世界が熱望する和牛「尾崎牛」飼育の秘密【ファームジャーニー:宮崎市】 – マイナビ農業

マイナビ農業TOP > 生産者の試み > 世界が熱望する和牛「尾崎牛」飼育の秘密【ファームジャーニー:宮崎市】

生産者の試み

世界が熱望する和牛「尾崎牛」飼育の秘密【ファームジャーニー:宮崎市】

世界が熱望する和牛「尾崎牛」飼育の秘密【ファームジャーニー:宮崎市】

2017年07月29日

幻の和牛と呼ばれ、数々の一流店が注目しているのが、尾崎牛です。生産地名ではなく、作り手である尾崎宗春さんの名前がついた噂のブランド牛の飼育法とは、一体どのようなものなのでしょうか。毎日食べてもしつこくなく、次の日もまた食べたくなるような尾崎牛の秘密に迫ります。

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

世界が熱望する和牛「尾崎牛」飼育の秘密【ファームジャーニー:宮崎市】

最高の和牛と評される「尾崎牛」。日本の一流店では、その他有名ブランド牛を上回るほどの人気を誇るとか。ジューシーなうまみのあるやわらかい赤身が特長で、国内のみならず噂を聞きつけたパリの三ツ星レストランなど、世界からの注文も絶えません。

そんな尾崎牛には、生産地名ではなくウシを育てた「尾崎宗春(おざきむねはる)」さんの個人名が付けられています。「ワインだって作り手の名前が記されています。生産地名がブランド名になるのは、作り手として無責任です」と語る尾崎さんに、尾崎牛が国内外のトップシェフたちに愛される理由をお聞きました。

関連記事:
ブランド牛で世界へ挑む!尾崎宗春さんの「牛飼いの哲学」【ファームジャーニー:宮崎市】
世界が認める「尾崎牛」のおいしい食べ方・おすすめの店8選【ファームジャーニー:宮崎市】

水源豊かな宮崎の地と最高のエサで育てられる尾崎牛

水源豊かな宮崎の地と最高のエサで育てられる尾崎牛

尾崎さんの牧場は、かねてより肉用牛の子牛の生産が盛んな宮崎市にあります。現在は、5ヘクタールの敷地で和牛肥育牛1,400頭を飼育中です。

「宮崎は一年中温暖で雨が多く、ちょっと目を離すと牧場に草が生い茂ります。敏感なウシたちはカルキ臭を嫌って水道水を飲まないため、牧場の水は自然のわき水を汲んでいます。宮崎の雨は日向灘の上にできる雲からの恵みの雨で、汚染物質が少ないのです。豊富な天然水は牧草にも牛にも最適。宮崎の中で3回の移転を経て、現在の最高の牧場を見つけました」

尾崎牛とその他の肉用牛で最も違うところは、オリジナルのエサにある、と尾崎さんは言います。

尾崎牛とその他の肉用牛で最も違うところは、オリジナルのエサにある

「エサ作りは20年かけて研究しました。ビールのしぼり粕を中心に、トウモロコシ、きなこ、海草粉末など12種類の飼料をブレンドしています。ビールのしぼり粕に入っているホップや、海藻粉末のアルギニン酸。これらがウシの血管を丈夫にするので、体の末端までビタミンやミネラルが行き届くようになります」

エサは毎日ブレンドし、毎日同じ時間に新鮮な状態でウシに与えます。理由は、飼料に防腐剤や抗生物質を使わないため。そして、肉の味を一定にするためです。

「尾崎牛は、うまみを出すためにウシを長く育てます。ウシの加齢を、老化ではなく完熟へと導くためには、ウシが健康であることが大切です。また、肉のうまみは脂のうまみで決まります。脂の量を一定にしておかないと、味を比較できません。ウシの健康も肉のおいしさも、エサの内容で決まります」

尾崎さん同様、自家配合のエサでウシを飼育する方も多いそうですが、尾崎牛にかなう肉は現れないと言います。

365日、毎日尾崎牛を食べて、味を確認

365日、毎日尾崎牛を食べて、味を確認

「自分が食べて感動しない肉で、他人を満足させることなんてできないでしょう」

尾崎さんは、エサの研究以前に、自分が育てたウシの肉を食べて味を確かめることの大切さを指摘します。宮崎市内には、尾崎牛を食べることができるレストランが8軒あり、1軒ずつ順番にお店をまわって毎日食べています。

「尾崎牛の味を確認しつつ、贔屓にしてくれる店主へ謝意を伝えるためです。そしてこれが重要なのですが、尾崎牛をどんな方がどのように食べているのかを知るためです。どんな肉がどんな方に好まれるかいつも観察しているので、赤身肉のブームが来ることも、いち早く予測していました。ですから、霜降り肉を早々にフランスに持って行ったんです。ヨーロッパの人は脂が大好きですから」

こうして研究を重ねている尾崎さんの夕食が終わるのは毎晩24時。24時半には牧場に戻り、牛舎を一回りして25時半に就寝する毎日を送っています。翌朝は4時半に起床、5時から18時まで仕事をしているそう。だからこそ、毎日食べる尾崎牛がパワーの源であることは間違いないようです。

1 2 3

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

関連記事

カテゴリー一覧