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夏野菜を引っ張り、秋冬野菜を仕込む。9〜10月の畑仕事と作付けのコツ【DIY的半農生活Vol.56】

和田 義弥

ライター:

連載企画:DIY的半農生活

夏野菜を引っ張り、秋冬野菜を仕込む。9〜10月の畑仕事と作付けのコツ【DIY的半農生活Vol.56】

茨城県筑波山のふもとでセルフビルドした住まいに暮らし、約3.5反(35アール)の田畑でコメや野菜を栽培するフリーライターの和田義弥(わだ・よしひろ)が、実践と経験をもとに教える自給自足的暮らしのノウハウ。
みなさん、秋冬野菜の作付けはもうお済み? 9月に入っても気温が高い日が続いているけれど、毎年、彼岸を過ぎるとグッと涼しくなり、日照時間も日ごとに短くなっていく。10月中旬には薪ストーブにも火が入る。そういう季節なので、種まきや植えつけが数日遅れると、気温の低下にともなって収穫は1週間、1カ月とずれていく。キャベツやハクサイは結球にも影響が出る。野菜作りは計画性が大切だ。今回は秋の作付けとやるべき作業をご紹介。

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秋の端境期を乗り切るコツ

9月は秋の端境期。夏野菜の収穫が一段落し、秋冬野菜は今まさに生育中。この季節は畑でとれる野菜が少なくなる。自給率を高めるには、この収穫の谷間をいかに乗り切るかが重要だが、わが家はへっちゃら。20年近く野菜作りをしていれば、それぞれの時期に畑でやるべきことが暮らしに組み込まれている。

ナスやピーマン類は、夏の間に暑さで収穫が落ち込む時期があるけれど、うまく管理すれば5月に植えつけた株で11月までとり続けられる。オクラとモロヘイヤも9月いっぱい引っ張れる。ズッキーニやキュウリやトウモロコシは7月に種をまく抑制栽培を仕込んでおけば、ちょうど9~10月に収穫できるし、エダマメも夏まきの晩生品種が秋にとれる。春まきの早生種に比べて株が大きく育ち、実つきがいいので食べ応えがある。9月中旬を過ぎたらサツマイモやサトイモを必要な分だけちょっとずつ掘り上げ、ネギやニラもとれる。

そうそう、果樹も忘れちゃいけない。庭にはクリやイチジクの木が植わっており、どちらも9月は収穫のピークだ。果樹はいいぜ。木が大きく育てば、野菜のようにちまちま手をかけて世話をしなくても、毎年食べきれないほどの実をつける。

イチジク_MG_8827

庭にイチジクの木が3本植わっている。食べきれない分はコンポートにして冷凍保存する

また、夏の間にコマツナやチンゲンサイ、リーフレタスなど、生育の早い葉物の種をまいておくと、気温が高い時期は30~40日で立派に育つので、端境期の穴埋めになる。夏野菜に飽きている頃なので、食卓に葉物があるとちょっぴりうれしい。

秋の作付けはダンドリ勝負

畑にはこうした夏野菜がまだ少し残っているものの、広く見渡せばキャベツやブロッコリー、ニンジンが育ち、1週間前に種をまいたホウレンソウも発芽して、すっかり秋冬野菜で埋めつくされている。

今では、1年を通して野菜がとれない時期はほとんどないけれど、住宅地の小さな庭で家庭菜園を始めた頃は、いつどんな野菜を植えつけて、いつ収穫できるのかというのがよくわからなかった。だから、9月になっても夏野菜がなかなか片付かず、秋冬野菜の種まきや植えつけが遅れてしまう。すると、いつの間にか気温が下がってきて生育が伸び悩み、収穫できるまで育たない。そういう失敗を何度もやらかした。秋の作付けは春にもまして計画性が求められるのだ。

