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まじめすぎる男が考えた緻密な就農計画、ハウスにちりばめた失敗しない工夫

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

まじめすぎる男が考えた緻密な就農計画、ハウスにちりばめた失敗しない工夫

就農するとき、どんな作物をどう作るのか明確なプランを立てることはとても大切なことだ。もしハウスを建てるなら、後のプラン変更による改修を避けるためにその点がいっそう重要になる。それを実践し、栽培と販売を軌道に乗せた「守山びわっこ農園」(滋賀県守山市)の竹林聡史(たけばやし・さとし)さんを取材した。

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就農2年でハウスを増設

竹林さんは2021年2月に農園をオープンした。まず2000平方メートルのハウス1棟を借り、トマトとイチゴの栽培を始めた。このハウスはもともとバラ園だったが、トマトやイチゴに合うように施設を改築した。

さらに23年5月にはイチゴ、7月にはトマトのハウスを1棟ずつ新設し、面積は最初のハウスを含めて合計で6000平方メートルになった。

なぜ就農から2年で規模を3倍にすることができたのか。そのことを説明する前に、いったん就農までの歩みをふり返っておこう。

竹林聡史

竹林聡史さん

竹林さんは滋賀県大津市の出身。以前から食に興味があり、就農も視野に入れて龍谷大学農学部に進んだ。農学部のある瀬田キャンパスは大津市にある。

大学では農業サークル「びわっこ」に所属。守山市の農業法人の開発(かいほつ)営農組合や地域の農業サークル「NORA(ノーラ)」などの協力のもとで、親子を対象にした農作業の体験活動などに参加した。

サークル活動と並行して開発営農組合でアルバイトし、さまざまな野菜の育て方を学んだ。そこで就農したいとの思いを強めた竹林さんは、さらにトマトやイチゴを生産する農家でもアルバイトして、2つの品目の栽培方法を集中的に習得。大学卒業後もここでしばらくバイトを続けた後、開発営農組合の紹介で農地を確保して独立就農した。

トマト

竹林さんの育てたトマト

販路に困らない強み

「自分で言うのもなんですが」と前置きしたうえで、竹林さんは「おいしいと言ってくれるお客さんがたくさんいる」と話す。短期間でハウスを増築したわけを聞いたときの答えだ。「既存の売り先からもっとトマトやイチゴを出荷してほしいと言われることが多く、注文に応えるために規模を拡大した」という。

竹林さんの売り方の基本は地域密着にある。

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