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長野県民は野菜好き 野菜をたくさん食べている都道府県とは【数字で見る日本の農業vol.3】

連載企画:数字で見る日本の農業

長野県民は野菜好き 野菜をたくさん食べている都道府県とは【数字で見る日本の農業vol.3】

野菜を一番食べている都道府県の第1位は長野県。続いて島根県、新潟県と続きます。また、日本人がたくさん食べている野菜の第1位はダイコン、続いて玉ネギ、キャベツ。日本人の1日の野菜摂取量目標値は350gとされています。あなたは毎日どれくらい野菜を食べていますか?

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「野菜は健康にいい」、そのことに異論を唱える人は、おそらくいないでしょう。実際に日本人はどのくらい野菜を食べているのでしょうか。健康志向に伴って野菜の摂取量も増えているのか。

今回は、野菜の食べられ方についてデータから読み取ってみましょう。

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日本人の野菜摂取目標値は1日350g

1日の野菜摂取量の目標値は、厚生労働省「健康日本21(第二次)」(※1)によれば350gです。そのうち、1/3にあたる120gは緑黄色野菜であることが望ましいとされています。なぜこの量が目標値なのかというと、この量の野菜に含まれる栄養素が、生活習慣病や一部のがんなどの予防に役立つと期待されているからです。

350gの野菜が一体どのぐらいの量なのか、実際に計ってみました。ゴーヤ(小)とタマネギ(小)ピーマン各1個に、トマト(小)2個でちょうど358gです。

20代の野菜摂取量は目標値の約7割

では、実際に日本人はどのぐらいの量の野菜を食べているのでしょうか。厚生労働省の「平成27年度国民健康・栄養調査報告」(※2)を見てみましょう。
全体の平均値は293.6g。男女別にみると男性が299.4g、女性が288.7gと、意外にも男性の方が多く野菜を摂取しています。しかし、いずれも目標値の350gには足りていない状況です。
次に年齢別の摂取量を見てみると、20から29歳では、男性は257.1g、女性は226.8gしか食べられていません。最も摂取量が多いのは、男女ともに60から69歳。男性は327.6g、女性は334.4gです。その後、70から79歳では摂取量が下がっていくのですが、いずれも目標値の350gを上回っていないのが実情です。

「野菜を食べよう」という声掛けは、あちこちでみられるようになったものの、なかなか目標値には達していないようです。

野菜を一番食べている都道府県はどこ?

野菜を一番食べている都道府県はどこなのでしょうか。都道府県別のデータを調べてみました。厚生労働省「国民健康・栄養調査(2012年)」(※3)より抜粋します。

県別野菜摂取量(2012年(平成24年度))

性別  男性     女性
長野県 379.4g   364.8g
島根県 358.3g  323.4g
新潟県 333.1g  308.4g
東京都 332.1g   312.1g
山梨県 331.3g   310.4g

1位は男女ともに長野県。目標値の350gをクリアし、野菜を多く摂取しています。続いて島根県、新潟県と続きますが、東京都が4位に入っているのは「野菜を食べよう」という意識が行き渡っているからでしょうか。

併せて下位の県を見てみましょう。

性別  男性     女性
愛知県 243.3g  240.1g
北海道 260.0g  270.9g
徳島県 262.1g  264.0g
大阪府 264.0g  248.7g
福岡県 264.6g  259.5g

このデータが発表されたとき、愛知県では衝撃が走ったと言います。愛知県は自動車などの製造業が盛んではありますが、一方で田原市は農業産出額(売上)全国トップであり、県全体の農業産出額も全国7位(2014年)と、農産地としても知られた土地なのです。このデータの発表を機に、県を上げて野菜の摂取量増加に取り組んでいるそうです。

愛知県に続く都道府県の顔ぶれを見ても、農業が盛んな県も多く、なぜこれらの府県で摂取量が低いのかは専門家にもまだ詳しいことがわからないそうです。

日本人はどんな野菜を食べているのか

日本人がたくさん食べているのはどんな野菜なのでしょうか。「日本人における野菜の摂取量ランキング」(厚生労働省 2015年8月発表)(※4)をみてみると、意外な結果が出ていました。

データから野菜名と参考データとして出ている、1日の平均摂取量を見てみましょう。

1位 ダイコン 33.8g
2位 タマネギ 31.6g
3位 キャベツ 26.9g
4位 ハクサイ 21.3g
5位 ニンジン 20.4g

ダイコンが最も多く食べられていることが分かります。煮物にもサラダにも、すり下ろして薬味にも使われるなど、どんな料理にも使いやすい野菜です。しかし、食べている人の数が多い野菜は多少異なります。「日本人における野菜の摂取者数ランキング」は以下の通りです。

1位 ニンジン 77.3%
2位 タマネギ 64.6%
3位 ダイコン 50.6%
4位 キャベツ 45.9%
5位 根深ネギ 38.0%

根深ネギは摂取量ランキングでは12位です。みそ汁や蕎麦、うどんなどのトッピングとして少量で使われることが多く、このような結果になったのだろうと想像できます。

1日350g野菜を食べるのに必要な工夫とは

最も簡単に1日350g(うち120g緑黄色野菜)の野菜を食べる方法は、350gの野菜で汁物をつくってしまうこと。具だくさんのスープや豚汁などを作り置いて、3食または4食程度に分けて食べるだけでもかなり摂取量は増えます。

野菜だけの副菜を作り置きして常備し、食事ごとに小鉢として食べるのも有効です。ゴボウやニンジン、レンコン、ダイコンまたは切り干し大根などで作るきんぴら、ホウレンソウ、インゲン、コマツナなどのゴマ和えを作り置きして、密封容器で冷蔵庫に保存。食卓にひと皿出せば、野菜の摂取分量が増えます。

コンビニやスーパーで食事を買う場合は、野菜が中心の副菜を1品加えましょう。飲食店で食べる場合は丼ものなどは、なるべく避けて、定食を選ぶことで以前より野菜の摂取量を増やすことが可能です。工夫次第で、目標値のクリアも難しいことではありません。ぜひ毎日の食事で、野菜の目標摂取量350gを目指しましょう。

※1 厚生労働省「健康日本21(第二次)」http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_01.pdf

※2 厚生労働省「平成27年国民健康・栄養調査報告」http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/dl/h27-houkoku.pdf

※3 厚生労働省「平成24年国民健康・栄養調査報告」正誤情報 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/gaiyo/dl/k-eisei-seigo-h24.pdf

※4厚生労働省「報道発表資料 日本人がたくさん食べている野菜は?」より、「日本人における野菜の摂取量ランキングPDF」 http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000096137.pdf

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