今年のトマトは8月上旬で終わりにした。4月中旬に苗を植え付け、6月から収穫が始まっていたので、株も疲れてきていたし、高温で実もつきにくくなっていた。ちょうど潮時だった。スイカは8月いっぱい。初夏に植え付けたズッキーニやトウモロコシ、エダマメなどもすっかり片付いて、先述した抑制栽培の株にバトンタッチしている。

夏の野菜は株が大きく育つものが多いため、残渣(ざんさ)の処理にも手間がかかる。農家であれば、機械で粉砕して、その場で土にすき込んでしまう人が多いと思うが、家庭菜園の場合、株を抜いて処理するのが現実的だ。そのままにしておいてもいずれ分解されるが、コンポスト箱や畑の隅に積み上げておけば邪魔にならないし、堆肥(たいひ)になれば畑に戻せる。わが家ではそうしている。
あとは、飼っているニワトリやヤギのエサにもしている。畑の雑草よりおいしいらしく、食いつきがいい。堆肥化する場所がなければ、作物の株元や通路に敷いてマルチにしてもいい。ただ袋に詰めてゴミに出すのは、自然のサイクルを考えると少し滑稽だ。

夏の野菜を片付けた畑は耕運機で耕して、すぐに次の作付けをしてしまう。そのままにしておくと夏はすぐに草が生えてしまうし、畑のスペース的にも、次の作付けまでの時間的にも余裕がないという理由もある。堆肥は春先に施すことが多く、この時期にはやらない。元肥はやるときもあるし、やらないときもある。野菜によるのではなく、気分的なところがある。そのへん、適当なのだが、それでも野菜はそれなりに育つのだ。

ホウレンソウ_MG_4660

ホウレンソウ。12月以降に収穫するものは寒さにあたって糖分を蓄えるのでグッと甘くなる

キャベツやブロッコリーは7月下旬から段階的に苗作りを始め、8月下旬の処暑の頃から植えつける。ニンジンの種まきや秋作のジャガイモの植えつけもその頃だ。9月になったら10日頃までにレタスとハクサイ、ダイコンの種をまき、15日頃にはタマネギの育苗を始める。地域や品種にもよるが、これらの野菜はあまり種まきが遅くなると、大きく育つ前に気温が下がって生育がストップしてしまう。かといって早まきすると、気温が高くてうまく育たなかったりするので、栽培のスタートはピンポイントだ。

野菜別9~10月の管理作業

わが家の9月から10月の畑には、主に次のような野菜が育っている。

イチゴ

10月中旬までに苗を入手して植えつけるか、これまで栽培していれば親株からランナーでつながった苗をとって株を更新する。ただ、わが家のイチゴは放任栽培。好き勝手に伸びたランナーについた苗が、そのまま根付いて広範囲に広がっている。作業や通路の邪魔になる苗を摘み取る程度のことしかしていないが、毎年初夏にはたくさんの実をつける。

イチゴ_MG_3775

苗とりはしておらず、放任でランナーを伸ばしているが、苗は自然に根付いて、毎年たくさんの実をつける

ニンニク

6月に収穫したニンニクは、種球にするものをとっておく。10月頃に芽が出てくるので、鱗片にばらして10月中旬までに植えつける。種球は種苗店やホームセンターでも手に入る。

ニンニク_MG_8824

6月に収穫したものを軒下につるして保存。10月頃に芽が動き出すので種球として植えつける。食べる分は冷蔵保存する

タマネギ

種は9月中旬にセルトレーにまく。1穴に5~10粒まくと根が絡んで根鉢が崩れにくくなる。1カ月ほどで草丈約10センチに育ったら、セルトレーから苗を取り出して、ばらさずにそのまま畑に仮植えする。11月中旬の本植えまでに本葉3~4枚の苗に仕立てる。11月に出回る苗を入手すれば育苗の手間がない。

