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かんぴょうとは?原材料・製造方法・由来などを一挙解説!

かんぴょうとは?原材料・製造方法・由来などを一挙解説!

巻き寿司やちらし寿司に使われる、かんぴょう。かんぴょうは、主役級の食材ではないものの、和食にはなくてはならない存在です。そもそもかんぴょうとは何かを知っていますか?ここでは、かんぴょうが何から作られているのかや製造方法、栄養素、食べ方などを詳しく説明します。これを読めば、かんぴょうのことがよく理解できますよ。

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かんぴょうとは?

かんぴょうとは、ウリ科の植物であるユウガオの果実から作られます。ユウガオはアフリカ原産で、7月〜9月に緑の実をつける植物です。そのユウガオの実の皮を剥き、輪切りにした上で薄い桂むきにして紐状に剥きます。

切った長いユウガオは晴れている日に1〜2日干して乾燥させます。干して乾かすことから、「干瓢」や「乾瓢」と呼ばれるようになりました。

近畿地方で農作物の生産向上のために始まったかんぴょう作り。当時は発祥の地である「木津」と呼ばれていました。栽培技術が向上し、江戸時代に栃木県へと伝えられ、現在では国内生産の90%が栃木県南部で製造されています。

7月〜8月にかけては、農家が夜明け前にユウガオを細長く剥き竿に干し、暑く照りつける太陽で一気に乾かす作業を行い、全国に出荷します。他県ではほとんど作られておらず、かんぴょうと言えば栃木県産のことがほとんどです。

かんぴょうはどうやってできる?

農家で作られるかんぴょうは機械化され、効率的に製造されているのが特徴です。ユウガオの実を専用の機械で固定し、まず緑色の皮を剥きます。同じ要領でユウガオの白い実の部分を回転しながら、専用のカンナで薄く剥いていくのが基本的な作り方です。

かんぴょうは、適度な長さで切りそろえられ、専用の竿に吊るして乾燥させて作られています。平らで薄かったユウガオは、乾燥することで縮れて軽くなり、店で販売されているような形状になります。手作業で異物が混入していないか、種や節がないかをチェックして除去します。

規格に沿って計量を行い、袋詰めをして全国に出荷され、店舗やスーパーに届けられるのが製造の流れです。

かんぴょうにはどんな栄養がある?

かんぴょうには、健康を維持するために欠かせない様々な栄養素が含まれています。

カリウム

塩分を体外に排出する役割を果たすカリウム。カリウムは野菜などの植物性食品に含まれていますが、特にかんぴょうはカリウムが豊富です。

かんぴょう100gあたり1800mgが含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムを体外に排出し、血圧の正常化や不整脈を防ぐのが特徴です。外食などで塩分を取りがちな人やむくみが気になっている人に最適な食材です。

食物繊維

便秘予防や血糖値の上昇を抑える働きのある食物繊維。かんぴょうには100gあたり30.1gと多くの食物繊維が含まれています。かんぴょうは繊維が縦に走っており、かみごたえを感じる食材です。

よく噛むことで満腹感が得られ、腸内環境を改善してくれることから、ダイエット中の人に嬉しい食材のひとつでしょう。

カルシウム

乳製品や小魚に多く含まれるのがカルシウムです。かんぴょうにもカルシウムが豊富に含まれ、100gあたり250mgの含有量があります。カルシウムは骨粗しょう症を防ぐ働きがあり、神経の安定にもつながります。

乳製品が苦手という人でも、かんぴょうはカルシウムが豊富なので、無理なく摂取することができるでしょう。

マグネシウム

マグネシウムは体内で酵素の働きを助けるミネラルです。かんぴょうにはマグネシウムが100gあたり110mg含まれています。カルシウムと同時に摂取することで骨の形成に役立ち、正常な血液循環を助けるのが特徴です。

マグネシウム単体よりも、カルシウムと結びつくことでより効果を発揮する成分のため、同時に摂取できるかんぴょうを積極的に取りましょう。

葉酸

葉酸はビタミンB群のひとつで、ブロッコリーやレバーなどに含まれます。胎児の成長になくてはならない栄養素であることから、特に妊娠期に摂取が推奨されているビタミンです。かんぴょうには100gあたり99μg含まれています。

葉酸は、造血や細胞の再生を促す働きがあることから、男女問わずに摂取したいビタミンです。

かんぴょうの食べ方は?

