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AI選果機がトマトの栽培・流通を変える―シブヤ精機・カゴメが描くトレーサビリティ改革の未来

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AI選果機がトマトの栽培・流通を変える―シブヤ精機・カゴメが描くトレーサビリティ改革の未来

収穫時には問題がないように見えても、流通段階で品質が落ちて廃棄される。トマトは、こうした“潜在的な品質不良“がロスの一因になっています。この課題に対し、シブヤ精機株式会社とカゴメ株式会社は、AI選果機を活用した品質の見える化に取り組んでいます。

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「見えない」を「見える」に。選果が栽培・流通を照らす

生鮮トマトの生産・販売を行っているカゴメは、いつでも安定した品質のトマトを届けることを目指しています。しかし、トマトは天候や栽培環境の影響を受けやすく、見た目が同じでも流通の途中で傷みやすさに差が出ることがあります。そのため、出荷した時点では分からない品質の変化を把握できる仕組みが必要になっていました。
その課題を解決するため、選果システム分野で高い技術力を持つシプヤ精機と共同研究を行っています。シプヤ精機は、従来の外観中心の選果にとどまらず、果実の”見えない品質”まで非破壊で捉えるAI選果機の開発を推進してきました。色や形だけでなく、微細な傷や内部品質、更には将来的な劣化リスクまで可視化できる点は大きな特長です。選果を単なる仕分け作業で終わらせず、品質をデータとして蓄積し、生産や流通の改善に生かす基盤へと進化させている点に、シブヤ精機ならではの強みがあります。

AI選果機の仕組みとは?

両社の研究では、20を超える外観・内部品質項目を非破壊で計測できるAI選果機を導入しました。可視光カメラや近赤外線センサー、AI画像診断モデルを組み合わせることで、従来は見つけにくかった微細なひび割れや打ち身、生傷の検出にも成功しています。また、現在までに約1千万玉分のトマトの品質データを蓄積しており、選果機は単なる選別装置ではなく、品質データを収集・活用する基盤へと進化しています。更に、トレーサビリティシステムも構築し、圃場から流通までを一気通貫で追跡できる体制を整えました。

研究成果として、AI選果機で取得した果実品質データを栽培環境データと組み合わせて分析したところ、不良果の発生には温度、湿度、日射が関係している可能性が示されました。試験では、環境制御によって色ムラの発生を7%低減し、可販果収量を10%増やす成果が確認されています。また、微細傷の発生も30%低減しました。一方で、流通工程の検証では、微細傷のある果実は正常果よりも早くシワやカビが発生しやすいことが分かりました。そのため、選果時のデータをもとに優先出荷を行えば、流通段階での廃棄量を30%低減できる可能性があります。この結果は、選果データを栽培と流通の両面に生かす取り組みとして注目されます。

トマトの廃棄ロス削減へ。栽培改善と流通最適化を目指す

両社は今後も研究を継続し、AI選果機の活用方法を磨きながらまずはカゴメ菜園への導入拡大を進めていきます。その結果をもとに、さまざまな作物、企業への導入拡大を進めていく方針です。この取り組みを支えるのが、シブヤ精機の強みである「見えない品質の見える化」です。同社のAI選果機は、外観だけでなく糖度や熟度、内部障害までを一括判定でき、経験に頼っていた基準をAIで標準化します。更に、選果データを蓄積・分析し、栽培改善や出荷判断、販売戦略に生かせる点も大きな特徴です。選果を単なる仕分け作業で終わらせず、収穫(過程選別の低減)・手選別(熟練目視作業の低減)作業員の省人・省力化とデータ収集、解析、仮設立案、実証、効果検証のサイクルを回す起点とすることで、農業が持続的に成長する好循環の形成が期待されます。選果の視点からトマトの廃棄ロス削減を目指す両社の取り組みから目が離せません。
※本研究は生研支援センター「戦略的スマート農業技術の開発・改良」の支援を受けて行いました。

問い合わせ先

シブヤ精機株式会社
https://www.shibuya-sss.co.jp/
〒435-0021
静岡県浜松市中央区材木町1380
[メールアドレス]
info2@shibuya-sss.co.jp
(新市場開発本部/部長・青島)

カゴメ株式会社
https://www.kagome.co.jp/
〒460-0003
愛知県名古屋市中区錦3-14-15

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