法と同じです。苗がすっぽり嵌(はま)るように、少し大きめな植え穴を作りましょう。苗の場合は日なたを好むので、良く日が当たる場所に鉢植えを置いてください。1つのプランターに複数株植えるときは、株間30センチ取ります。

露地植えの場合

露地植えする場合は、まず土作りから行います。
植え付け2週間前までに堆肥(たいひ)と苦土石灰、1週間前までにボカシ肥料や緩効性化成肥料を入れて土作りを行っておきましょう。

レモングラスは成長すると草丈120センチにもなります。そのため植え付けるときは、株間60センチとって、混み合わないように注意してください。

水耕栽培の場合

レモングラスを越冬させる方法として、冬の間に水耕栽培を行うこともできます。

レモングラスを水耕栽培する際、最初に健康で新鮮なレモングラスの茎を選ぶことが重要です。選んだ茎の下部数センチを切り取り、葉を全て取り除いた後、グラスや容器に清潔な水を入れて浸します。

この際、水は茎の数センチを覆う程度にして、明るく暖かい場所に置いてください。ただし、直射日光は避けるよう心掛けましょう。水は数日に1回新しいものに交換することで、茎が常に清潔な状態を保てます。およそ1週間で、茎の下部から白い根が伸びてくるのを確認できることでしょう。

春になる頃には、ある程度大きなサイズまで成長しているはずです。暖かくなってきたら土に植え付けを行いましょう。

レモングラスの栽培管理

レモングラスの株を健康的に長持ちさせるためには、日々の観察と栽培管理が必要不可欠です。
ここでは、レモングラスの水やりの仕方と、施肥の仕方について、それぞれ解説していきます。

水やりの仕方

◯地植えの場合

株が小さく根の力が弱いうちは、土の表面が乾いたら水をやるようにしてください。
大きく育ったあとは、自然降雨のみで十分なので、基本的には水やり不要です。
晴れた日が続いたときや、真夏の暑いとき、土の表面が乾いているようであれば水を与えてましょう。
水やりする際は、朝方夕方の涼しい時間帯に行いましょう。

◯鉢植え・プランターの場合

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらしっかり水をやりましょう。
鉢底から水が染み出してくるくらいが、水分量の目安です。

施肥の仕方

レモングラスは旺盛に成長するハーブの一つですが、良好な成長を維持するためには適切な施肥が重要です。

レモングラスは窒素を好む傾向があります。したがって、施肥時には窒素分の多い肥料を選ぶと良いでしょう。また、緩効性の有機肥料や液体肥料もレモングラスの成長をサポートしてくれます。

育て始めの段階や鉢植えの場合、特に土壌の栄養が不足しがちなので、施肥は不可欠です。植え付けから数週間後、新しい葉が出始めた頃から、液体肥料を1カ月に1回のペースで与えることが理想的です。液体肥料を使用する場合、ラベルの指示に従い、適切な希釈率で水に混ぜて使用してください。

重要なのは、過剰な施肥はレモングラスにとって有害であるため、適切な量と頻度での施肥を心掛けることです。適切な施肥により、レモングラスは健康に成長し、豊かな香りと風味を楽しむことができますよ。

レモングラスの収穫

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レモングラスは茎が太くなり、十分な長さ(約30センチ以上)に成長したら収穫の適期です。
収穫する際には、茎の基部に近いところで鋭利なナイフやはさみを使って切り取ります。
茎を根元から完全に切り取らず、上部のみを収穫することで、レモングラスはさらに新しい茎を生やすことができます。継続して収穫したいときは上部のみを切り取ると良いでしょう。
収穫したレモングラスは、冷蔵保存することで数週間の間、鮮度を保つことができます。また、乾燥や冷凍保存も適しており、長期間の保存が可能です。

またレモングラスは開花させなければ、長い期間収穫が楽しめます。日本の気候では花をつけづらいですが、花芽を見つけたら取ってしまうと良いでしょう。

レモングラスの冬越し

レモングラスは熱帯・亜熱帯原産のため、関東以北の寒冷地域では冬の寒さから守らなくてはいけません。

鉢植えの場合、冬の間は屋内の明るく暖かい場所に移動させましょう。
地植えのレモングラスは、初秋に茎を10センチ程度に切り戻し、上から黒マルチやわらで覆って冷えから守ります。

冬季はレモングラスの成長が停滞するので、水やりは控えめにして乾燥気味に保つことが大切です。春が来たらマルチングを取り除き、施肥を行います。適切な冬のケアを行えば、レモングラスは次の季節も健やかに成長してくれます。

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レモングラスの植え替え方法

レモングラスは成長が旺盛なため、根が鉢の底や側面をはうようになったら植え替えを行います。

まず、適切な大きさの新しい鉢を用意します。新しい鉢は、現在の鉢よりも5センチ程度大きなものを選びます。

植え替える際は、まずレモングラスの根を崩さないようにしながら、古い土を取り除きます。新しい鉢には新品の培養土を敷き、レモングラスを中心に配置します。その後、鉢の縁まで新しい土を追加し、しっかりと固定してください。この際、土を固めすぎず、根が息をして成長できるように注意しましょう。
植え替えた後、レモングラスにたっぷりと水やりし、日光の当たる場所に戻します。

レモングラスの増やし方

レモングラスは株分けによって増やすことができます。

成長が活発で、移植後の回復が早いため、春または初夏に行うのが最適です。
株分けを始める前に、レモングラスを地面や鉢から取り出します。その後、鋭利なナイフやスコップを使用して、大きな株をいくつかの部分に分けます。分ける際は、それぞれの部分に健康な根と葉が含まれるように注意してください。

分けた各部分を、新しい場所や鉢に植え付けます。植え付ける際は、十分なスペースを確保し、根が広がるのを妨げないようにします。その後、たっぷりと水を与えて、日光の当たる場所に置きます。

株分けを行うことで、レモングラスの成長を刺激し、健康な状態を維持することができます。また、古くなった株を若返らせる場合にも有効な方法です。

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レモングラスにつく害虫

レモングラスはその強い香りのため、あまり害虫による被害は多くありません。とはいえ、害虫を全く寄せ付けないわけではなく、特定の環境や条件下ではハダニなどの被害を受けることもありえます。

害虫の被害を最小限に抑えるためには、日頃からよくレモングラスを観察することが大切です。早め早めに対処を行うことが、害虫被害の抑制につながります。有機農薬を使ったり、天敵をうまく活用したりするなど、さまざまな方法で対処しましょう。また、そもそも虫がつかないような環境を作ることも大切です。混み合った場所があれば、適度に間引いて風通しを良くしてあげましょう。

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レモングラスは害虫に強く育てやすい!

数あるハーブの中でも、レモングラスは害虫に強く、地植えであれば、なかば放任栽培のような形でもしっかり育ってくれる頼もしい作物です。

気温40℃くらいまでであれば、むしろ我が意を得たりとすくすくと育ってくれるレモングラスは、昨今の暑い日本にはピッタリの作物かもしれません。冬越しの仕方さえ工夫をすれば、継続して栽培することもできますよ。

本記事を参考にして、楽しいレモングラス栽培に挑戦してみてください!

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