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柿が赤くなれば医者は青くなる 影の実力者!秋の味覚 柿のヒミツ

柿が赤くなれば医者は青くなる 影の実力者!秋の味覚 柿のヒミツ

2017年10月14日

秋の味覚の一つ、柿。秋の果物としてイメージするいくつかは、明治以後に外国から入ってきた物もありますが、柿は古い時代から日本人に親しまれて来た果物です。奈良時代には既に、国の政策として栽培が奨励されていました。柿は、実はとても栄養価が高いのです。

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柿の栄養効果とは?

タイトルにもある「柿が赤くなれば医者は青くなる」ということわざは、柿の栄養価が高い事を示しています。柿にまつわる俗説を以下にあげてみます。

■柿は止血作用がある

■柿はのぼせに効く

■柿を食べてからお酒を飲むと二日酔いになりにくい

これらはあくまでも俗説ですが、これらの効果は柿に含まれるとある成分がもたらす作用といわれています。その成分とは、柿と聞くと連想するあの成分、渋柿の渋みの原因である「柿渋」です。

「柿渋」は重要な働きをする成分だった

柿渋と呼ばれる成分は、正しくは「カキタンニン」と呼ばれるタンニンの一種です。タンニンとは簡単に言うと、植物に含まれる渋みの原因となる成分です。渋み、と聞くと一見悪い物のように思えますが、体にとっては良い働きをしてくれます。健康成分としてすっかりお馴染みとなったポリフェノールですが、実はポリフェノールもタンニンの仲間です。そもそもタンニンを口に入れると「渋い」と感じるのは、口の中で起きている化学変化が原因です。タンニンは口の中で舌や口腔粘膜のたんぱく質と結びついて、収れんさせる働きをします。その感覚が「渋い」という表現になるのです。タンニンの持つ働きは、このたんぱく質との結びつきが大きな意味を持っています。

柿に止血作用があると言われるのはタンニンの働き

民間療法の中には渋柿を傷口に当てて止血する、というものがあります。タンニンは食べると渋い、という感覚が起きるほどたんぱく質と結びつく力があり、たんぱく質を凝固させる作用もあります。この方法は、傷口にタンニンを多く含む渋柿を当てて、血液中のたんぱく質を凝固させて出血を止める効果を狙ったものと言えます。柿渋の有用性は古くから知られており、果実の収穫がない時期でも利用できるよう、青い果実を絞って発酵させた「柿渋」も作られ広く利用されていました。この液体は塗って乾くと耐水性を持つため、傘や漁具に塗って耐水塗料として利用されていました。他にも、殺菌力やたんぱく質を固める効果から、火傷やかぶれ、止血など外用薬としても利用されていました。また、柿には果実だけでなく、葉にも止血作用があるため、葉を乾燥させた柿の葉茶は内出血や潰瘍の止血薬としても効果があるとされています。

食べ過ぎると体が冷えると言われるのは貧血や頻尿の原因となる事があるため

漢方では、柿は体を冷やす食べ物に分類されており「のぼせやすい人などには勧められるが、冷え性の人は控えるのが望ましい」とされています。現代医学の観点から見ると、「柿で体が冷える」という理由の一つは、タンニンを過剰摂取する事で貧血が起きてしまう可能性があげられます。タンニンは鉄分などと結びついて沈殿し、鉄分の吸収の阻害をしてしまう効果があるとされるためです。また、柿はタンニン以外にも利尿作用のあるカリウムが多いので、頻尿で血圧を上げて体内の温度を保つ働きがあるナトリウムが体外に排出されてしまいます。こちらも「柿を食べると体が冷える」という説の理由として考えられます。(高血圧の傾向がある人にとっては好ましい働きともいえますので、「のぼせに効く」というプラスの効果もあります)タンニンの働きのマイナス効果については、よほど食べ過ぎなければ、それほど神経質になる必要はありません。一日二個程度までが量の目安です。

柿は二日酔いの原因物質を排出しやすくしてくれる

お酒を飲むと、お酒に含まれるエタノールが肝臓で酸化され「アセトアルデヒド」という物質に変えられます。これは二日酔いの原因となる成分です。アセトアルデヒドは更に分解されて酢酸になるのですが、肝臓の働きが弱い(お酒に弱い)人は、この代謝がうまく行かず、すぐにのぼせたり二日酔いになったりします。お酒に強い人でも、代謝が追いつかない程飲酒をすると、当然アセトアルデヒドを分解しきれず二日酔いの原因となります。柿のタンニンは、アセトアルデヒドを吸着して速やかに体外に排出する働きを助けることから、柿を食べると二日酔いしにくいと言われています。また、柿はタンニン以外にもアルコールの分解を助ける酵素のカタラーゼも多く含んでいます。

柿渋だけではない栄養たっぷりの柿

柿の持つ効果の中でタンニンは大きな働きをしています。柿の健康への効果は他にもたくさんあります。代表的な成分としては生の時はビタミンC、干し柿になるとビタミンAが多く摂れます。

生の柿はビタミンCが豊富。およそみかんの2倍。

ビタミンCが多いとされる柑橘類は、酸味の原因となるクエン酸が多く含まれているため、酸っぱくない柿にはビタミンCがあまり含まれていないと思われがちですが、柿のビタミンCの含有量は100gあたり約70mg。これはみかんの約35mgの2倍です。ビタミンCをしっかり摂る事で、風邪の予防にもつながります。さきほど止血効果の所で葉にも効用がある事に触れましたが、ビタミンCは、葉にも多く含まれています。柿の葉に含まれるビタミンCは熱に強い上、カフェインを含まないので柿の葉茶として広く飲用されていますが、果実と同様タンニンも多く含みますので貧血の人は注意が必要です。

干し柿はβカロテンを豊富に含み食物繊維も豊富。ただし便秘にも注意。

柿は干し柿に加工されるとビタミンCは低下しますが、代わりに水分が抜ける事で、ビタミンAとなるβカロテンの含有量がアップします。βカロテンは、抗酸化作用や粘膜を強くする作用があるので風邪の予防に効果を発揮します。また、肌の乾燥対策にも効果があるとされています。柿を乾燥させる事で、食物繊維の含有量が増えるので便秘にも効果がある、と言いたい所ですが便秘については一点、問題があります。

それはタンニンの作用です。タンニンの収れん作用は、腸のぜん動運動を低下させる働きがあるため、腸の働きが鈍ってしまう弛緩性便秘の人にはマイナス作用が出てしまう事があるのです。干し柿が便秘に効くか便秘になるかは体質によりますので、合わない場合は控える事をおすすめします。また、干してあるのでたくさん食べてしまうと、1個あたりのカロリーは100kcal前後あります。「干し柿二個でご飯一膳分のカロリー」と覚えるとわかりやすいと思います。

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