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ホップがつなぐ農家と消費者、地ビールで都市近郊の農業をもっと身近に

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

ホップがつなぐ農家と消費者、地ビールで都市近郊の農業をもっと身近に

地方の産地と比べ、生産者と消費者がさまざまな形で接点を持つやすいのは都市近郊農業の特徴だ。珍しい作物をつくったり、加工したりすれば、地域が盛り上がるとともに、農家と消費者の交流をより深めるチャンスにもなる。東京都内で始まったそんな取り組みを取材した。

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市民の参加でホップを収穫

8月25日、東京都清瀬市の畑でビールの原料になるホップの収穫が行われた。作業にあたったのは、同市内で農場を運営する並木猛(なみき・たけし)さんと、収穫を手伝うために集まった市民のボランティアら6人だ。

ホップはツル性の植物。畑には4メートルほどの高さの金属製のポールが6本立っていて、その頂点と地面との間にそれぞれ8本のヒモが放射状に張ってある。そのヒモにホップのツルが絡みついていた。

ホップの栽培の様子

収穫は手作業。ツルをヒモからはがし、並木さんが用意した台車に運ぶ。ツルをよく見ると、小さな松かさ状のものがたくさんついている。「毬花(まりばな、まりはな、きゅうか)」と呼ばれるこの部分が、ビールの香りや苦みのもとになる。

ホップのツルは約100本。時折風も吹くものの、強い日差しが照りつける炎天下。汗をぬぐいながら、みんな黙々と作業を続けた。収穫が終わると並木さんの自宅にある作業場に向かい、ツルから毬花を摘み取る作業に移った。

ホップの毬花

地元のラジオ局が地ビールの製造を実現

並木さんは江戸時代から350年続く農家で、メインの作物はセロリ。ホップを育てるのは今年が初めてだ。その経緯について説明しよう。

発端はいまから5年ほど前。清瀬市役所は珍しい農産物を特産品にしようと、職員らが試験的にホップを栽培し始めた。ところがせっかく育ててもビールの製造には至らず、やや中途半端な状態が続いていた。

「誰もやらないなら、自分がやります」。そう言って地ビールづくりのプロジェクトを立ち上げたのが、

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