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資材高騰の今、肥料は抑えたほうがいい?窒素控えめで安定するニンジン「ベーター536」

資材高騰の今、肥料は抑えたほうがいい?窒素控えめで安定するニンジン「ベーター536」

「発芽さえそろえば、その後がラクになるのに…」
夏まきニンジンで多くの生産者が抱えているのが、初期生育の不安定さという見えにくい課題です。
猛暑や乾燥の影響を受けやすいこの時期は、わずかな生育差が収量や作業性に大きく影響します。「今年もうまくそろうのか」——毎年のように不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな中、評価されているのが『ベーター536』。発芽と初期生育がそろい、異常気象下でも安定が期待できます。さらに本品種は、窒素施肥を従来より2~3割抑えることで生育のそろいが安定します。(※環境状況や条件によって、結果が異なる場合があります)結果としてコストと品質の両立につながります。
こうした特性から「なぜ今この品種が選ばれているのか」を詳しく見ていきます。

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発芽の“そろい”が栽培全体を左右する

ニンジン栽培において、最も重要な工程の一つが発芽です。特に夏まき作型では、播種後のわずかな気象条件の違いによって発芽のそろいに差が生じ、その後の生育や収穫、さらには選別・調整作業の手間にまで影響が及びます。
近年は猛暑や乾燥、豪雨といった極端な気象条件が重なり、「発芽がうまくいかない」「その後の生育がそろわない」といった声が現場で増えています。こうした初期のズレが、最終的な収量や秀品率の差につながるため、対策の重要性がこれまで以上に高まっています。
そうした課題に対して、発芽のそろいと初期生育の安定性に優れた品種「ベーター536」が注目されています。
そんな品種を導入した錦織さんの事例を、以下にご紹介します。

■調査場所:千葉県 ■播種日:2020年8月2日■調査日:2020年8月11日 ※当社調べ

■調査場所:静岡県 ■播種日:2021年8月31日 ■調査日:2021年9月30日 ※当社調べ

ニンジン「ベーター536」導入事例

■産地概要

千葉県北部の中央に位置する八街市は、北総台地の肥沃(ひよく)な土壌に恵まれた県内でも有数の農業地帯です。市街地の周囲に広がる畑作地帯では、生産量日本一のラッカセイをはじめ、ニンジン、サトイモ、スイカなど、多様な作物の生産が盛んに行われています。
中でも重要な品目の一つがニンジンです。千葉県は、生産量、作付面積ともに全国2位のニンジンの産地であり、県内において八街市は、隣接する富里市に次ぐ生産量を誇っています。
2023年度の秋冬ニンジンの出荷が本格化した12月、JA千葉みらいグリーンやちまたの選果場を訪ねると、場内は集出荷作業で活気にあふれていました。
生産者の方々によって持ち込まれたコンテナ入りのニンジンが、コンベヤーに乗せられ、見る見るうちに選果、選別、箱詰めされていきます。例年、出荷は11月初旬に始まり、翌3月いっぱいまで続くとのこと。年間約100万ケース(1ケース10㎏)を、関東をはじめ、長野県、北は青森県の市場に出荷しています。

■導入経緯・評価

グリーンやちまた園芸部人参部会では、部長、副部長が中心となり、2019年度から「ベーター536」の試験栽培を行ってきました。試験栽培を経て2023年度から「ベーター536」を導入した、部長の錦織淳平さんに、導入までの経緯や評価を伺いました。
「ニンジン栽培は、なんといっても最初の“発芽”が肝ですよね」
栽培のポイントについて尋ねると、錦織さんは開口一番、こう切り出しました。大事なのは発芽のそろいと初期生育。ここがそろわないと、その後の管理、収穫、出荷の際の調整作業にまで影響が及ぶといいます。
ところが、近年は猛暑や豪雨、乾燥といった異常気象による夏まきニンジンへの影響が大きく、作柄が不安定になってきました。播種から発芽時に乾燥していたら灌水しなければなりませんが、灌水チューブを使うと水圧の影響で水が均一にかからないこともあり、発芽不良や発芽後に枯死してしまうことがありました。錦織さんのニンジンの作付面積は4haあり、小まめな灌水作業に時間を割けないのが悩みの種でした。
「その点、『ベーター536』は、発芽のそろいと初期生育に優れていたんです。僕の勝手なイメージで言うなら、暑さなどの過酷な環境に強い。環境の影響を受けにくいと言ってもいいですね。
台風が来た時も、葉の傷みが少なく、湿害にも強く生育しました。ある年、試験栽培した三つの品種のうちの二つが秀品率6割だった時も、『ベーター536』は8割が秀品になりました。」
慣行品種の「ベーター441」も、発芽率は同等で、とても品質のいいニンジンがとれるので気に入っていましたが、生育初期における管理が容易である点を重視し、「ベーター536」に切り替えることに決めました。

「ベーター536」の栽培圃場。錦織さんはシーズン中、1日約3tのニンジンを出荷している

葉が強いので、機械収穫にも向く「ベーター536」

「ものがいいと、収穫、調整作業がスムーズに進むんです」と、満足げな錦織さん

■栽培のポイント

「一つ気を付けたいのは、『ベーター536』は、窒素成分が控えめで育つ品種であるということです。3年前、生育がおとなしめだったので追肥をしたら、その後、ぐっと育ってふぞろいになってしまいました。ただ、窒素肥料が従来品種の2~3割減になるため、肥料代が高騰している今、僕としては単純にうれしい。このような特性を理解しておけば、管理する上で特に問題はないと思います。」
ニンジンしみ腐病に強く、葉も寒さによる枯れに比較的強いため、真冬の機械収穫に適している点も導入の決め手につながりました。

■総合評価

「発芽のそろい、初期生育の安定性、耐病性、秀品率、色つや形状、肉質……品種を選ぶ上で、僕が重視している点はいろいろありますが、数年間、何品種か試験栽培をしてみて、平均点がバランスよく秀でていたのが『ベーター536』でした。今では僕の畑に欠かせない作付品種になっています」

まとめ

発芽のばらつき、初期生育の不安定さ──
こうした“最初のつまずき”が、栽培全体の負担を増やしているケースは少なくありません。
「ベーター536」は、そうした課題に対して、“最初から整える”というアプローチで応える品種です。

・発芽のそろい
・初期生育の安定
・管理のしやすさ

これらが結果として、収量や秀品率、さらには作業効率の改善にもつながります。
さらに本品種は、窒素成分を控えめに管理することで特性を発揮しやすい点も特徴です。
一見すると「注意点」にも見えるこのポイントですが、肥料価格の高騰が続く現在においては、無理に施肥量を増やさずとも栽培しやすいという意味で、生産者にとって一つのメリットになる場面もあります。
気象条件の変動に加え、資材コストの課題とも向き合う今、「無理なく続けやすい設計かどうか」という視点は品種選びにおいて重要度を増しています。
その視点で見たとき、『ベーター536』は有力な選択肢の一つになるはずです。

「ベーター536」の詳しい情報はこちら

(文:おおいまちこ/写真:高木あつ子・一部サカタのタネ提供/編集:サカタのタネ)

お問い合わせ
株式会社サカタのタネ 野菜統括部
〒224-0041
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