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福島県須賀川市で見つける自分らしい農業。いちご農家の挑戦に見る、新規就農の可能性と未来

福島県須賀川市で見つける自分らしい農業。いちご農家の挑戦に見る、新規就農の可能性と未来

福島県中通りに位置する須賀川市は、福島空港をはじめとした交通網の整備により、人・物・情報などあらゆる分野の交流が生まれる「臨空都市」です。福島県の経済都市・郡山都市圏にありながらも、豊かな自然が広がる須賀川市では、夏秋キュウリの産地としてトップクラスの生産量を誇る「岩瀬きゅうり」をはじめ、米、トマト、ナス、リンゴなど、多彩な農産物が育まれています。その須賀川市でいちご栽培を手がけているのが「くろねこファーム」の樫村 翔太(かしむら・しょうた)さんです。27歳の若きファーマーの挑戦を紹介します。

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須賀川市のいちごが熱い!

 

夏秋キュウリ「岩瀬きゅうり」をはじめ、さまざまな農産物の産地として知られる福島県須賀川市。現在、市では「いちご」の栽培に力を入れる農家が増加中。阿武隈川流域の肥沃な大地の恵みをたっぷり受けたいちごは芳醇な甘みとさわやかな酸味が特徴で、市内には直売所や観光農園が点在。シーズンにもなると周辺の甘酸っぱい香りに誘われるように、多くの人が訪れています。

そのいちごに農業の可能性を見出し、2022年に須賀川市仁井田地区で新規就農したのが樫村さんです。「くろねこファーム」と名付けた13アールのほ場で現在、約4000株のいちごを栽培しています。27歳の若き青年の挑戦と共に、須賀川市の農業の魅力をひも解いてみましょう。

いちごに夢を託し、念願だった営農をスタート

「くろねこファーム」を営む樫村 翔太さん

「岩瀬きゅうりをはじめ、野菜を手掛ける両親のもとで育った私にとって、農家になることは目標でした」

と、話す樫村さんは農業高校を卒業後、福島県矢吹町の農業総合センター 農業短期大学校に進学し、農業の基礎を学びます。学んでいるうちに指導者に興味を抱き、卒業後は県内の学校で講師として農業を指導。その後、1年間の会社員生活を経て就農しました。

「いちごを選んだ理由は、子供からお年寄りまで好きなことと、加工など6次産業化ができると思ったからです。栽培だけではなく、夢が広がることにいちごの可能性を感じました」

 

新規就農者育成総合対策の経営発展支援事業の助成を受け、5アールのハウス栽培から営農を開始した樫村さんは、保護猫として招き入れた猫にちなんで農園を「くろねこファーム」と名付けました。農業の基礎知識はあったものの、いちご栽培についてはゼロからの挑戦だったため、近隣のベテランいちご農家に指導を仰ぎながら栽培がスタートしました。

「全て自分でやりたい!」育苗と土耕栽培に挑戦

 

いちご栽培は一般的に、地面に畝を立てて栽培する「土耕栽培」と、作業がしやすい位置に株を設置する「高設栽培」があります。樫村さんが選んだのは土耕栽培。土からしっかり養分を取ることでいちごの味が濃くなることがその理由です。

「土耕栽培で株をしっかり育てるために古い葉を取り除く「葉かぎ」をはじめ、収穫などの作業時はどうしても膝を曲げたり腰を屈める姿勢になり、体に負担がかかります。しかし、いちごにしっかり味がのるのは土耕栽培です。設備投資が少ないのでその分、販売価格を抑えられるため、伝統的な栽培方法で挑戦したいと思いました」

と、話す樫村さんのこだわりはそれだけではありません。いちごの苗は自分で育苗し、定植をしています。作業の効率化や省力化のため、苗を購入する農家も多いなか、なぜ、手がかかる育苗にチャレンジしたのでしょう。

