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就農の初志を支える栽培以外の経営の柱が必要。都市農業での収益性の低さを克服するには

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

就農の初志を支える栽培以外の経営の柱が必要。都市農業での収益性の低さを克服するには

新規就農者の多くは何らかの思いを抱いて農業の世界に入る。だがやりたいことの収益性が必ずしも高いとは限らない。ではどうやって生計を成り立たせるのか。2022年に就農した野菜農家の鈴木茜(すずき・あかね)さんのケースを通して、思いと暮らしを両立させる工夫を紹介したい。

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つくって売るだけではない都市農業で新規就農

鈴木さんは1993年生まれ。中学時代に農業に興味を抱き、農業高校に進学。卒業して青果物の流通会社に勤めた後、熊本や都内の農場で働き、東京農業アカデミーでの研修を経て就農した。2022年4月のことだ。

農場の名前は「こびと農園」。東京都武蔵野市と小金井市で畑を借りてスタートさせた。このうち小金井市の畑は地主の相続の都合で2024年8月末に返却し、9月から調布市で借り直した。武蔵野市と合わせて40アール弱ある。

栽培品目は枝豆やジャガイモ、トウモロコシ、ナス、落花生、キャベツ、ブロッコリーなど年間を通して50~60品目。自ら運営している青果物店などで販売している。店舗は畑から車で3分の商店街の中にある。

鈴木さんが運営する青果物店

鈴木さんが運営している青果物店

鈴木さんの特徴は、畑で野菜をつくって売ることだけで営農の形を完結させなかった点にある。挑戦していることは多岐にわたる。

武蔵野市の畑では保育園児などを対象に収穫イベントを開いているほか、障害者の就労をサポートする福祉事業所と連携して農作業の一部を手伝ってもらっている。また、自治体が運営する体験農園に行って講師も務めている。

さらに畑での仕事とは別に、青果物の仕入れや販売も手がけている。都内の市場で仕入れた野菜や果物を自分の店舗で販売したり、青果物の販売業者に売ったりしている。仕入れなどは夫の泰光(よしみつ)さんの役割だ。

これが鈴木さんの営農とその関連の取り組みの全体像。取材で特に聞きたかったのはこの先だ。これまでに着手したことの中で、最もやりがいがあるのはどれなのだろう。そして一番収益性が高い仕事はどれか。

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