“漁師の日”に開催!漁業をまるごと知れるフェア
東京・浜松町の東京都立産業貿易センターにて7月20日、「漁業就業支援フェア2026」が開催されました。
同フェアは福岡、大阪でも行われ、東京は7月の第3月曜日「海の日」と同日の「漁師の日」の実施です。
開場の12時半に先立ち、場内では主催者や出展者たちが、この日にかける思いを語っていました。
主催する一般社団法人全国漁業就業者確保育成センターの会長、小坂智規(こさか・とものり)さんの挨拶に続き、水産庁の担当者は話しました。
「水産庁としても、漁業の将来を担う魅力的な人材の確保・育成が課題と捉えています。今日の場は若い人が漁業と接する貴重な機会。本日のフェアが多くの担い手の誕生と、出展者やその地域の発展につながることを祈願します」

開場すると、主催者から来場者に向けて、20分間の準備講習会が行われました。
ガイダンスコーナーのエリアいっぱいに集まった来場者に対し、急遽、座席が増やしてのスタート。
フェアの歩き方や、沿岸漁業・沖合漁業・遠洋漁業などの基本知識について、来場者たちは真剣に耳を傾けていました。
「私たちはこの漁業フェアをよく『合同就職説明会のようなもの』と説明します。ですが、漁師にちょっと興味を持ち出したくらいの人も、ぜひ気軽に会場中を歩いて、いろんな人と話してみてほしいです」
全75ブースで語られた未来

漁師や漁業者とは、その漁港に行かないとなかなか話すこともできないでしょう。ましてや、北海道から沖縄まで、日本全国の漁師と1日で会うのは簡単ではありません。
その点で、漁業就業支援フェアは貴重な機会でしょう。この日の東京会場には75組が出展し、257人が来場しました。
「目当てのブースがあったので、今日は兵庫県から来ました」という来場者がいれば、「いろいろと聞いて回っています」とその場での偶然を楽しむ来場者も。
また、カツオ一本釣り漁などが紹介されるYouTubeのシリーズ動画「夢をカタチにした漁師たち」(漁師. jp公式YouTubeチャンネル)をきっかけに、足を運んだ人も少なくなかったようです。
20歳の学生は「仕事のつらい部分も楽しい部分も、具体的に聞けました。『収入が良い』と聞いて、やってみたくなりました。若くて体力のあるうちに、挑戦したい」と意気込みを話した上で「次は、あそこのブースの話を聞こうと思っています」とブース巡りを楽しんでいました。

一方の出展者も有意義な場だと感想を話しました。
「ありがたいことに人が途切れずに来てくれています。私たちの地域は人口が減っていますし、今日のような企画があること自体がありがたいです。1人でも2人でも本格的な就職という話につながれば嬉しいです」(東北地域の出展者)
女性漁師・水産高校教師によるセミナー
さらにこの日、特別に企画されたのが、2つのセミナーです。
1つ目のセミナーに登壇したのは、山形県初の女性独立漁師、谷田圭(たにた・けい)さんです。
釣り好きが高じて、縁もゆかりもなかった土地で船を持ち、独立するまでのストーリーが語られました。漁業研修や船の購入の苦労など。実際に漁師になる上での示唆に満ちていました。

会場には若い女性の姿が多く見られ「女性ならではの苦労はなかったのか?」という質問も。これに対し、谷田さんは「『漁師になりたい』と言ったら否定的な反応をした人もいました。『どうせ辞める』と思われていたかもしれません。でも、私があきらめずに続けていくうちに、反応も変わってきました。今ではその人から『お嬢』と呼ばれています(笑)」と、実体験から答えていました。
2つ目のセミナーは「水産高校ってどんなところ?」というテーマです。
水産高校のカリキュラムや過ごし方について、静岡県立焼津水産高等学校の先生、籾山誉人(もみやま・たかと)さんが説明しました。

「あえて言いますよ」と前置きをした籾山さん。
「漁師になるには意志の強さも大事ですが、勉強も大事。頭も使うし、コミュニケーション力も必要です。『勉強が嫌いだがら漁師になろう』とかはダメですよ」と冗談めかしました。
一方で「例えば高校卒業後に漁師になることは、保護者にも決心がいることだと思います。保護者の応援は鍵になると感じますね」と、保護者に寄り添ったアドバイスもありました。
漁師の仕事に触れられる貴重な機会として
福岡、大阪、東京と開催された漁業就業支援フェア2026。
一般社団法人全国漁業就業者確保育成センターで事務局長を務める馬上敦子(まがみ・あつこ)さんは話しました。
「近年は学生の来場者が増えています。漁業というと昔は、漁師の子が漁師になったり、他業界から中途で転職してくるケースが多かった。しかし最近は新卒採用も増えました。このフェアでも、出展者から『いい人が来たよ』『採用が決まりそう』と聞くことがわりと多いですね」

さらに馬上さんは続けました。
「“学生”には、小学生や中学生たちも含みます。親子で来場して『この子が漁師をやりたいと言っていまして』と相談にくる姿は珍しくありません。特に都会に住んでいると、漁師さんと話す機会もないですよね。学校の授業では聞けない話があるでしょうし『いろいろ回ってみてください』と勧めています。私たちとしては『漁師を増やす』という最終的な目的はありますが、まずは漁師の仕事を知ってもらいたい。その機会として、このフェアを活用してもらえると嬉しいと思っています」
学生や社会人にとっても、そして漁師や漁業者にとっても、互いを知るための貴重なフェア。
次回の開催にも期待がかかります。
▼お問い合わせ先▼
一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター
TEL:03-6450-4666
メール:info@ryoushi.jp















