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【青森県六ヶ所村】県内随一の酪農郷で目指す酪農家への道。「梅木牧場」の先進的な取り組みに見る、これからの酪農スタイルとは

【青森県六ヶ所村】県内随一の酪農郷で目指す酪農家への道。「梅木牧場」の先進的な取り組みに見る、これからの酪農スタイルとは

青森県の畜産は主に県南地域が盛んで、乳用牛、肉用牛の他、豚や鶏などが畜産農家によって育てられています。なかでも下北半島の太平洋沿岸に位置する六ヶ所村(ろっかしょむら)は酪農が村の基幹産業であり、青森県の生乳生産量の約25%を占めています。そこで今回は、二代にわたって酪農業を営む梅木牧場を取材。酪農の魅力や未来への課題についてお話を伺いました。

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青森県内随一の酪農郷「六ヶ所村」

青森県・下北半島の付け根、太平洋側に位置する六ヶ所村は、変化に富んだ海岸と広漠とした湖沼群・丘陵地などの景観を有する美しい自然に恵まれた地域です。北海道を思わせる広大な土地は戦後、開拓者として入植した人たちによって酪農が築かれ、現在は27戸数 がその歴史を受け継ぎ、美味しい牛乳を食卓へと運んでいます。

その六ヶ所村で半世紀以上にわたって酪農を営んでいるのが梅木 修司(うめき・しゅうじ)さんです。酪農家として地域に先がけて乳用牛の改良や個体管理を実践し、乳量や乳質向上に貢献する梅木さんは2020年に大日本農会の農事功績表彰で「緑白綬有功章」を受章。地域農業を牽引するリーダーとして活躍しています。

現在、100頭(うち経産牛64頭)の牛を飼育する梅木さんは、日々どのような思いで酪農に向き合い、安定した品質の生乳を生産しているのでしょう。飼育のこだわりや工夫などからひも解いてみましょう。

酪農一筋50年。有畜農業で省力化・効率化を確立

梅木牧場を経営する梅木修司さん

取材に訪れた12月下旬。真っ白な雪に覆われた六ヶ所村にある「梅木牧場」の搾乳牛舎では牛たちが餌を食べたり、昼寝をしたりと、のびのびと過ごしていました。

「良い草を作ることは酪農の基本。良い草を食べることで牛はしっかり応えてくれる」

と、話す梅木さんは34ヘクタールの広大なほ場で粗飼料を100%自給生産しています。やませが吹き付ける厳しい環境でも安定した飼料を確保するため、国内でいち早く刈り取った草を円柱状に巻き取るロールベーラーや、巻き取った草を包むラッピングマシンを仲間と共同で導入した梅木さん。常に新しいことを取り入れることで、省力化に取り組んできました。

    

「就農した1970年当時は機械化が進んでおらず、苦労したこともありました。父が始めた農場の経営を譲り受けたことを機に作業効率や牛舎の快適性向上に取り組み、現在に至っています」

と、話す梅木さんは三本木農業高校を卒業後、高知県の牧場で山地酪農を1年間学んだのち、1980年に梅木牧場の経営を受け継ぎました。就農当時は20頭あまりだった乳用牛は現在、約100頭にまで増え、地域の仲間と共に酪農の道を歩んでいます。

「酪農経営を継続していくためには牧草畑と牛の数のバランスが重要です。堆肥の循環やゆとりある生活など、長く経営を続けていくことを考えると、現在の経営が理想にもっとも近い規模だと思います」(梅木さん)

良い草を育て、飼育環境を整えることで高品質な生乳を生産

    

従業員3名と梅木さん夫妻の計5名で切り盛りする梅木牧場は、1頭あたりの年間乳量が県平均の約8,600キロを大きく上回る1万キロ以上を誇ります。乳質は96%が最高のAランクと、県内トップレベルの酪農経営を確立した背景にはどのような工夫があるのでしょう。

