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良質なタネイモを未来につなぐために。産地一丸となって取り組む防除体系の見直し

良質なタネイモを未来につなぐために。産地一丸となって取り組む防除体系の見直し

北海道・羊蹄エリアは、全国有数の種ばれいしょ(タネイモ)産地として知られています。その一角を担う喜茂別町では、現在わずか5戸の生産者が地域のタネイモ生産を支えています。タネイモづくりには、病害虫対策や厳しい検査への対応が欠かせません。特に近年は、温暖化によるアブラムシ類の増加や発生時期の早まりなど、栽培環境の変化が生産者を悩ませています。こうした課題に対し、生産者とJAようていが連携しながら防除体系の見直しを進めています。その中で新たに採用されたのが、BASF社の「エフィコン®SL」でした。その理由についてお話を伺いました。

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わずか5戸で支える産地。良質なタネイモを守る責任

鳥谷部卓さん(37)は、喜茂別町で110年以上続くタネイモ農家の4代目です。北海道農業専門学校を卒業後、20歳で就農。現在は約24haの圃場で馬鈴薯や豆類、ビート、トマト、かぼちゃなど、北海道を代表する多くの作物を栽培しています。

その中でも特に重要な位置付けにあるのがタネイモです。
タネイモは一般の食用馬鈴薯とは異なり、次の世代の作付けに使われるため、高い品質と健全性が求められます。

「市場に並ぶ馬鈴薯のスタートになるのが私たちの仕事です。責任は大きいですね」と、鳥谷部さんは話します。

かつて喜茂別町には40戸近いタネイモ生産者がいました。しかし、高度な栽培技術や厳しい検査への対応が求められることなどから、生産者は減少し、現在は5戸となっています。
タネイモ生産は一般の馬鈴薯栽培に比べて管理項目が多く、病害虫対策や検査対応にも大きな労力を要します。

「手間のかかる仕事ですし、それだけに続ける人が少なくなっているのかもしれません」
それでも鳥谷部さんは、「良いタネイモがなければ良い馬鈴薯はできない」と話します。生産者数が減った今も、地域の馬鈴薯生産を支えるという思いで栽培に取り組んでいます。

温暖化で変わる圃場環境。高まるアブラムシ防除の重要性

管内のタネイモ生産者を悩ませている課題の一つが病害虫対策です。
土壌中のジャガイモシストセンチュウへの対応に加え、近年特に問題となっているのがアブラムシ類の発生です。

「以前に比べるとアブラムシの発生時期が早くなったと感じています。昔はここまで神経質になる害虫ではなかったと思うのですが、最近は毎年しっかり警戒しなければなりません」

背景にあるのが気候の変化です。

「気温も上がっていますし、夜も以前ほど冷え込まなくなりました。アブラムシが発生しやすい環境になっているのかもしれません」

アブラムシ類が問題となるのは、モザイク病や葉巻病などのウイルス病を媒介するためです。タネイモでウイルス病が発生すると、その年の生育だけでなく、次世代の栽培にも影響を及ぼす可能性があります。

「今はアブラムシをしっかり抑え続けることが本当に重要です。検査だけでなく、その先のタネイモの品質にも関わってきますからね」

実際、防除の負担も年々大きくなっています。従来の薬剤ローテーションだけでは対応が難しい場面も増えつつあり、新しい薬剤や防除技術を取り入れながら対策を進める必要性が高まっていました。

抵抗性対策が大きな課題。新規作用機作のエフィコンSLに期待

特にJAようていと生産者が課題として共有していたのが、抵抗性アブラムシへの対策でした。
「私は昨年より、この地区の馬鈴薯担当をしてますが、過去の防除暦を見返したときに気になったことがありました」と話すのはJAようていの伊藤さんです。
「同じ薬剤を数年間にわたってヘビーローテーションで使い続けている部分があったんです。もちろん、それだけ効果があったということなのですが、同じ作用機作に依存し続けると、その薬剤に抵抗性を持つ害虫が増えるリスクがあります」

一方、鳥谷部さんもアブラムシの発生増加に危機感を抱いていました。
「アブラムシは確実に増えていると感じています。これからも安定して防除を続けていくためには、新しい作用機作を持つ薬剤が必要だと考えていました」

タネイモでは防除回数が多いため、一部の作用機作に依存しすぎない防除体系づくりが重要です。そのためJAようていでは、防除暦そのものを見直し、新たな作用機作を持つ薬剤の導入を検討していました。

そこで注目したのがエフィコンSLです。
「私たちが評価したのは、新しい作用機作を持っていることに加え、残効性にも期待できる点でした。これまで使用頻度の高かった薬剤の一部を置き換えながら、防除体系の中に組み込めると考えました」

2026年は、喜茂別町のタネイモ生産者全戸でエフィコンSLを採用。産地全体で新たな防除体系に取り組みました。
実際に使用した結果について伊藤さんは、「さまざまな種類のアブラムシに対して効果が期待できることを確認できました」と手応えを語ります。
また、「新しい作用機作を取り入れながら、防除効果も確保できたことは大きな収穫でした」と評価します。

産地を支える新たな選択肢。良質なタネイモを未来へつなぐ

生産者からは、防除効果だけでなく残効性についても高い評価の声が聞かれています。
「天候の影響で予定どおり散布できないこともあります。その中で効果が長く続くことは非常に心強いですね」(鳥谷部さん)

伊藤さんも、「防除効果だけでなく、将来の抵抗性対策という観点からもエフィコンSLの導入には大きな意味がある」と話します。
今後は、防除体系の中でそれぞれの薬剤の特長を生かした使い分けも検討しているそうです。
「速効性が期待できる『セフィーナ®DC』と、残効性が期待できるエフィコンSLをうまく組み合わせることで、さらに安定した防除体系を構築できる可能性があります」(伊藤さん)

喜茂別町では現在、わずか5戸の生産者がタネイモづくりを支えています。しかし、その責任と誇りは決して小さくありません。

「良いタネイモを作り続けることが私たちの使命です。私たちが作ったタネイモが、その先の生産者や産地を支えることにつながります。これからも産地みんなで協力しながら続けていきたいですね」(鳥谷部さん)

温暖化による害虫発生の変化、抵抗性リスクへの対応、生産者の減少。産地を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。それでも生産者とJAが連携し、防除体系を見直しながら新しい技術や薬剤を積極的に取り入れていく。その積み重ねが、喜茂別町のタネイモ産地の未来を支えています。

エフィコンSLは単なる新しい薬剤ではありません。良質なタネイモを次世代へつなぎ、産地を持続させるための新たな選択肢として期待されています。

取材協力
北海道喜茂別町
鳥谷部ファーム 鳥谷部卓さん
JAようてい

『エフィコン®SL』製品情報

有効成分: アクサリオン®(ジンプロピリダズ) 10.8%
登録番号: 第25005号
性状: 褐色~暗褐色澄明水溶性液体
毒性: 普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称)
危険物: 三石・Ⅲ・水溶性
有効年限: 3年
包装: 250ml×20本、500ml×20本(地域限定)

®=BASF社の登録商標

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