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特別栽培・有機栽培の害虫対策にもう一つの選択肢 成分カウントされない農薬で水稲を守る

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特別栽培・有機栽培の害虫対策にもう一つの選択肢 成分カウントされない農薬で水稲を守る

みどりの食料システム戦略で掲げる化学農薬の低減、有機農業の農地面積拡大に取り組む産地は必見。先駆的産地を水稲害虫から救った「ゼロカウント™粒剤」について、その利用法をJA新潟かがやき・ささかみアグリセンターの高山和彦さん(有機JAS指導員)に聞いた。

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有機・減農薬の先駆的産地に、立ちはだかる害虫防除の課題

1990年に「ゆうきの里」を宣言し、循環型社会の実現に取り組んできた新潟県の笹神村(現・阿賀野市)。後に制度化された特別栽培米の基準である化学農薬・化学肥料の窒素成分の慣行5割以下を、既に「当たり前」に行っていたことから、その米を「あたり米(まい)」として流通させ、特別栽培米は、農薬7割減、化学肥料99.6%減を実現している。2005年にいもち病抵抗性を持つコシヒカリBLが県内に一斉導入されて以来、管内では殺菌剤と殺虫剤の使用を徐々に減らしていった。

しかし、2011年と2012年にイネドロオイムシが大量発生。取引先の理解を得て、農薬を使用したことで全体の被害は減少したが、さらなる農薬の削減を進めるために、利用歴のなかった「ゼロカウント™粒剤」の効果と影響を2年かけて試験評価して導入した。田植えの際、同剤を苗箱に振りかけて移殖すると、天然物由来の有効成分スピノサドが稲の根から吸収され、幼虫が葉を摂食してその効果が現れる。

防除の手段を持つ安心、地域でみどり戦略の先を行く

初期害虫の被害がここまで拡大したのはこの時限り。「暖冬で雪が少なく越冬成虫が多かったなどの条件が重なったのではないか」と高山さん。暖冬だった2024年の5月も、害虫被害が出ないように必要に応じて同剤の使用を呼びかけた。管内では同剤を生産者の判断で選択可能な資材に位置づけている。特別栽培の農薬成分にカウントされず、有機JASに適合する農薬は数が少なく、ありがたいという。

ささかみアグリセンター管内の水稲の減農薬・減化学肥料栽培は、取引先である生協との取り組みとして、1988年にわずか80aの田んぼから始まった。現在では管内の水田面積1500haの3分の2を「あたり米」と特別栽培、有機JASが占め、全量を生協へ販売している。

「有機栽培をやるのは、食べたくて待っている人がいるから。地域で目的を持って取り組むことが大事」と高山さん。販売戦略なくして有機栽培はないと、みどりの戦略の先を見据える。

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「生産者が取り組んだ付加価値米の出口確保が先決」と話す高山さん

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取材協力

JA新潟かがやき・ささかみアグリセンター

問い合わせ先

コルテバ・ジャパン株式会社
〒100-6110 東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー

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