伊達市では「地域おこし協力隊」を「地域おこし支援員」として任用しています。
「地域おこし支援員」は、都会から地域に居住して地域協力活動を行いながら、地域への移住・定着を図る「地域おこし協力隊」と地域の活性化のために地域に入って状況把握などを行う「集落支援員」を組み合わせた名称です。よそ者が地域に溶け込みながら、地域を活性化させていくことを期待しています。
伊達市ってどんなところ?
2006年に伊達町、梁川町、保原町、霊山町、月舘町の5つの町が合併して誕生した伊達市は、東北の玄関口・福島県の中通り北部に位置する自然豊かなまちです。
概要
伊達市は東に阿武隈山系の霊山(りょうぜん)、 西には吾妻連峰(あづまれんぽう)、北方には宮城県境の山々が遠望できる福島盆地の中にあります。265.1km²の面積のうち、65%を森林と農地が占め、豊かな自然を生かして、ももや柿をはじめとした果樹、夏秋きゅうりをはじめとした野菜栽培が盛んです。
アクセス
東京から新幹線と電車を使って約2時間のところに位置する伊達市。市内には2つの在来線と4つの高速道路インターチェンジがあるため、近県へのアクセスも良好です。
気候
盆地特有の気候を持つ伊達市は東京と比較すると夏はやや暑く、冬は3〜4度低い日が続きます。
自然
自然にあふれ、四季折々の様々な風景を見ることができる伊達市。春は、桜と濃いピンク色の桃の花が咲き誇り、夏は涼やかなあじさいの小径が見頃になります。秋は伊達市のシンボル名峰「霊山(りょうぜん)」の紅葉が圧巻、また、冬景色にはオレンジ色の干されたあんぽ柿が鮮やかです。
歴史
独眼竜で知られる戦国大名伊達氏発祥の地として知られ、市内には数々の史跡が点在しています。また、南北朝時代、北畠顕家(きたばたけ・あきいえ)が霊山に国府を開いたことでも有名です。
特産品
もも、りんご、いちご、ぶどう、柿など伊達市は果物の宝庫!なかでも全国的に有名なのが夏のももと冬のあんぽ柿です。ももは26種類の品種があり、6月から10月まで味わうことができます。「あんぽ柿」は鮮やかなオレンジ色の果肉とトロリと柔らかくゼリー状の中身が特徴で、江戸時代に福島県伊達郡梁川町の五十沢地区で製造、販売されたのが始まりとされています。
移住者に聞く、伊達市の魅力
自然、歴史、多彩な農産物の宝庫である伊達市に魅せられ、地域おこし支援員として2023年4月に移住したのが福井竣太(ふくい・しゅんた)さんです。支援員から現在は伊達市市民活動支援センターの職員として市民生活を支える先輩支援員の加藤麻子(かとう・あさこ)さんの声と共に、伊達市の魅力をひも解いてみましょう!
ミッションは林業の活性化。地域おこし支援員の役割とは?
profile
伊達市地域おこし支援員 福井竣太さん
岩手県奥州市出身。2023年4月より伊達市地域おこし支援員として林業に従事。
Q福井さんが伊達市地域おこし支援員に応募したきっかけとは?
交際相手の出身地である伊達市には過去、何度も訪れていました。豊かな自然と地域の皆さんの人柄の良さに触れるうちに住みやすさを感じ、当時居住していた埼玉県川越市からの移住を考えるように。そんなとき、地域おこし支援員の募集を目にし、応募したのが移住のきっかけです。
Q.地域おこし支援員の活動内容とは?
林業を通じた地域活性をミッションに活動しています。具体的な仕事は植林や雑草処理など森林の手入れ作業、木を切って材木にする伐採(ばっさい)、運材などを行っています。
Q.地域おこし支援員の1日のスケジュールは?
森林で作業がある日の朝は早く、7時に現場に入ってその日の作業内容の確認、申し送り、安全確認などを行った後、8時に作業スタート。1時間の昼休憩を取って13時から15時ごろまで作業をして下山、17時には帰宅します。支援員1年目の昨年は、チェーンソーの講習会に参加したり、伐採の技術習得に努めました。
Q.林業に携わることで、見えてきた課題は?
面積の半分以上が森林という伊達市の特性を活かすことが課題と感じています。林業を通じて木材の魅力を伝えることを使命とし、林業のPR活動や県産木材を使った木工品の創出などに取り組んでいきたいと考えています。そのひとつがご当地ヒーロー「樹界機士パインプロスパー」の企画立案です。
Q.「樹界機士パインプロスパー」とはどんな企画?