かんぴょうは通常、乾物の状態で販売されています。かんぴょうを食べるには下ごしらえが重要なので、丁寧に作業を行いましょう。

まず、乾燥したかんぴょうは水に入れて戻し、塩を少量揉み込みます。揉むようにして水洗いをし、水気を切ってから、また水に入れて15分前後おき、水気を切って戻しが完成です。塩もみをすることで、かんぴょうの臭みを和らげるほか、味付けをするときに味が染み込みやすくなります。

時間があれば、塩もみした後にさらに茹でると味がさらに染み込みやすく、より良い仕上がりが期待できるでしょう。

かんぴょうを使った料理の代表的なものと言えば、かんぴょう巻きです。下ゆでしたかんぴょうを焼き海苔と同じ長さに切りそろえ、みりん、酒、砂糖、醤油と出汁で甘辛く煮ます。水気がなくなったら火を止めて冷まし、焼き海苔、酢飯、かんぴょうの順にのせて巻けば完成です。

また、正月のおせちに欠かせない昆布巻き。昆布巻きに巻かれているのはかんぴょうです。昆布は水で戻し、15センチ幅に切ります。昆布を巻いたら、下ゆでしたかんぴょうを昆布の周りに2回巻き、カット。昆布を戻した出汁、酒と酢、醤油、砂糖で煮込んで完成です。ほかにも、かんぴょうは和風だけでなく洋風のレシピでも活躍します。かんぴょうの食感を楽しめるのがかんぴょうとハムのサラダです。

下準備をしたかんぴょうを3cm幅に切ります。キュウリは千切り、ハムは半分に切りボールに全て入れ、おろししょうが、醤油、マヨネーズで和えて完成です。

かんぴょうは水で戻して味噌汁に加えたり、卵と加えるだけで簡単に取り入れられる食材です。忙しい人でも簡単に作ることができるでしょう。栄養価も豊富で味付け次第でさまざまなレシピに変化できるかんぴょうを、ぜひ取り入れてみてください。

かんぴょうには毒がある?

過去に、ユウガオを食べて食中毒になったというニュースがありました。中毒症状は唇のしびれや吐き気、嘔吐などです。しかしその後の調査で、この食中毒はユウガオではなく、ひょうたんをユウガオと誤認して食べたケースであることがわかりました。

ひょうたんはユウガオと同じウリ科の植物で、色や形状が似ていますが食用ではありません。ユウガオはひょうたんのように苦味や毒性がなく、乾物のかんぴょうを食べるときには安心して食べられます。

ただし、ユウガオはごく稀に植物性自然毒であるククルビタシンが高い濃度で含まれていることがあり、その場合には強い苦味を感じるのが特徴です。ククルビタシンは、摂取すると30分程度で腹痛や下痢、嘔吐などの症状が起こるため注意しましょう。

中毒対策として、生のユウガオを調理する場合、スイカ栽培の接ぎ木や台木として使われるユウガオにはククルビタシンが多く含まれることがあるため、摂取しないようにしてください。

乾物のかんぴょうは食用のユウガオを加工しているため、食中毒の心配はありません。基本的に加工されたかんぴょうを食べる時には、中毒のことは心配しなくて良いでしょう。

かんぴょうの作り方や栄養素、レシピについて解説

かんぴょうは、かんぴょう巻き以外にも様々な料理で活用できます。かんぴょうはユウガオを干して製造され、水で戻していつでも利用できるのがポイントです。カリウムや食物繊維が豊富で、カルシウム、マグネシウム、葉酸などが多く含まれています。

栄養効果が高く、ダイエット中の人や健康を維持したい人にもぴったりです。味付けにより、和風から洋風まで幅広いレシピに対応できるため、気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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