「あぐりナビ」のネットワークを生かし、農業分野で2つの新事業立ち上げ
「あぐりナビ」は、規模拡大や多角化を目指す農業経営者や農業法人と、農業分野で仕事をしたい求職者をつなぐ農業求人サービス。担当者が全国の現場に足を運び、農業経営者と膝を突き合わせて課題やビジョンをヒアリングし、農業人材の採用から定着までを伴走支援することで、農業経営者が人材以外の悩みも相談できる関係性を築いてきました。
アグリメディアでは、「あぐりナビ」の全国規模のネットワークを生かした新事業・新サービスを開発・推進しています。その中で2つ、農業の地域課題の解決に向けた「自治体支援」事業、農業経営者への営業における企業向け新サービス「ファーマーグリッド」が成果を上げつつあります。
社内で新規事業開発を担う飯塚遼太朗さん、HR事業でタッグを組む事業推進部の大塚智也さんに、これらの事業・サービスについて話を聞いていきましょう。
「あぐりナビ」と「シェア畑」を通じて新たな挑戦へ
「あぐりナビ」は、農業の担い手不足を解消しようと10年前に立ち上がりました。北は北海道から南は沖縄までの全国規模で、野菜、畜産、稲作、果樹など農業分野の全ての業種をカバーする求人サービスは他に類を見ません。
「2023年4月からは、種苗、農機、肥料、農薬のメーカーや販売会社など、農業を支える企業への人材支援領域も広げています」と大塚さん。あぐりナビは、累計で登録者16万人、取引先事業所数7,000件の巨大農業ネットワークに成長しています。
同社が柱とするもう一つの事業が、サポート付き貸農園「シェア畑」です。そのスタートはあぐりナビよりも早く、同社が都市部の遊休農地(生産緑地など)を借り、農業体験を提供するサービスです。道具や資材は農場にそろい、利用者は手ぶらで自分の畑へ行き、有機肥料を使った野菜を栽培・収穫することができます。消費者との農との接点の場として、全国で130の農園を運営する日本最大の貸農園サービスとなっています。
飯塚さんは、「『あぐりナビ』と『シェア畑』が目指すのは、それぞれ『人』と『農地』の課題解決です。この2つが結びついた事業が自治体支援です」と話します。地方自治体が進める農地の集約に伴走し、その担い手となる農業法人の誘致までサポートできるのが、アグリメディアです。
人と農地の既存事業が土台、地域農業を未来につなぐ自治体支援
高齢化や人口減少により農業者が減り、耕作放棄地が拡大するなかで、農地を次世代に引き継げる地域農業の将来のあり方を示した「人・農地プラン」は、2023年に「地域計画」に名称を変え、市町村が地域の話し合いによる地域計画を策定することが法定化されました。
そこでの課題について、「担い手不足による耕作放棄地の増加は生産性の高い農地にも及び、地域の有力農家さんへの委託も限界に達しつつあります」と飯塚さん。「個人農家の数が減る一方で、農業法人は増えています。あぐりナビで意欲ある農業法人と向き合い続けた我々が、課題解決の一端を担えると考えています」と言葉を続けます。
計画策定のサポートにとどまらず、農地を集約するエリアの選定から、地域関係者への説明会、地権者との話し合い、農業法人誘致の実働まで自治体と二人三脚で進めていくのが、アグリメディアの姿勢です。飯塚さん自身も福島県矢吹町に半移住して、自治体支援に注力しています。現在は全国の県や自治体からの相談が増えてきています。
「ファーマーグリッド」で農業関連企業のビジネスを支援
人を雇用して経営を拡大する農業法人と接点を持つことで構築したネットワークは、アグリメディアだけが持つ大きな価値。その範囲は日本全国に及びます。このネットワークを活用して、農業法人と接点を持ちたい企業のビジネスを仲介する新規事業が、同社内に立ち上がりました。
サービス名は「ファーマーグリッド」。農業者と農業関連企業をマッチングしていく事業で、昨年度からすでに農業用ドローンなどのスマート農機、植物工場のシステムなど、農業生産を支援する最新ツールを紹介する活動をスタートしています。さらには、データリサーチなどでも企業と生産者をつなぎます。
「新規事業を進める上で見えてきたのは、昨今のスマート農業の導入や環境配慮型農業への転換をはじめとした、年々増え続ける農家にかかる負担の大きさです。日々新しくなっていく情報を農家一人で収集し、検討するのは大きな負担であり、整理された情報のニーズは非常に大きいと感じます」と飯塚さん。農業経営者をサポートしながら、企業のビジネスチャンスを可視化できるのもファーマーグリッドです。
「今後は農業経営者のネットワークを生かして、事業承継補助金のサポートなども広げていきたいと考えています。それらの支援によって農業経営者が生産と経営に集中できる環境をつくれたら、それはファーマーグリッドが目指す姿の一つです。経営マインドを持って食料生産をする農業経営者と一緒に成長したい、というのが原動力となっています」と話してくれました。
農業界の発展のために、アグリメディアも成長する
農業にまつわる、消費者、生産者、関連事業者、行政などさまざまな人と関わりながら、「農に関わる人を、より多く、より明るく」というビジョン実現に向け、アグリメディアは成長を続けています。
大塚さんは「農業が稼げる産業になって、子どもがなりたい職業のランキングに載ることが自身の目標の一つとしてあります」と抱負を語ります。
飯塚さんは「農業が他の産業と比べて遅れているように見えるのは、地権者、行政、農家など農業に関わる関係者間での、情報の非対称性に原因があると思っています。そこを適切にマッチングさせることができれば、農業の成長は加速すると思うので、第三者だからこそできる支援をネットワーク駆使により実現していきたいです」と力強く語ってくれました。
若手が多くチームワークも抜群。アグリメディアは、農業の発展になくてはならない存在として成長を続けています。
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