“樹界機士パインプロスパー”の名前は、伊達市をはじめ、福島県内に多く自生する松を意味する「パイン」と、繁栄を意味する「プロスパー」から名付けました。今後は「樹界機士パインプロスパー」をさまざまなイベントに登場させ、子どもの将来の夢に林業があがるように、魅力を発信したいと考えています。
Q.伊達市の暮らしで魅力に感じることは?
わざわざ遠出しなくても近くに自然がたくさんあることです。また、福島市や仙台市にも車で手軽に行くことができるのも魅力です。
Q.伊達市に移住するにあたって不安だったことは?
移住前に何度も訪れたことがあるため、特に不安を感じることはありませんでした。
Q.伊達市の生活で不便に感じることは?
スーパーやドラッグストア、銀行、郵便局、病院など日常生活に困らない環境が整っているので生活に困ることはありません。強いてあげるなら、東北でありながら盆地という特性上、夏はとにかく暑いこと。それに対して冬はそれほど厳しくない印象です。
Q.地域おこし支援員退任後のビジョンについて
木工体験ができるカフェをオープンしたいと考えています。現在、福島学院大学の教授と3Dプリンターを使った木工製品の6次産業化にも取り組んでおり、木の地産地消と林業の担い手育成に尽力していきたいです。
市民活動支援センター職員から見た、伊達市の魅力とは?
profile
伊達市市民活動支援センター職員 加藤麻子さん
東京都出身。2013年4月~2015年3月まで伊達市梁川町山舟生地区に移住し、地域おこし支援員として活動。
Q.伊達市の魅力とは?
都会に比べて人が少ない分、1人ひとりが活躍できる場が多いことです。都会では埋もれてしまう小さな活動にもちゃんと目がむけられ、やりがいと自信を持って取り組むことができます。また、車で1時間圏内のところに山、海、川、温泉などがあることも大きな魅力です。
Q.地域おこし支援員時代の活動は?
地域で日々行われている様々な活動や行事などに参加させてもらっていました。地域のこれからについて一緒に考えたいと思っていたところ、ちょうど伊達市の地域自治組織の立ち上げとタイミングが合い、モデル地区として地域の皆さんと共に取り組むことができました。
Q.伊達市の地域おこし支援員を選んだ理由は?
東日本大震災後、数ヶ月で日常に戻った東京と、復興に取り組む被災地に温度差を感じていました。そんなとき、伊達市が地域おこし支援員を募集していることを知り、地域活動を通して支援することを目的に、移住を決意しました。
Q.移住にあたって不安はありましたか?
もともと海外の発展途上国などの支援活動を行っていたので、移住に関して不安はありませんでした。
Q.伊達市での暮らしはどうですか?
のんびりとした時間が流れ、とても平和です。旬の農作物をいただく機会が多く、野菜には困りません(笑)。娘も自然の中でのびのびと育っていると感じます。
支援員の活動を支える、充実のサポート体制
伊達市では、地域おこし支援員の活動を支えることを目的に、さまざまなサポート体制を整えています。主なサポートは次の通りです。
・住居の提供(家賃は市が負担。光熱水費は支援員負担)
・活動車両、携帯電話貸与(リース代及びガソリン代、通話料も市負担)
・地域おこし支援員の研修支援
・市から新任支援員への研修
・国・県等主催研修会への参加
・自己研鑽のための研修支援
・支援員個別ヒアリング(活動の振り返り、今後活動予定、生活面、困り事、要望などの聞き取り)
・起業支援補助(支援員が定住し、起業する対策として100万円を限度に補助制度あり)
福井さん
また、任用後のミスマッチを防ぐため、伊達市では本採用前に2週間〜1ヶ月の期間、インターン生として地域活動に従事する期間を設けています。活動を通して地域を知り、地域住民と触れ合うことで孤立することなく地域に溶け込むことができます。
加藤さん
田舎らしいのんびりとした時間のなかで日々の生活を営む”だて暮らし”。地域おこし支援員として活動しながら地域の魅力を発見し、自分らしい生き方を見つけてみませんか?豊かな自然と伊達市の人々が、あなたの挑戦を待っています!
問い合わせ先
伊達市協働まちづくり課地域振興係
024-575-2115
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