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「キロ当たり生産原価は75円」ヤマザキライスが実践する節水型DDSR(乾田直播水稲栽培)とバイオスティミュラント

「キロ当たり生産原価は75円」ヤマザキライスが実践する節水型DDSR(乾田直播水稲栽培)とバイオスティミュラント

今もっとも注目を浴びる農業法人の一つ、ヤマザキライス(埼玉県杉戸町)。110ヘクタールという広大な農地で次々に取り組まれる革新的な農業技術は、環境保全と収益性を両立し、日本の農業に新たな可能性を示しています。節水型DDSR(乾田直播水稲栽培)の導入による効率化、「ユートリシャ™N」をはじめとするバイオスティミュラントの活用、そして農業を自立したビジネスへと転換する挑戦について、代表・山﨑能央さんの語りを中心に迫ります。

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高温、水管理…既存の栽培技術では限界も

埼玉県東部の杉戸町は日本でも有数の暑さを誇り、夏場の気温が39.8℃を超えることもしばしばです。この極端な気候に加え、水資源が限られた環境が稲作には大きな障壁となってきました。

「暑さだけじゃありません。この地域は水田の水管理が難しく、効率の悪い農法では生き残れないと感じていました」
そう語る山﨑さんは、過酷な環境を逆手に取り、新しい稲作技術に挑戦する道を選びました。「私たちの挑戦は、どうやって限られたリソースで最大の成果を出せるかという問いから始まりました。それは単なる農業ではなく、ビジネスとして農業を捉える必要があるという気づきでもありました」

山﨑さんは就農後から従来の農業方法に頼らず、データを活用したDX導入や新しい栽培技術の取り組みなど、幅広い観点で効率化を目指してきました。
「最初の頃は、周りから『そんなやり方でうまくいくのか』と言われました。でも、数字と結果で見せることで、少しずつ信頼を得ていきました」

農場全体のデータ化はその象徴的な取り組みです。
「たとえば、圃場ごとの土壌状態や収量の記録を全部データ化しています。これにより、どの圃場にどれだけの時間と資材を投入するべきかが明確になります。移動や作業の無駄を減らし、圃場に適した栽培管理をすることが、生産性を高める鍵なんです」

さらに、地域特有の高温を活用した早期収穫も行っています。
「8月上旬には収穫を始めることで、他地域よりも早く市場に出せる。これが価格競争力に直結します。過酷な環境を武器に変える発想が、私たちの原点です」

稲作の革新技術『節水型DDSR』への挑戦

節水型DDSRの田の様子

さらなる効率化を目指し、2年前から取り組みを始めたのが節水型DDSR(Dry Direct Seeding Rice=乾田直播水稲栽培)です。これは、乾田状態の田んぼに種を直播きし、必要最小限の水だけを供給する革新的な技術です。田んぼに湛水しないため、通常の水稲栽培では必須となる水管理作業を大幅に省くことができる省力的な栽培方法です。

この技術の導入は、従来の稲作技術に限界を感じていた山﨑さんが、過酷な埼玉の気候と限られた水資源を活用するための新しい方法を模索する中で出会ったものでした。
「夏場の高温で水田の水が蒸発してしまい、水管理に膨大な労力と時間がかかる状況でした。これを打破するために節水型DDSRを検討しました」と山﨑さんは語ります。

節水型DDSRの導入により、これまで当たり前に行っていた水張りや代掻きが不要になった他、従来年間70日間を費やしていた水管理が、計画的な5回の水供給で済むようになりました。
「具体的には、播種直後と初期成長期、分げつ期など、植物が本当に必要とするタイミングにだけ水を与えますが、それ以外の水の使用を徹底的に省きました」

乾いた土の上にそのまま播種します

この結果、労働時間が70%削減されるだけでなく、設備稼働時間も短縮。水資源の節約に加え、圃場の土壌が過度に湿ることを防ぐことで、地力の低下や病害虫の発生も抑制する効果がありました。

まるで夢のような剤「ユートリシャN」

節水型DDSRのような水をほとんど使わない栽培方法では、水がないことにより肥料散布のムラができ、圃場の中で生育にムラが出てきます。収量向上と肥料コスト削減を目指し、昨年から取り入れたのがコルテバ・ジャパンの「ユートリシャN」です。

「ユートリシャN」は、空気中の窒素を作物が吸収できるアンモニア態窒素に変換し、供給するバイオスティミュラント資材で、2024年5月に発売されたばかりの新製品です。作物が吸収する窒素量を最適化することで、窒素不足による生育不良を防ぎ、収量増に寄与します。

「この資材が空気中の窒素を固定して、植物に供給するという話を聞いた時、『いよいよこの時代が来たか』とワクワクしたのを覚えています。窒素を従来の肥料のように土壌に施用するのではなく、葉面散布することで大気中から取り入れる。革新的だと思いましたね」

「ユートリシャN」を使う上で、山﨑さんが大事にしたことは「特性を理解して、現場に合わせた使い方をする」ことでした。

「まず、散布にはドローンを使っています。ただ撒くだけじゃなくて、液体の粒径やドローンの高さ、葉裏までどうやって行き渡らせるかを綿密に計算しました。特に、窒素をどのタイミングで供給するかが収量や品質に大きく影響するので、計画的に進めましたね」

山﨑さんは衛星データを活用した圃場モニタリングを取り入れることで、窒素供給のタイミングと量を科学的に分析しています。
「以前は経験と勘で施肥の量やタイミングを決めていましたが、今はデータが全てを教えてくれます」

生育ムラの解消。収量は平均で8%増に

「散布した圃場では、葉色のムラがほぼなくなって、圃場全体が均一に育ってるのがはっきり分かりました。窒素が穏やかにずっと効いているような感じで、収量は8%ほど増加しました」

ユートリシャNを施用した区(右)では無施用区に比べ、全体的に生育が旺盛な傾向となりました

高温障害が出やすい地域にも関わらず、「ユートリシャN」の施用区では収穫直前まで葉が緑の状態を保ち続け、お米の品質の劣化も見られませんでした。山﨑さんはこれを「ユートリシャN」により断続的に窒素が効き続けた結果だと見ます。肥料ムラ解消により、全体的な肥料代削減にもつながる可能性が見えてきています。

「収穫後の二番穂で出てきた葉も緑が濃くて驚きましたね。奥の無散布ほ場区との葉色の違いが明確で、これは純粋にユートリシャNの効果だと実感しました」

手前がユートリシャNを施用した田んぼ。奥の田んぼと比べて葉色が濃いことがわかります

ユートリシャNの導入は、収益増や効率化だけでなく、環境保全にも貢献しています。窒素肥料の過剰使用による地下水汚染のリスクを抑え、持続可能な農業の実現に大きな役割を果たしています。
「この資材を使うことで、収益を確保しながら環境にも優しい農業が可能になりました。これから我々は気候変動に対応できる持続可能な農業の形を作っていく必要があります。『ユートリシャN』や節水型DDSRはまさしくその道を切り拓いていく切り札になると確信しています」

取材協力

埼玉県杉戸町 ヤマザキライス

お問い合わせ

コルテバ・アグリサイエンス日本株式会社
〒100-6110 東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー
ユートリシャNについてはこちら
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