毎日集まるJAとうかつ中央の生産者――強い産地を支える“情報交換”の現場
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【産地概要】
- 千葉県 松戸市 JAとうかつ中央 紙敷出荷組合
- 概要 (2025年度)
◆生産者数:13人
◆栽培面積:360a
◆年間出荷量:32.4t
ベテラン生産者たちが毎日集い、情報交換
東京駅から電車で約40分の距離にあるベッドタウン・東松戸。その駅から車で数分の住宅街に囲まれた畑の一角に、午後1時になると軽トラックが続々と集まってきます。初夏の日差しを遮る大きな木の下に置かれた机に、軽トラックから次々とエダマメの箱が降ろされ、数をチェックして配送業者のトラックへと分配。あっという間にエダマメは運び去られ、残った生産者の方々が、翌日の出荷量をホワイトボードに書き込みながら熱心に話し合っています。
ここは、JAとうかつ中央 紙敷出荷組合のエダマメ集荷場。5月中旬から始まる出荷時期には、ほぼ毎日生産者が集まり、こんな青空の下での出荷風景が見られるそうです。全国トップクラスのエダマメ産地、千葉県の中でも主要産地の一つであるJAとうかつ中央管内には同様の出荷組合が13あり、400名もの生産者がいます。歴史も古く、栽培歴30~40年という方々も数知れず。
紙敷出荷組合でも、そんなベテラン生産者の皆さんが毎日集い、誰がどんな品種を作り、いつからいつまで何箱出荷できるかなどの基本的な情報から栽培上の課題まで、濃密な情報交換をしています。

紙敷出荷組合の湯浅和也さん
収量が倍増!? 生産者が驚いた、味だけではない『たっぷり』の実力
導入の経緯:「おいしい」と聞いて作付け、組合でも定着
「『たっぷり』は、試作した組合の仲間が『おいしい』と話しているのを聞いて作り始めました。もう5、6年になるかな」
そう話すのは、エダマメ栽培歴30年の湯浅和也さん。紙敷出荷組合では、市場や生協などの出荷先が求める量に応じて組合員みんなのエダマメを分配して出荷するため、栽培する品種のラインアップは全員ほぼ同じです。2~3月末まきの露地トンネル栽培で、5~6月中旬に出荷するレギュラータイプのエダマメは3品種、6月下旬からは茶豆風味の品種の出荷に切り替えます。
エダマメの品種はあまたあり、新品種も次々出ています。しかし、組合員それぞれが思い思いに導入するのではなく、まず誰かが試作し、その出来栄えを見ながらみんなで情報交換し、成績がよければ組合の品種ラインアップに取り入れていくのが、品種導入の手順です。
「たっぷり」も、2020年に試験品種の段階で組合員の1人が試作。味がよく、量も採れるということで、2023年から品種ラインアップに加わったそうです。
「たっぷり」の評価:莢が大きく、3粒が多いので収量が上がる
味がおいしいだけではなく、際立って収量が多いのが「たっぷり」の魅力だと言うのは、栽培歴14年の若手で組合長の湯浅省吾さん。「以前作っていた品種と比べると、倍くらいは採れてるんじゃないですかね」とおっしゃるほど。
エダマメの出荷形態には枝付き束、切り枝、莢もぎの大きく3種類ありますが、紙敷出荷組合では莢もぎで統一。市場には莢250gで1袋、20袋を1箱にして出荷します。「たっぷり」だと、以前の品種と比べてこの1袋がすぐにいっぱいになるそうです。
「莢そのものが大きいんですよ。あと3粒の莢が多い。だから、収量が上がるんだと思いますよ」と省吾さん。エダマメ2株で1袋分採れることも、珍しくないと言います。

脱莢機から出てきた「たっぷり」の莢。大きくて3粒の割合が多く、中には4粒の莢も
作業がラクに!現場が語る“手放せない理由”
茎が伸びる立性で、脱莢機(だっきょうき)にかけやすい
また、脱莢機にかけやすい点も、組合から評価されています。脱莢機とは、回転する突起が付いたドラム状の脱莢部にエダマメの茎を投入し、突起が莢をたたき落とすことで、効率的に莢を取り除く機械です。ある程度、茎が長くないと脱莢部には入れにくいし、安全に作業する上でも問題があります。組合では、8年前から全員が脱莢機を導入したため、茎の長さが品種選びの重要な基準となっています。
「以前作っていた2品種は、片方は茎が伸びにくかったし、もう一つはめちゃくちゃ伸びて、どちらも脱莢機に入れにくかったんです。でも『たっぷり』はよく伸びるし、それでいて茎が太くて立ってるんですよね。倒れにくいし、脱莢機にも入れやすい。あと、莢離れもいいですね」と省吾さん。
莢が茎から離れやすいので、脱莢部でたたく時間が短くなり、割れる莢も少なくなります。その分、歩留まりもよくなり、さらに収量が上がる結果につながるというわけです。

脱莢作業の様子。「たっぷり」は茎が長めなので機械に入れやすい

莢が上から下まで満遍なく付いた「たっぷり」の株。丈が伸びても茎が太く、倒れにくい
今後の展望:レギュラー品種のラインアップからは外せない
栽培する上での注意点についても、お二人に聞いてみました。「他の品種と一緒。収量が多いからといって、特別なことはしていません」と省吾さん。
「早生だから、莢が黄色くなるのが若干、早い気もするけど…それくらいかな。管理は同じでも、収量が多いのは間違いないです。だから、皆さん栽培しているし。それに、味がいいので。やっぱりおいしいものを作りたいですしね」と和也さん。
従来の品種と同じ管理で収量が上がり、脱莢機にもかけやすい「たっぷり」。今後も品種ラインアップからは外せないと、ベテラン生産者たちが集う組合の中でも意見は固まっているそうです。
まとめ:作業効率を劇的に変えた「たっぷり」
✔ 莢が大きく、袋詰め作業がスピーディー
✔ 2株で1袋分採れることも珍しくない
✔ 規格外品が減り、選別作業も効率化
これらを実現した「たっぷり」の特長や詳細について、さらに知りたい方はこちらをご覧ください。
エダマメ「たっぷり」が、皆さまのエダマメ生産において、より多くの収穫と作業の負担軽減、そして明るい未来づくりに貢献できることを願っています。
(文・写真:依田賢吾/編集:サカタのタネ)
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