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人気の地方移住先と新規就農先におすすめの地域【数字で見る日本の農業vol.4】

人気の地方移住先と新規就農先におすすめの地域【数字で見る日本の農業vol.4】

2017年09月21日

地方移住先の人気ランキングと、新規就農者がどのような地域で農業を始めているのか。また、自治体の就農支援や民間組織のサポート体制についても探ってみました。JAむかわ、JA上伊那、山形県飯豊町などの支援制度についてもご紹介します。

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地方移住先の人気ランキング上位5県

全国約850地域と連携し、地域の情報提供や、都市と農村をつなぐ試みを行っている「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」では、移住相談に訪れた方へのアンケートを集計し、毎年「移住希望地域ランキング」を公開しています。2016年のデータに(※1)によると、移住希望者が多い地域は以下の通りです。

第1位 山梨県
第2位 長野県
第3位 静岡県
第4位 広島県
第5位 福岡県

首都圏に近く自然が多い山梨県と長野県の2県は、2013年の調査から4年連続で1位と2位を争っています。3位については、2014年ランキングでは岡山県、2015年は島根県、2016年は静岡県となっています。

移住相談は2015年から2016年の間に21,584件から26,426件と、22.4%の増加となっている上に、20代から40代の割合が68%を超えており、地方移住は若い世代を中心に広がりつつあると言えるでしょう。

就農希望者に人気の地域

では、就農を希望する人が、移住先として選ぶ場所はどこなのでしょうか。
「新規就農者の就農実態に関する調査結果」(※2)を見ると、新規参入者が就農するために移住した地域は以下の通りです。

第1位 関東・東山(山梨県、長野県、岐阜県)(24.0%)
第2位 九州(16.4%)
第3位 東海(12.4%)
第4位 中国(11.1%)
第5位 近畿(8.1%)

移住先を選んだ理由で最も多いのが、「取得できる農地があった」(53.1%)。このほか上位の理由は「就業先、研修先があった」(27.7%)「行政などの受け入れ、支援対策が整っていた」(27.0%)であることから、その土地を好んでというより「就農までの支援が整っていて農地も取得しやすい」場所が選ばれていることがわかります。

農家出身ではない人が就農する手段として、農業法人に就職するか、農家等で研修を受けてから農地を取得することが多いでしょう。研修中の費用負担や給与など、支援体制が整っている地域は当然人気が高くなります。

就農支援とは具体的にどんな支援なのか

新規就農支援は、自治体のほかJAや民間組織でも行っています。ここでは、新規就農者向け支援に早くから取り組み、実績を上げているJAの取り組みを、全国農業会議所の「iju info」(※3)から見てみましょう。

JAむかわ(北海道むかわ町)

春レタス、トマトの通年型農業が行われている北海道むかわ町の「JAむかわ」は、地域と行政が一体となり、新規就農者受け入れの体制を整えてきました。「むかわ町新規就農等受入協議会」を2005年に設立、就農希望者の研修を受け入れる農家を会員として、短長期の農業体験を行っています。また長期農業体験後、就農を希望する人が研修を受ける研修農場がありますが、これは「むかわ町地域担い手育成センター」の運営で、ハード面でも就農者のバックアップ体制を整えています。

JAむかわでは、短期農業体験から最長2年の長期農業体験を経て、研修農場での研修という流れになっており、それぞれの期間で月10万円から15万円の手当が支給されます。就農が決定したら、町の単独事業により300万円の補助金もあり、農地や住居探しのサポートにもしっかり取り組んでいます。

JA上伊那(長野県伊那市)

JA上伊那では1997年、独自に「農業インターン制度」を作りました。JAの臨時職員として採用され、先進農家で最長3年間(月給13万円)研修を受けるというものです。期間を短縮しての早期独立も可能です。JA上伊那管轄外からの移住者であれば、就農後に月2万円の住宅手当を最長2年間受けられます。伊那市としても移住のための相談会や体験会、農業体験&空家探訪などのほか、住居の紹介、農地の紹介も行っています。

また長野県では、登録された農業者が新規就農者の里親として技術習得、地域への紹介、農地、住宅、中古機械の確保、就農後の相談役までを担いサポートするシステム「新規就農里親支援制度」を県の制度として設けています。

このような手厚い支援があることが、長野県が地方移住希望先で上位、かつ就農者が多いエリアに選ばれる理由なのかもしれません。

山形県飯豊町

飯豊町は、県外からの移住者を積極的に受け入れています。就農希望者に対しては、研修時などの金銭的支援はもちろん、若手農業者の会である「風土会」を通して、地元出身の若手農業者同士や、地域とのつながりを作れるようになっています。
飯豊町の特長は、町内の新規就農者受入経営体が町外の独立就農希望者を受け入れ、独立までの支援体制を作っていることです。1993年から2013年までに41人の新規就農(参入)者が誕生しています。

有機農業を行うグループによる支援

自治体やJA以外にも、民間で新規就農支援を行っているグループもあります。一般社団法人全国農業会議所 全国新規就農相談センターによる「新規就農者受け入れによる地域振興事例調査結果(平成26年)(※4)」から見てみると、特に、栽培技術や販路獲得に独自のノウハウが必要な有機農業では、農業者がグループとなっていることが多く、そのグループで研修生を受け入れるなどして仲間を増やす試みを行っています。
有名なのは、千葉県南房総市の若手の有機農家グループ「南房総オーガニック」や、埼玉県比企郡小川町の「風の谷ファーム」などがあります。

特長のある組織の情報をご紹介しましたが、支援を行っている地域は他にもたくさんあります。就農者が農業を始める場所は、地方移住先として人気の高い地域も魅力的ですが、それ以外の地域でも支援制度が整っているところもあるでしょう。

インターネットでもある程度の情報は探せますが、就農フェアや相談会を利用し、各地域の担当者から生の声を聞いてみてはいかがでしょうか。

関連記事:数字で見る日本の農業シリーズ

※1 認定NPO法人ふるさと回帰支援センター/2016年2月21日プレスリリース
http://www.furusatokaiki.net/topics/131471/

※2「新規就農者の就農実態に関する調査結果-平成28年度-」
一般社団法人全国農業会議所 全国新規就農相談センター

https://www.nca.or.jp/Be-farmer/statistics/pdf/OChagC5X8b3V3NsIcbsm201704071333.pdf

※3 iju info(全国農業会議所)
http://web-iju.info/

※4 新規就農者受け入れによる地域振興事例調査結果(平成26年)
一般社団法人全国農業会議所 全国新規就農相談センター

https://www.nca.or.jp/Be-farmer/statistics/pdf/g1odfQC4Iz36q8ZFZKD201407251613.pdf

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