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「持続可能な森林・林業」を目指し、若者が取り組む『再造林』

「持続可能な森林・林業」を目指し、若者が取り組む『再造林』

宮崎県は、スギ素材生産量32年連続日本一の林業県で、同時に『再造林』にも積極的に取り組んでいます。今回は、「持続可能な森林・林業」を目指す宮崎県の現状と課題、取組を紹介するとともに、最前線で『再造林』に取り組むZ世代の若者に話を聞きました。

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「森林」の役割と宮崎県の「森林・林業」

近年、地球温暖化の進行に伴う気候変動の影響等により、世界各地で記録的な熱波や干ばつによる水不足が発生する一方で、国内では、集中豪雨による記録的な洪水が発生するなど、『水』に関連する災害のニュースが多く報じられるようになりました。

「森林」は水を貯え、ゆっくりと川に流す、いわゆる「緑のダム」の役割を果たしており、また、水質を浄化するなど『水』の源泉を担っています。「森林」が育んだ豊かな『水』は、飲料水はもとより、「農・林・水産・工業等」に幅広く利用されるなど、私たちに多くの恩恵をもたらしています。

他にも、「森林」は、「木材の生産」を始め、「地球温暖化の防止」や「国土の保全」など多面的機能を有しており、私たちが「安全・安心」な暮らしを続けていくために、なくてはならない貴重な財産です。そして、その多面的機能は、未来に向けて持続的に発揮されることが最も重要です。

宮崎県の森林面積は、約59万ヘクタールで、県土の約76%を占めています。このうち人工林の比率は、スギを主体に約57%となっており、豊富な「森林」に恵まれています。

また、全国に先駆けて、林内路網の整備や高性能林業機械の導入等に取り組んできた結果、スギの人工林を主体に本格的な収穫期を迎えており、スギ素材生産量は、平成3年以降、32年連続して日本一を達成するとともに、令和4年の製材品出荷量も2年ぶりに日本一となるなど、全国屈指の林業県となっています。

スギ素材生産量日本一の宮崎県が抱える森林・林業の課題と取組

豊富な森林資源を背景として、林内路網や高性能林業機械等の生産基盤が充実する一方で、木材価格の低迷や山村地域の過疎化・高齢化等の進行、林業の担い手不足、森林所有者の経営意欲の減退などにより、伐採後に再造林が行われる割合は約7割に留まっています。将来にわたり、県産材の安定供給や「森林」の多面的機能の持続的発揮を図るためには、『再造林』の推進が喫緊の課題です。

このため、県では、「第八次宮崎県森林・林業長期計画」の重点プロジェクトの一つとして、コンテナ苗の生産拡大や素材生産事業者と森林組合等が伐採情報を共有して取り組む、伐採と再造林の「一貫作業による効率化・省力化」等を推進することとしています。

コンテナ苗は、根が培土に包まれている状態の根鉢付きで植栽できるため、根の傷みが少なく、乾燥ストレスを受けにくいことから、植え付け後の活着が良く、植栽可能な期間を長くすることができます。このため、これまで植栽時期が主に春先に集中している露地苗(裸苗)に比べて、植え付けに係る労働力の分散・平準化を図ることができ、伐採と再造林の「一貫作業」をほぼ通年で行うことが可能になります。

昨年度の県内におけるスギ苗木の生産量約630万本のうち、コンテナ苗の生産量は約270万本で、全体の約4割を占めています。この5年間で約4倍に増加しており、今後、再造林の促進につながっていくものと期待されています。

最前線で『再造林』に取り組む若者の声

宮崎県えびの市に拠点を置く株式会社松田林業で、現在2年目を迎える加藤弘大さん(22歳)。工業高校を卒業後、林業の世界を目指し、宮崎県美郷町にある「みやざき林業大学校」へ入校。林業大学校は同じ志を持つ仲間たちが、1年間の研修で即戦力となるための技術を習得するとともに、幅広い世代の仲間と同じ時間を過ごすことができる貴重な経験の場と話します。

林業大学校でのカリキュラム終盤に行われたインターンシップで、現在の会社を訪問。先輩の技術の高さに惹かれ、また社長の考えにも感銘を受け、「この会社だったら自信を持って林業ができる!」と直感し、入社を決意しました。

入社後は造林班に配属。造林班の主な仕事は、「地ごしらえ」「植付け」「獣害対策用ネット張り」「下刈り」「除伐」などで、特に夏場の下刈りは体力を消耗する作業ですが、作業後にその日の成果を一番実感できます。

約8年前から本格的に造林業へ参入し、再造林の効率化・省力化の観点からグループ会社で苗木生産も始め、現在は16棟あるビニールハウスと0.5ヘクタールほどの畑で、年間約15~16万本のコンテナ苗を生産しています。

生産している苗木は少花粉に分類され、成長の良い「高岡署1号」という品種で、大きいものは1年ほどで全長70cmほどに成長します。成長した苗木は、現在は主に自社での植付け用として使用しています。
コンテナ苗は持ち運びやすく、植付けしやすいのが特徴。露地苗(裸苗)に比べると作業効率が良いため、多いときには日に400本程度植付けることもあります。

現在は素材生産班で伐採・集材作業を行っていますが、最初に造林の仕事を経験したことで、規則的に植付けることが、伐採・集材作業の効率化につながることや、森林資源の循環の大切さを実感しています。

「自らが足元に植えた苗が、数年で自分の背丈まで育ち、数十年で見上げるほどの高さまで成長し、その後伐採期を迎える。そして森林は次の世代へと繋がる」。

Z世代の若者が、将来を見据え、今、『再造林』に取り組んでいます。

宮崎県の林業就業支援情報サイト・みやざきの『ひなたで林業』

\みやざきの林業に従事している先輩たちの生の声を紹介中/

【問い合わせ先】
公益社団法人 宮崎県林業労働機械化センター
TEL:(0985)29-6008
Email:miyazaki@ringyokikai.jp 

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