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巻き寿司の定番「かんぴょう」ってどうやってできるの?

巻き寿司の定番「かんぴょう」ってどうやってできるの?

2017年09月27日

300年も昔から、利用されているといわれる「かんぴょう」。
主な生産地は栃木県で、1711年に滋賀県の蒲生郡木村(現在の東近江市)から原料となっている植物の種を取り寄せて、栽培したのが始まりといわれています。
干した状態で販売されていますが、元々はどのような姿をしているのでしょうか。

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かんぴょうの製造工程

かんぴょうはウリ科ユウガオ属のユウガオの実を帯状に薄く剥いたものです。

ユウガオの実は、6月から8月ごろに収穫の最盛期を迎えます。

収穫から干し上がるまでの期間が短いため、農家の方は朝早くからの作業を行っています。

ユウガオの実には冬瓜(トウガン)のような形のものもありますが、通常かんぴょうに使われるユウガオの実は丸く、これをロクロのような専用の剥き機にかけて実を回転させて剥いていきます。

このとき、実の中心に機械の心棒が通っている場合は、回転がうまくいかずに短いかんぴょうになってしまうため熟練の技が必要です。

機械で剥く場合、皮に近い部分には苦みがあるため、皮は二度剥きます。

さらにこの実は中央部分に種があり、種のまわりが綿状になっているためかんぴょうとして利用できる部分は僅かです。

6kgから7kgあるユウガオの実から作られるかんぴょうは、わずか200gほどといわれています。

剥かれたかんぴょうは乾燥機が設置してあるハウス内で1から2日間干され、乾燥状態を確認してから束ねて販売されます。

この乾燥によって特有の甘みが出てくるので、天気によって風を通したり乾燥機を利用するなどの調整を行って干し上げます。

専用の剥き機が登場する前は、ユウガオの実を輪切りにして包丁やかんなで剥いていました。

輪切りにしたものを江戸時代には包丁で外側から剥き、明治頃になるとカンナで内側から剥いていたようです。

また、以前は天日で干していたため、雨や悪天候の際は取り込みの作業があり大変な作業を伴いました。

かんぴょうとしては、甘い香りがあり、肉厚で幅が揃っているもの、良く乾燥しているものが良品とされています。

かんぴょうの名前の由来

かんぴょうは漢字で「干瓢」もしくは「乾瓢」と書きます。

「瓢」の字は「ひさご」や「ふくべ」とも読まれ、ひょうたんやユウガオなどの総称です。

これを干す(乾かす)ところから、「干瓢(乾瓢)」となりました。

ユウガオとは

かんぴょうの原産は北アフリカで、日本へは朝鮮から渡来してきたとされています。

一年生のつる植物で、20mほどのつるの長さになることも。

地面の上を横に広がりながら成長する植物で、水はけのよい軽い土を好みます。

栃木県は関東ローム層で、夏場は雨が多いので地表が冷えるなど、その風土はユウガオの生育にとても適していたことが特産品になる要因のひとつともいわれます。

ユウガオは夏の夜に白い花をつけるのですが、一夜で枯れてしまいます。

そのために「夕顔」と呼ばれるようになりました。

夕方からしか花の咲かないユウガオですが、実の生産性をあげるため虫による自然交配だけでなく、人工授粉も行われています。

観賞用のひょうたんの苦み成分が少ないものが、食用として選別されたものがユウガオで、収穫される実は直径30cm、重さ20kg以上になるものもあります。

鮮度の見分け方としては、皮にハリがあり傷がないもの、実がよくしまっているもの、皮色が黄緑色でツヤがあり、白すぎないことがあげられます。

6kgから7kgのものが一般的に収穫適期で、1日ずれただけでもひとまわり大きくなるほど生育が旺盛です。

生の状態では鮮度の低下がはやく、長期的に保存できる種類ではありません。

ユウガオの実でおこる食中毒

ユウガオの実の苦み成分はククルビタシンといい、通常は少量しか含まれていません。

そのため生で和え物にしたり、トウガンのように煮物にしたり、漬け物しても食べられることもあります。

しかし、ごく希に注意が必要です。

また、ユウガオと間違えてひょうたんを食べてしまうこともあるようです。

この場合も同様に食中毒を起こすことがありますので注意しましょう。

かんぴょうを作る際に皮部分を二度剥きするのも、このククルビタシンを取り除く意味合いがあることが推察されます。

接ぎ木の台木からとれるユウガオは食べないことが厚生労働省のリスクプロファイルに掲載されています。

ウリ科にはキュウリやカボチャ、メロンなども含まれていますが、これらを食べて苦みを感じた場合は、「ククルビタシン類」が含まれている可能性がありますので、食べないように気をつけましょう。

かんぴょうの栄養素

かんぴょうにはカリウムやカルシウム、リンや鉄分が多く含まれます。

茹でたもの100gあたりに含まれる食物繊維は5.3g含まれていますので、お腹の調子などを整えるのに最適な食品といえます。

かんぴょうの種類

かんぴょうには無漂白のものと漂白したものがあります。

無漂白のものは飴色をしており、漂白したものよりもはやく柔らかくなるといわれます。

戻し汁をそのまま料理に使うこともできます。

一方、漂白したものについてですが、防かびや防虫、見た目を良くして変色を予防するために二酸化硫黄で燻蒸されます。

漂白は、干し終わったかんぴょうを燻蒸する倉庫に運び込んで行われます。

二酸化硫黄には毒性がありますが、調理の下ごしらえの際の処理で落ちてしまうので利用に問題はありません。

かんぴょうの調理

かんぴょうは水で適当に戻しても味が入り込みにくいため、表面の汚れを落とすためにまず水洗いし、少し塩をまぶして弾力が出るまで揉みます。

この塩もみは、漂白されたかんぴょうの二酸化硫黄を洗い流す工程ともいわれています。

無漂白のかんぴょうは塩を入れずにもみ洗いするだけにします。

その後はたっぷりの湯で茹でて、爪で切れるくらいの固さになったら取り出して冷まします。

ここまでで下ごしらえが完了し、このかんぴょうを煮物やその他の料理に使用します。

下ごしらえの済んだかんぴょうの主な用途としては、お寿司の具材や昆布巻きを結ぶ時の紐としての使用です。

かんぴょう自体にあまり味がないため、煮物やサラダなどにも利用されています。

漂白されたものと無漂白のものを食べ比べてみて、食感の違いを比べてみるのも楽しいかもしれません。

漂白されたものも安心して食べることができますので、お好みの食感を選んだり、用途によって使い分けてみてください。

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