第5話:前作の残さ処理
【まとめ】石灰窒素を使って作物残さの腐熟促進、次作までに堆肥化され土壌微生物のバランスも整う
石灰窒素には、その窒素成分をエサにして微生物を増殖させ、作物残さの腐熟を促進する働きがあります。腐熟により土中で堆肥化した作物残さにも窒素が含まれ、そのぶんの基肥を20~40%節減できます。
また、石灰窒素の散布で土壌中の微生物は一時的に減りますが、腐熟によって、その環境に適した土壌微生物相に改善された状態で増殖します。そして微生物が作物残さを腐熟する際に生成する有機酸を、石灰窒素の石灰分が中和します。こうして、土壌病害虫が発生しにくい土壌環境が作られ、減農薬にもつながります。
作物残さが生のまま腐熟していない畑では、その分解のために、作物に与えたはずの窒素成分が微生物に横取りされ、窒素飢餓になることも。次作までに作物残さを土中堆肥化するには、収穫後すぐに石灰窒素(10~30kg/10a)を散布してすき込むことがポイント。早く次作に取りかかれ、減農薬・減化学肥料も期待できます。
マンガでわかる石灰窒素シリーズ、次回は「センチュウ、根こぶ対策」です。
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