農作業に多い「中腰の姿勢」は、腰痛の原因となる農家を悩ます大問題
「体がツラい作業」と聞いて、どんなものをイメージされますか。苗植えや田植え、草抜き。収穫や米袋・肥料の袋の運搬などなど。それらに共通するのは「不自然な姿勢」。
例えば、「地面に植える作業」や「同じポーズで作業を続ける間引きや収穫の作業」、そんな中腰での作業は、年齢問わずツラいもの。時々体を伸ばさないと続けられませんし、その時には痛みが伴います。続けるほどに伸びをする回数は増え、作業効率も低下します。農作業には中腰がつきものなので「このツラさが軽減できればなあ」と思っている方も多いでしょう。
昨今では「アシストスーツ」という、装着することで動きをサポートしたり体の負担を和らげる道具が開発されています。ただ、多くの方が「作業の度に装着するのが大変そう」「メンテナンスが大変そう」「高級そう」という印象を持っているかもしれません。
そこで朝日インテック株式会社が新たに開発したのが、とても簡単に導入・使用ができ、他製品より安価なアシストスーツです。2025年1月に発売される新製品を、いちご農家さんやJAの職員さんに着用して実際に作業してもらいました。
いちご栽培でもっとも重労働な「苗植え」を強力にアシスト!
最初にご紹介するのは、「館山いちご狩りセンター」の代表である大多和斉(おおたわひとし)さん。年間1万人がいちご狩りを楽しみに訪れます。圃場面積は約40aで、毎年10種類ほど、約4万苗のいちごを育てています。

大多和さん いちご農園
取材で訪問した9月末は、いちごの苗を植える作業のまっ最中。今年は暑い時期が長く、天候不順だったこともあり、作業が後ろ倒しになっているとのこと。大多和さんは急ピッチで作業を進めていました。

館山いちご狩りセンター 代表 大多和斉さん
「苗は地面に作った畝に植えます。温度の高いハウスの中で、ずっと中腰で作業をしていると、腰が痛いのは当然ながら、筋肉が固まってしまう。そうなると伸ばすのも一苦労」
大多和さんが話すように、いちご栽培の中でも苗を植えるのは大変な重労働。いちご農園を継いで約30年、コルセットを買ったりいろいろな工夫をして作業を楽にしようとしてきた、と大多和さん。
「1日3000~4000苗を植えなければなりません。同じ姿勢のまま作業を続けられればいいのですが、適度に体を伸ばさないと腰が痛い。一日の終わりには、かなりスピードが遅くなります。そこで、座れて移動もできる台車を導入しました。ただ、作業効率が落ちるのが難点。ハウスの中は暑くて熱中症のリスクも高い。早く、楽に作業を終わらせたいのだけど……」
そんな大多和さんに、朝日インテックのアシストスーツを着用して作業してもらいました。

一人でも着用が簡単です
最初の苗をつかんで畝に向かおうと体を動かした時、大和多さんに驚きの表情が。その後、いちごの苗を植える動作でも、違いを感じている様子。

アシストスーツを装着しいつも通りの作業をしていただきました
20苗ほどを植えてもらって感想を聞くと
「想像以上に体が楽ですね」
と笑顔の大多和さん。体を伸ばす際に腰への負担が圧倒的に少ない、といいます。
「それに腰を伸ばさないでも中腰でずっと作業できそう。腰への負担は少ないし、なにより動きやすい。台車での作業より早いですね」
動く際にすでに植えた苗にアシストスーツが当たると、繊細ないちごの苗は痛んでしまいます。ですが朝日インテックのアシストスーツは大きな出っ張りなどがなく、その心配もなさそうだと大多和さん。
「問題は値段、と思っていました。20~30万円が相場と聞きます。それだと導入は難しい。でもこのアシストスーツは10万円を切ると聞いて驚きました。台車が7万円弱なので、アシストスーツの作業効率性を考えると軍配があがりますね」
いちごの苗を寒さから守るために、ポリマルチを畝に敷設する作業も、中腰の姿勢がツラいそうです。そこでもアシストスーツが活躍しそうだ、と大多和さんは話してくださいました。
様々な動きにもフィット。新型アシストスーツで農家さんの腰の救い手に
次に朝日インテックのアシストスーツを体験したのは、JA安房の藤代和久さん。

JA安房 藤代和久さん
藤代さんは様々な倉庫作業も担当していて、新米の時期には数人のメンバーで3OKgある米袋を1日で1000袋も運搬することもあるそうです。「その時期はみんな筋肉痛に悩まされます。特に腰の痛みがツラいですね」と藤代さん。
アシストスーツを渡すと、10秒ほどで装着が完了しました。
「驚きました。とても簡単に着られますね。自分の体に合わせるのも容易なので、シェアして使うのも良さそう」
と藤代さん。
米袋をいくつか移動してもらうと
「持ち上げる動作がとても楽。重さは同じでも、伸びる時にぐぐっとアシストして押し出されるとこんなに楽なんですね。中腰で米袋を持って移動しても、ツラさはほとんど感じません。これなら長時間でも作業できますね」
と、明らかに楽になったことを感じたと話します。

