福島から見つめる日本の農業のあり方・がんばろう福島、農業者等の会代表齊藤登さんインタビュー[3/3] – マイナビ農業

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福島から見つめる日本の農業のあり方・がんばろう福島、農業者等の会代表齊藤登さんインタビュー[3/3]

福島から見つめる日本の農業のあり方・がんばろう福島、農業者等の会代表齊藤登さんインタビュー[3/3]

2017年07月31日

福島県二本松市でキュウリや米を生産する齊藤登(さいとうのぼる)さん。自分の野菜を作って販売するだけでなく「NPO法人がんばろう福島、農業者等の会」にて福島県内の多数の農家を結んでいます。東日本大震災を経験し、福島県産の野菜や果物に逆風が吹く中で見えてきた、日本の農業のあるべき形とは。齊藤さんのストーリーを全3回でお送りします。

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福島県二本松市でキュウリや米を生産する齊藤登(さいとうのぼる)さん。自分の野菜を作って販売するだけでなく「NPO法人がんばろう福島、農業者等の会」にて福島県内の多数の農家を結んでいます。東日本大震災を経験し、福島県産の野菜や果物に逆風が吹く中で見えてきた、日本の農業のあるべき形とは。齊藤さんのストーリーを全3回でお送りします。

ー東日本大震災から6年。様々なことがあったかと思いますが、現在の状況を教えてください。

*インタビューは2017年7月

ネットショップは、一度売上が激減したあと持ち直して安定しています。現在は会員が5,000人ほどで、500人くらいの方は6年間継続して買ってくれています。ありがたいことです。仲間の農家の野菜もセットで販売しているので、みんなそれで収入を得ています。

自分の農園で米やキュウリ作りもしていますが、それ以上に仲間の野菜を販売しています。「がんばろう福島、農業者等の会」というNPO法人を作り、50の農家や加工会社と協力しながら、福島県産の食品を消費者に届けています。

農業者同士が協力して出荷する取り組みは、日本中にありますが、福島県という大きな枠組みで、地域を越えてやっているところは他ではあまり聞いたことがありません。まるで商社みたいです。

農家の人たちには、おいしくて安全なものをつくることに専念してもらい、私は都会の人ともっとたくさん繋がって、販売先を広げていけたらと考えています。仲間からの期待が大きいので、通販やマルシェでの販売以外にも、色々と試行錯誤しています。

ー具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか。

例えば、東京のある企業と提携して「ワンコイン販売」という取り組みを続けています。これは、企業に勤める人に毎月500円支払ってもらい、旬の野菜や果物をお届けする仕組みです。7月だと、モモを3つ程度送ったりしています。勤めている人にとっては、毎月新鮮なものをお得に食べられますし、給料から天引きする方法もあるので面倒がありません。私たちからすれば配送が一括で済みますし、毎月安定して販売先があるというのは、本当にありがたいことです。お互い負担なくできるのがポイントで、細く長くつながってくことが大切だと思います。

このような仕組みは、福島県だけでなく、日本の農業全体に必要だと感じます。農家の受け皿というか、お客様が農作物を買い、農家の収入に繋がる仕組みは不可欠です。いくら買ってほしいと思っても、お客様がどこで買えばいいのか分からなければ意味がありません。

消費者と繋がる仕組みについては、常に考え続けなければと思います。原発事故の影響で試行錯誤し、苦し紛れにできたシステムかもしれませんが、日本の農業全体に活かせるヒントがあるのではないかと、漠然と思っています。

農家だって人間です。農家はいい人で、どんな状態でも丹精込めて作物を作り続けるかと言ったら、そんなわけではありません。辛い時だってありますし、儲からなくても農業を続けたいと思うわけでもありません。しっかりと稼げる仕組みがなければ後継者がいないのも当たり前。農業はビジネスです。ビジネスであるからこそ、人と同じことだけをやっていたらだめです。社会動向や消費者の心理がどういう動きをするかを考えて行動する。読みが当たれば嬉しいですが、当たらないことも多いので、先を見据えて、常に先手を打っていく状況が変わっていく中で、うまくいく仕組みを見つけるのです。

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