水田政策は2027年度に抜本見直し
水田政策の見直しのポイントは、田んぼと畑で生産支援を分けるやり方を変えることにある。これまでは小麦や大豆を水田で育てた場合、地目が畑のときより手厚く補助金を出していた。コメの転作の一環だ。
2027年度以降はこれを改め、水田か畑かに関係なく、生産性の向上を品目ごとに後押しする補助金に衣替えする。収量が増えるほど補助金が多くなるルールを本格導入すれば、「捨て作り」の防止にもつながるだろう。
水田と畑で補助金に差を設けないことは、麦や大豆など湿害に弱い作物の振興に役立つ。田んぼの水を抜いて無理に作るのではなく、畑で生産することにつながるからだ。こうした作物の増産は食料自給率の向上に資する。

農水省は水田政策を根本から見直す
青刈りトウモロコシを増産
トウモロコシが十分実りきる前に、実と茎と葉をまとめて収穫する「青刈りトウモロコシ」を強化する方針も打ち出した。収穫した後は発酵させて腐りにくくし、保存性を高めて主に牛の飼料として活用する。
米国などから輸入している実だけの飼料と比べ、青刈りトウモロコシはかさばるので輸送効率が悪い。その分、海外から運んで来ようとするとコストがかかる。輸入飼料と競合しにくい点が大きな強みになる。

青刈りトウモロコシ
しかも重要なのは、実だけの輸入飼料の一部を代替できる点だ。