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生キクラゲで見つけたブルーオーシャン、成長途上で直面した「6次化の壁」

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

生キクラゲで見つけたブルーオーシャン、成長途上で直面した「6次化の壁」

競争が少なくて、市場の広がりを見込めるブルーオーシャンを狙いたい。事業を始める人の多くはそう考えるが、実現は簡単ではない。農業もその点は同じ。だがそれを狙って農業を始め、手応えをつかんだ例もある。キクラゲ栽培に参入したタクシー会社、日栄交通(さいたま市)を取材した。

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本業の危機から農業に参入

「もし会社があれほど厳しい状況になかったら、キクラゲ栽培を始めなかっただろう」。日栄交通の常務を務める清水雄一郎(しみず・ゆういちろう)さんは新規事業として農業に参入したわけをそう話す。

参入のきっかけは、新型コロナによる本業の低迷。タクシーの利用客が大幅に減り、「倒産」の2文字が頭によぎるほど深刻な状況に陥った。そこで新たな収益源を求め、2020年4月にキクラゲの栽培を始めた。

まず家庭用の栽培キットを買い、会社の一室で育ててみた。栽培が可能なことがわかると、次に会社の敷地にビニールハウスを建てて作り始めた。2022年にはプレハブに建て替えて、本格生産をスタートさせた。

清水雄一郎

清水雄一郎さん

生産の拡大はその後も続く。桶川市の空き家を買い取り、リフォームして2つ目の栽培施設にした。さらに、そこから車で5分ほどの場所に最近ビニールハウスを2棟借りた。2024年6月から栽培を開始する。

キクラゲの菌床数で生産の拡大を確認しておこう。最初に買った栽培キットは10個で、プレハブを建てたときが1200個。2棟のビニールハウスの栽培がスタートすれば、全体で6000個に達する。

生産量を増やすことができるのは、売り先が必要とする量にまだ応えきれていないからだ。清水さんは「ブルーオーシャンと思って、キクラゲを始めた」と話す。その読みは間違っていなかったと言えるだろう。

空き家

栽培施設に造り替えた空き家

生キクラゲで中国産に差

ここでいったん、時計の針をキクラゲの栽培を始める前に戻そう。

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