大規模稲作とレタス水耕栽培、上越の農と食を未来につなぐ
尾崎実さん(36)は、新潟県上越市で水稲42haとレタスなどの水耕栽培を手がけるゆきぐに農場の代表です。農業大学校を卒業後、20歳で父の農場に就農してすぐに事業承継し、自分なりの農業経営を模索してきました。土づくりにこだわって米づくりをする傍ら、当時は地域に普及していなかったレタス水耕栽培に挑戦。ムービーでは、飲食店のオーナーに選ばれる理由や工夫、品種選定のポイントなど、尾崎さんの農業経営に密着します。
販路、品質と生産性、気候変動まで。農業経営の課題との向き合い方に注目
農業経営者・尾崎実さんへのロングインタビューで見逃せないポイントを紹介します。
納品に密着、販路拡大の真髄を見た!
「飲食店には必ずサラダがある」。就農して間もなく始めたレタスの水耕栽培。地元の直売所で鮮度と味の良さが評判になり、飲食店オーナーから直接注文が入るようになりました。自ら配達して飲食店の要望を聞くのが流儀。料理人やシェフが作りたい料理に合わせて若採りをしたり、新たな品種や栽培方法を試みます。今回、フレンチに使われるある食材を実験的に栽培する秘密の部屋にカメラが入ります。
密着中、お隣り直江津市のビストロ・デザミアンティムに届けたのはマイクロリーフ。秘密の部屋で採取していたのはこれでした。オーナーシェフ大島祐輔さんの「作れる?」の一言から挑戦が始まりました。「シェフから自分の想像を超えるアイデアをもらっている」と尾崎さん。現在は、6品目多品種の葉物と野菜とトマトを生産するまでに。取引先へのインタビューを重ねていくと、尾崎さんが顧客の信頼を掴んでいる理由が見えてきました。
12品種の米を生産、良い米づくりの極意とはーー。
農業大学校で稲作を中心に学んだ尾崎さん。現在は、コシヒカリを中心に時流に合わせて大粒米のつきあかりや細長粒の華麗米など、早生から晩生まで12品種を栽培しています。こだわりは土づくり。鶏糞や牛糞などの有機堆肥と微生物を入れ、土壌に空気を含ませて根が栄養を吸いやすい状態に。これを圃場や品種ごとに設計します。
もう一つ、尾崎さんが経営で重視しているのがデータ活用です。42haの圃場の作業内容をKSASに記録して収穫量と照合し、施肥や作業の精度を高める。良い米づくりの基本として欠かすことができません。
全面積で中干し延長の試み、結果はいかに?
気候変動の影響は米どころ上越市でも深刻です。暑さに弱いコシヒカリに代わる品種への切り替えも進められていますが、「地域としてコシヒカリをなくすことはできない」と尾崎さん。2024年は初めて中干し期間の延長に全面積でトライ。Jクレジット支援制度「クボタ大地のいぶき」を利用したポイントの使い道も教えてくれました。
「稲の収量に直接的な影響は見られず、生物多様性が損なわれたとも思わない」と尾崎さん。収穫を終えた田んぼの環境にも注目です。
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何事もやってみなければわからない。興味を持ったらやってみる。
尾崎さんの挑戦や取り組み、経営哲学、地域や後輩農業者への想いなど、明日の農業経営のヒントがムービーに収められています。
開催概要
開催日時:2025年1月17日(金)14:00~17:00
主催 :クボタ
参加費 :無料
参加登録:
クボタ『GROUNDBREAKERS』特設サイトからお申込みください。ご登録いただいた方に視聴用のWEBページURLをお知らせします。
※一部コンテンツは後日アーカイブでも視聴可能(要参加登録)