「草の成長を見極め、最も栄養価が高い時期に刈り取った草を粗飼料として与えることを心がけています。良い草を育てるためには土づくりも欠かせません。また、牛の快適な寝床や牛舎の換気など飼育環境を整えることで、一頭ごとの乳成分や乳量の検査で乳質の向上につなげ、優秀な母牛を増やすことも重要です」(梅木さん)

牛舎には5頭に1台の送風機に加え、エアチューブも設置。チューブに空けた穴から牛の脛部分に風を当てることで、酷暑でも大きく体調を崩す牛はいなかったそうです。

長寿連産牛を増やすための改良が酪農の醍醐味

古くから活用されている「繁殖管理盤」では梅木牧場の全ての牛の状態を一目で把握することができる。その上には殿堂入りした8産以上した乳牛の牛名板が掲げられている。

牛の飼育環境の改善は、長寿連産にもつながると梅木さんは言葉を続けます。

※長寿連産:乳牛が長生きして分娩を重ねること

「乳牛がより長い期間、母牛として活動するには、泌乳能力と生産寿命の改良が重要です。長寿連産で生産能力を100%発揮させることが私たち酪農家の努め。免疫力や繁殖力に優れた血統構成をつくることは酪農の面白さでもあります」

牛は人間からエサ、水、寝床を与えられなければどうすることもできない生き物です。利益向上のために頭数を増やすのではなく、牛を健康に飼って繁殖成績を上げ、供用年数を延ばすことに梅木さんは尽力しています。その1つが52床の搾乳牛舎をフル活用することです。目が届く範囲の規模のスタイルを維持しながら収益を上げることをモットーとする背景には、どのような理由があるのでしょう。

「私も含め、高齢化が加速する酪農業は“無理をしない”ことが大切。あくせくすることなく、ゆったりした生活重視スタイルの経営をしていきたいと考えています」

「食べ物を扱っているからには、牛舎の衛生管理も徹底しなければなりません」と話す梅木さん。その証拠に、搾乳牛舎は驚くほどきれいで、掃除が行き届いていた。

牛の飼育環境同様、従業員の働きやすい環境にも取り組む梅木さんは、わかりやすい給餌の仕方でミスを防ぐ工夫や、従業員の休みを確保するために酪農ヘルパー制度を活用しています。

「酪農はキツい、休みがないという負のイメージがありますが、工夫をすることで作業効率を上げたり、無理のないスケジュールで仕事ができます。このような実情を知ってもらうことでイメージを払拭し、若い世代が酪農に興味を持ってもらえると嬉しいですね」(梅木さん)

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大切なのは“意欲”。生き物と向き合う覚悟が必要

弘前大学農学部(現:農学生命学部)の学生や、青森県畜産課の職員を研修生として受け入れてきた梅木さんは、次世代の担い手育成にも尽力しています。これまで多くの研修生を受け入れるなか、酪農に最も重要なのは“意欲”と梅木さんは話します。

「牧歌的な風景のなか、田舎暮らしを楽しみたいという気持ちだけでは酪農は務まりません。しかし、入口はどうであれ、やっているうちに現実を知り、意欲を持って命と向き合う覚悟が生まれます。初期投資がかかる酪農はいきなり独立就農は難しいかもしれませんが、雇用就農や酪農ヘルパーなどを通し、徐々に自分が目指す酪農を見つけてほしいと思います」

かつて、開拓団として入植した梅木さんの父親たちが切り開いた六ヶ所村は、高齢化や担い手不足によって離農する農家が増えています。先人たちやベテラン農家が築き上げた酪農郷・六ヶ所村を、意欲と覚悟を持って次の時代につないでみませんか?その挑戦を青森県は全力でサポートします。

酪農家を目指すなら、青森県農業体験がおすすめ!

酪農家を目指す方に向け、青森県では農業体験によるインターンシップ制度を実施しています。体験では梅木さんをはじめとした酪農家のもとで、実際の仕事を学びながら具体的な就農イメージを描くことができます。

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■体験できる業種:酪農、肉用牛繁殖、肉用牛肥育
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■お問い合わせ■
青森県農林水産部畜産課 経営支援グループ
青森県青森市長島一丁目1-1
TEL:017-734-9496
FAX:017-734-8144

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