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セルトレーに種をまき、根が回ったら畑の苗床に仮植えする

キャベツ

わが家では段階的に9月いっぱい育苗し、苗は10月下旬までに植えつける。先陣を切る8月下旬植えは11月に収穫が始まり、その後、9月中に植えつけたものは年内にとれる。10月以降に植えつける苗は翌年4月に収穫。春の端境期を埋める貴重な野菜になる。
秋はアオムシやヨトウムシなど害虫が多いので、薬剤を使わない場合は防虫ネットが必須。これは冬の防寒にもなる。
立派な球にするためには、結球が始まる前までに外葉を大きく育てること。一般的にはそのための追肥が推奨されているが、わが家ではやっていない。苗を植えつけたら、あとはただ見守るだけ。それでも土がよければ、しっかり大きな球になる。

キャベツ_MG_3033

品種によって作型が異なるので、栽培時期に合わせて適したものを植えつける

ブロッコリー

キャベツに比べると種まき・植えつけの時期が短い。多くの秋作品種は8月中の種まきで、苗の植えつけは9月いっぱい、収穫は10月下旬からだ。品種によるが、頂花蕾収穫後にわき芽が伸びて側花蕾がとれるのがうれしい。側花蕾は次々に伸びて、うまくいけば翌年まで収穫が続く。また、茎が上に伸びるので、9月中に2回、畝の除草と合わせて三角ホーで株元に軽く土寄せしてやると、風などで倒伏しにくくなる。キャベツと同じように害虫対策もぬかりなく。

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頂花蕾を収穫したあとに発生した側花蕾

ハクサイ

9月上旬に種をまいて下旬に植えつける。定植が遅れると、結球の準備が整う前に気温が下がって球にならない。ハクサイやキャベツをしっかり結球させるコツは3つある。

  1. 結球が始まるまでに必要な数の外葉を確保すること。
  2. 外葉をなるべく大きく育てること。
  3. 適した気温の時期に結球させること。

この条件が満たされないと、結球しなかったり、結球しても球が大きく育たなかったりする。
ハクサイの結球適温は15℃前後。関東の平野部だと、10月下旬~11月上旬頃だ。

ハクサイIMG_4318

寒さに強いので、冬の間は畑に置いたまま保存できる。鍋には欠かせない野菜だ

ダイコン

9月上旬と下旬に2回種をまく。上旬まきは年内どり、下旬まきは冬の間に収穫できる。たくさん作っておけば、切り干し大根やたくあんにして保存も可能。種は4~5粒点まきして、本葉5~6枚までに間引いて1本にする。幼苗が害虫被害を受けると致命的なので、生育初期だけ防虫ネット、または不織布のベタ掛けで害虫を防除する。本葉が10枚くらいになれば、多少害虫に食害されても耐えられるので、被覆を外してもOK。その後は特にやることはない。

ダイコン苗IMG_9683

生育初期に害虫被害にあうと、生育に致命的なダメージをうけるので、ある程度葉数が増えるまではしっかり防除する

ホウレンソウ、コマツナ、チンゲンサイ、コカブなどの葉物や小型の根菜

気温が低い時期を除けば、比較的生育が早く、栽培時期も長い。9月、10月、11月に3回種をまき、10月中旬から翌年春までとり続ける。ひとつの畝にいろいろな品種を条まきし、間引き菜も利用していける。11月まきは農ポリ、または不織布でトンネルをかけて防寒する。

葉物_MG_8173

コマツナやミズナやワサビナを混植。いろいろな種類の野菜があれば食卓も彩り豊かになる

春の端境期につなぐ秋の野菜づくり

畑ではほかにもレタスやニンジン、ナバナなどが育っているが、基本的にどの野菜も種まきや植えつけのあとは、あまり手をかけていない。追肥も特にしていないし、害虫がつきやすいものは被覆資材で対応している。それでちゃんと収穫できるのだから、間違ったやり方ではないのだろう。
畑でやることは、数え上げたら切りがない。大変と思う人もいるかもしれないが、私にとってはシアワセ。空の下で手足を動かしているのが好きなんだ。それを毎日コツコツやること。この秋の作付けをしっかりやっておけば、来年につながる。きっと春の端境期も心配ない。

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