「やるからには全て自分でやりたかったというのが本音です。育苗は確かに大変ですが、手をかけた分だけ良い苗が育つ達成感があります。また、良い苗を自分で選んで植えることができるのも楽しいです」

「手をかけた分だけ応えてくれるのが農業の楽しさです」

しかし、就農1年目は思うように苗が育たず、初収穫は12月31日。いちごが最も高く売れる12月のクリスマスシーズンに間に合わせることができなかったそうです。

「1年目は失敗もありましたが、改善の余地があることは伸び代があるということと、前向きに捉えています。就農2年目の2023年は前年の反省を踏まえ、改善したことで収量がアップ、クリスマスシーズンに間に合わせることができました」

現在、2ヶ所の無人直売所を須賀川市内に構える「くろねこファーム」。新鮮で美味しいいちごは評判を呼び、昼過ぎにもなると売り切れてしまうほどの盛況ぶりです。取材中も次々と客が訪れ、真っ赤に熟したいちごを購入していました。

さらに美味しさを追求し、6次産業化を目指す

「くろねこファーム」のほ場に隣接する無人直売所

取材に訪れた1月中旬。樫村さんはいちごの甘酸っぱい香りで満たされたハウス内で、5月まで続くいちごの収穫作業に勤しんでいました。今後は1万株に増やすことを目標に、事業拡大も視野に入れていると樫村さんは言葉を続けます。

「子供が生まれたばかりなので、農作業は基本的に私1人、箱詰めなどの作業は両親に手伝ってもらっています。今後は有人の直売所やネット販売、観光農園、キッチンカーによる加工品販売も視野に入れ、事業拡大を目指しています」

「くろねこファーム」では現在、とちおとめを中心に栽培していますが、新たに樫村さんがチャレンジするのが「ゆうやけベリー」という新品種です。2022年末、福島県が10年もの月日をかけて開発したオリジナルいちご「ゆうやけベリー」は、福島県オリジナル品種として約20年ぶりに誕生。収穫の開始時期が早いという特徴があり、クリスマスや年末年始の食卓を彩るいちごとしても期待されます。

  

観光農園やキッチンカーなど目標に向けて日々、いちご作りを追求する樫村さん。最後に、農業を志す方にメッセージをいただきました。

「新規就農には費用面や技術面など不安なこともあると思います。私もその1人でした。しかし、国や県の助成制度があり、市の担当者が親身になって相談に応じてくれます。就農にはさまざまな方法があるので、まずは情報収集をし、自分に合った農業を見つけてくださいね」

須賀川市は新規就農者を応援します!

母親のいづみさん、樫村さん、矢内さん。いづみさんは同じ道を選んだ息子の挑戦を、あたたかく見守り続けている。

農業が盛んな須賀川市では、新規就農者を支援する制度が充実しています。制度を活用する際には、「青年等就農計画認定申請書」を作成し市の認定を受け、「認定新規就農者」になる必要があります。

「須賀川市は岩瀬きゅうりが有名ですが、野菜や果樹を中心に、さまざまな作物が栽培されています。2022年度からは作物を限定せずに希望する作物に合った研修制度を実施しています。研修先の受け入れ農家のマッチングや各種申請の手続きは、私たち市の担当者が相談に応じます。まずは気軽にお問い合わせいただければ幸いです」

と、話すのは須賀川市経済環境部農政課の矢内潤さんです。樫村さんも矢内さんのアドバイスを受けながら、新規就農を果たすことができたそうです。

須賀川市新規就農各種支援制度はこちら

東北でありながら年間の平均気温は13℃前後と比較的温和な気候が続く須賀川市は、降雪も少なく、住みやすい環境のまちです。

農業を始めるのにぴったりな須賀川市でぜひ、あなたの夢を実現してみませんか?その挑戦を全力で支える人たちが待っています。

【問い合わせ】
須賀川市役所
経済環境部 農政課 農業政策係
〒962-8601 福島県須賀川市八幡町135
TEL:0248-88-9138 FAX:0248-72-9845

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