マイナビ農業TOP > 農業ニュース > 田畑で助成を区別する農政と決別 今後の注目は青刈りトウモロコシ

田畑で助成を区別する農政と決別 今後の注目は青刈りトウモロコシ

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

田畑で助成を区別する農政と決別 今後の注目は青刈りトウモロコシ

食料・農業・農村政策審議会(農相の諮問機関)は2030年までの農政の指針となる基本計画をまとめた。最大の焦点の水田政策は、2027年度の抜本見直しに向けて結論を先送りした。答申から読み取れる方向を探ってみたい。

水田政策は2027年度に抜本見直し

水田政策の見直しのポイントは、田んぼと畑で生産支援を分けるやり方を変えることにある。これまでは小麦や大豆を水田で育てた場合、地目が畑のときより手厚く補助金を出していた。コメの転作の一環だ。

2027年度以降はこれを改め、水田か畑かに関係なく、生産性の向上を品目ごとに後押しする補助金に衣替えする。収量が増えるほど補助金が多くなるルールを本格導入すれば、「捨て作り」の防止にもつながるだろう。

水田と畑で補助金に差を設けないことは、麦や大豆など湿害に弱い作物の振興に役立つ。田んぼの水を抜いて無理に作るのではなく、畑で生産することにつながるからだ。こうした作物の増産は食料自給率の向上に資する。

農水省

農水省は水田政策を根本から見直す

関連記事
農水省が「5年水張り」ルール撤回 その先に待つ水田政策の抜本見直し
農水省が「5年水張り」ルール撤回 その先に待つ水田政策の抜本見直し
コメの転作で麦や大豆を作る田んぼに、5年間で一度も水を張らなかったら補助金を大幅に減らす--。いわゆる「5年水張り」問題で、農林水産省は補助金削減のルールを撤回する方向を示した。2027年度に実施する新たな水田政策の一環。農…

青刈りトウモロコシを増産

トウモロコシが十分実りきる前に、実と茎と葉をまとめて収穫する「青刈りトウモロコシ」を強化する方針も打ち出した。収穫した後は発酵させて腐りにくくし、保存性を高めて主に牛の飼料として活用する。

米国などから輸入している実だけの飼料と比べ、青刈りトウモロコシはかさばるので輸送効率が悪い。その分、海外から運んで来ようとするとコストがかかる。輸入飼料と競合しにくい点が大きな強みになる。

トウモロコシ

青刈りトウモロコシ

しかも重要なのは、実だけの輸入飼料の一部を代替できる点だ。

関連キーワード

シェアする

関連記事

タイアップ企画

公式SNS

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する