より健康で、美しく、優れた牛を
酪農家の子弟には珍しく、市内の普通高校を卒業した小針さん。農業大学校を出て北海道の酪農学園大に入っても、当時はまだ家業を継ぐことを考えられずにいたと語ります。転機はオランダへの1年間の酪農留学でした。「ヨーロッパの動物愛護や環境配慮を肌で感じました。20年前からロボット搾乳が導入されており、余暇を大事にする働き方にも刺激を受けました」。
マイナビ農業TOP > 野菜も、果樹も、酪農も。‐栃木県那須塩原市‐ > オランダでの酪農留学が原点。「よく観察する」ことが牧場経営の信条【 那須塩原の農業者の声】
父が牛一頭から始めた牧場に小針さんが入ったのは1999年のこと。2002年にフリーバーン牛舎を新築して規模拡大を図り、現在は約330頭の牛を飼育しています。牛の管理、搾乳、哺乳、飼料生産と多岐にわたる酪農の仕事。「牛は正直で品質の良い餌を与えると状態がよくなります」と、小針さんは特に飼料畑の耕作に力を入れ、25haの畑でデントコーンと牧草を作っています。毎日のようにある出産にも立ち合うという小針さん。20年は約200頭の子牛が小針牧場で誕生しました。
酪農家の子弟には珍しく、市内の普通高校を卒業した小針さん。農業大学校を出て北海道の酪農学園大に入っても、当時はまだ家業を継ぐことを考えられずにいたと語ります。転機はオランダへの1年間の酪農留学でした。「ヨーロッパの動物愛護や環境配慮を肌で感じました。20年前からロボット搾乳が導入されており、余暇を大事にする働き方にも刺激を受けました」。
オランダに渡る際、牛の改良に熱心な父が「勉強しておくように」と荷物に忍ばせた本が、小針さんの酪農のスタート。以来、小針さんにとっても牛の改良が無二のやりがいとなりました。「ホルスタインは改良が進み、乳産能力が高い牛がいます。全国的な美人コンテストもあります。交配やブリーディングで結果が出て評価されるのは、生きものを飼うからこそ得られる喜びです」。
農業経営の面でも、オランダでの経験が自らの根幹を支えています。「オランダの農場主から『よく観察しなさい』と言われました。その言葉を新規就農者にも送りたいです。日々観察して自分で考えてできるようになった経験値で上手な牛飼いになります」。多くの同業者のいる那須塩原市で手抜きはできません。全国有数の産地だからこそ、お互いにプライドを持って高め合うことができるのです。
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