一度使ったら戻れないこの快適さ…
アシストスーツを装着して移動した際も、自分の可動域に制限があったり、動き方に注意をしなくてよかったそうです。
「着ていることに違和感もなく、すぐにアシストスーツを着ている状態に馴染みました。後ろや横にスーツがぶつからないか気をつけるということもなかった。狭くて物の多い倉庫でも使えそう。重量物を運んだり、中腰になったりという作業は米袋を運ぶ以外にもたくさんある。とても重宝するアシストスーツだと思います。農家さんにぜひお勧めしたいですね」
JA安房の管内では、菜花の生産が盛ん。その菜花の収穫は、ずっと中腰で移動しながら行う、腰への負担が大きい作業だといいます。従事者の年齢も高くなって腰痛に悩まされているので、朝日インテックのアシストスーツが、農家さんの救いの手になるのでは、と藤代さんは話してくれました。
医療や様々な産業を支えてきた技術で、農業の未来に貢献したい
さらにアシストスーツの詳細を知るべく、アシストスーツを開発した朝日インテックグループ-フィルメックの営業主務 堀田健(ほったけん)さんにお話しを伺いました。
「腰が楽、装着の違和感がないなど、狙った通りの効果を実感していただけました」
と堀田さん。

2025年1月発売 新たに進化したアシストスーツ。中腰姿勢が続くなど、腰の負担が大きい現場で大活躍!
中腰姿勢など腰に負担がかかる現場で大活躍のアシストスーツ。使用することで腰の負担が軽減できるため、作業スピードが向上することによる作業時間の短縮や省人化も可能になるだけでなく、作業の効率化もアップします。
「様々な産業に当社の部材を提供していますが、農業分野にも一部でワイヤーなど限られた部材しか提供できていませんでした。そこで既に発売していた全業種を対象としたアシストスーツ『Way-sist』を改良し、農作業を中心に改良したのが今回の製品です」
農業専門のコンサルタント企業とも協力し、農家さんへの聴き取りやアンケート調査を実施。製品の形状・素材・カラーなどへのアドバイスももらいながら進めたといいます。
「農作業には様々な動きがありますが、そのほとんどが腰に大きな負担がかかるとわかりました。また、アンケートでも農家の方の多くが腰痛を特にツラいと感じているという結果もでました。そこで『Way-sist』の腰への負担を軽くする機能を強化し、中腰と腰を伸ばす動作を強力にアシストできるように設計を見直しました」
アシストスーツは、装着中にしゃがむことでバネに体重がかかり、力が蓄えられます。

しゃがんで力が蓄えられて…
体を伸ばす時にはその蓄えた力を使って動作をサポートしてくれます。

伸ばすときに力を発揮!
「その補助力は以前より大きな9kgf(重量キログラム)に設定。これにより作業の疲労が大きく軽減されます。大多和さんや藤代さんが話したとおり、中腰のままでもツラくなく、作業を続けてもらえるはずです」
使用しているバネは、高品質かつ耐久度の高い製品のため、発売以降故障の報告はないそうです。それだけではなく、本スーツはメンテナンスフリーであり面倒な作業がないのも大きな特徴です。
その他にも、農家さんから集めた要望に応え、様々な改良が施されています。以前は黒一色だったカラーは「夏場は熱がこもる」という声を鑑み、日の当たる外側は熱を吸収しにくいカラーに変更されました。また、清潔さを保てるよう、背中など体に触れる部分は取り外して水洗いできる仕様になりました。
「アシストスーツが作物にあたって傷めてしまわないよう、スマートなデザインで嵩張りも減らしました。電力を使わないので、準備や装着もスムーズ。使いたい時にすぐに使っていただけます。さらに購入していただきやすいよう、価格を10万円以下に抑えました」
手に取りやすく、すぐに使えて、ずっと使える。そして効果をずっと実感してもらえる。自信を持ってお勧めできる製品になったと堀田さんは話します。
2025年1月の発売以降は、イベントなどで体験できる機会を増やしていくそうです。
「農作業のツラさを軽減したい。そして、楽に、長く、効率よく農業を続けてもらいたい。当社のアシストスーツで農業に貢献したいと考えています」
朝日インテックのアシストスーツに興味を持たれた方は、ぜひ気軽にお声がけくださいと笑顔で締めくくってくれました。
【お問い合わせ】
朝日インテック株式会社
Email: sales_fs1@asahi-intecc.com
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