スギ素材生産量31年連続日本一を誇る宮崎県の林業。
高性能林業機械が充実。
働きやすいみやざきの林業が皆さんを待っています!
「令和3年木材統計(農林水産省大臣官房統計部)」によると、本県のスギ素材生産量は193万1千㎥の堂々全国トップ。また、772台の高性能林業機械等の保有台数も、北海道に次いで全国第2位という実績です。
今後も「作業の軽労化・効率化」「作業員の安全性の向上」を実現させ、働きやすいみやざきの林業を目指します!
近年、外材の輸入価格の上昇に伴い国産材の需要が高まっており、木材供給県である本県としては、これまで以上に県産材の需要拡大や安定供給体制の構築、循環型林業の推進に取り組んでいく必要があります。このため、活着がよく通年植栽が可能なコンテナ苗等の生産拡大に取り組むとともに、苗木運搬ドローンや背負式植栽機の導入支援などの就労環境の改善に取り組んでいます。
宮崎県は社会情勢の変化や森林・林業・木材産業の課題にいち早く対応すべく、「持続可能なみやざきの森林・林業・木材産業の確立」をテーマとし、令和3年度から12年度を計画期間とした『第八次宮崎県森林・林業長期計画』を策定しました。その中で「林業イノベーションプロジェクト」「木材産業サプライチェーン構築プロジェクト」「担い手確保・育成プロジェクト」という3つのプロジェクトを立ち上げ、計画の実現に向け取り組み始めました。
若者にとって働きやすい職場を目指す株式会社 山河。
女性の登用も積極的に行うなど、組織改革に取り組んでいます!
2022年7月に法人化、新たな歩みを始めた宮崎県東臼杵郡美郷町に本社を置く株式会社 山河 (旧社名:河内造林)。社員の和を大切に、みんなとともに会社を築き上げていきたいという河内社長のもと、SNSを活用した情報発信などにも取り組む、平均年齢30歳台というフレッシュな会社をご紹介します。
先代社長が担い手不足で苦労する時代から、現在の社長とともに会社を支えてきた右田琢磨さん(36 歳)。現在の河内秀典社長のかねてからの想いもあり、社名変更と同時に取締役に抜擢。これまで培ったことを後輩たちへ伝承すべく、今後は社長の右腕としての期待が高まる右田新取締役です。
入社当時、会社が造林事業を主業務としていため、造林作業を約5年間経験。その後、会社が林産事業を始めたことを機に林産業務に従事することになります。その頃から社長の指導のもと、グラップルやプロセッサをスタートに、その後もフェラーバンチャやハーベスタなど、あらゆる高性能林業機械のオペレート経験を積んできました。
林産事業がスタートしたときは、1本1本チェーンソーで伐倒・造材をしていました。そのため、それぞれの作業にかなりの時間を要していましたが、高性能林業機械導入後は、伐倒から集材までの一連作業を機械で行えるようになり、「作業スピード」と「体力的な負担」が大幅に改善されました。また、安全性という面でもより働きやすい環境が整ってきました。
昨年度、女性の現場作業員が新たに入社。主にハーベスタに乗って活躍しています。最近のハーベスタは操作ボタンが多く、ゲームのコントローラーに近い感覚で操作できるため、若い人にも興味が持ってもらえそうな作業です。その他、大木を倒すというダイナミックな作業を行うため、普段では感じることができない臨場感や充実感を味わうこともできます。また、高性能林業機械の運転席内は冷暖房完備。真夏や真冬でも快適な空間で作業を行うことができます。
高性能林業機械の普及やスマート林業の導入で、今後、林業の世界は大きく変化していきます。林業が若者にとって「チャレンジしやすい」そんな仕事に変貌しています。
高性能林業機械の導入は目的ではなく、あくまで手段!
働きやすい職場環境を実現することが真の目的です
江戸時代からの歴史がある「飫肥スギ」の発祥の地にある南那珂森林組合は、平成13年10月に日南地区森林組合と串間市森林組合が合併し、現在の日南市と串間市の森林を管轄する組合として発足しました。
現在の組合員数は6,099名 (うち準組合員数67名)。令和3年度の実績として、「販売部門」「森林整備部門」「利用部門」「加工部門」「指導部門」の5部門で、立木取扱高71,460m3、事業総収益2,709,141千円の実績を達成しました。
現在南那珂森林組合では、職員ひとりひとり自らが考え実行する組織を目指すため、職員それぞれが経営者の意識を持ち、収支管理までを自らが責任を持って業務に取り組んでもらうことを実践しています。一般的にはトップダウンで事業計画を策定し管理するケースが多いと思いますが、同組合においては担当者毎に事業計画をたて、それを全体の計画に反映させていくというボトムアップ方式を採用しています。そうすることで、各担当者も担当事業の収支をしっかり自覚し、そのことがモチベーションの維持にもつながっています。
また、森林組合として「技術的に出来ない」ということをなくすために、業務に関わりのある資格を幅広く取得できる体制を整えています。そういう点から、ユニークな資格を持った人材なども積極的に採用しています。採用にあたっては、現在「ステップアップ制度」というものを導入しています。これは、同組合では「現場がわからない職員をなくそう」ということで、採用時には現場職員として採用し、経験を経た上で技術職員・内務職員とステップアップする制度です。これにより、現場に寄り添った事業管理ができる職員の育成を実現しています。
(例外として、既に一定の資格取得を終え、即戦力として採用できるみやざき林業大学校卒業生においては、技術職員としての採用を行っております)
これからの新たな林業のあり方を求め、今後はドローンなどの ICT を利用した森林管理、林福連携による地元労働者採用で地域との共存を目指すコンテナ苗の育苗事業などへも積極的に投資していきます。また、独自に培った仕訳・検収ノウハウを強みとした高品質な原木直納供給体制の確立、将来の担い手を育てる目的でもある地元小学校での木育授業の開催なども、これまで以上に取り組んでいきたいと思います。
同組合の機械化による業務効率化は、合併前の串間市森林組合時代から既に始まっており、今ではグラップル・ハーベスタ・フェラーバンチャ・フォワーダ・スイングヤーダなどの林業機械を40台近く所有しています。加えて、作業範囲を2.5~3倍に広げられる「ロングリーチ」といったアタッチメントも所有しています。このように機械化が進むことで、「労働力の軽減」「安全性の向上」「生産性の向上」が実現しており、働く者にとっての環境改善が進んでいます。
みやざき林業大学校卒業生で、今年入社3年目を迎える西谷太成さん(23歳)も、現在高性能林業機械のオペレーターとして日々研鑽を重ねているひとり。グラップルによる集材作業やハーベスタによる造材作業も少しずつ慣れてきたため、今年からは作業道開設時に使用するフェラーバンチャの練習も始める予定です。機械操作に楽しさも感じていますが、やはり危険と隣合わせ。基本に忠実に、緊張感を持って技術の習得に励んでいます。
宮崎県の林業就業支援情報サイト「みやざきのひなたで林業」では、みやざきの林業に従事している「先輩たちの声」を始めとした林業就業支援情報を発信しています。今後開催予定の就業相談会情報等も掲載しています。是非一度ご覧ください。
【問い合わせ先】
公益社団法人 宮崎県林業労働機械化センター
TEL:(0985)29-6008
Email:miyazaki@ringyokikai.jp