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商品企画からブランディングも「農業デザイナー」の仕事とは

商品企画からブランディングも「農業デザイナー」の仕事とは

2017年10月21日

農作物の商品ロゴやパッケージをデザインするのが「農業デザイナー」です。江藤梢(えとうこずえ)さんは、ある茶農家との出会いをきっかけに、現在は農業というフィールドでデザインの仕事に携わっています。デザインだけでなく、農家と共にコンセプトから企画開発も行い、高く評価される商品が多く誕生しています。江藤さんが農業デザイナーになった経緯や、商品ブランディングで成功した例についてうかがいました。

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茶農家のアルバイトで拓けた「農業デザイナー」への道

江藤さんは、都内のデザイン会社にデザイナーとして勤務していました。しかし、デザインが“大量生産・大量消費”される現状に疑問を感じ、退職。その後、農業に関心を持ち、様々な農家でアルバイトを経験し「これが天職だ」と思ったそうです。

就農することを考えたものの、「初期費用は3,000万円」「女性一人での農業は難しい」「新規就農は東京では難しい」などと言われる現状を知り、就農へのハードルが想像以上に高いことを知りました。そこで、就農は最終目標にして、まずは地元近くの農家でアルバイトをすることを考え、2008年、江藤さんは地元、東京都西多摩郡瑞穂町の茶農家「東京の茶工房 西村園」の収穫アルバイトに応募しました。

西村園の西村一彦(にしむらかずひこ)さんは、応募者の経歴や特技を聞き出し、その人が持つ力を仕事で活かすようにしているそうです。そこで、江藤さんのデザイナーとしての経歴に目が留まりました。

「面接で『西村園のロゴを作ってくれないか』と言われて、収穫作業に携わりながら、ロゴマークを制作することになりました。これが農業デザイナーとして初めての仕事でした」。(江藤さん)

手がけた西村園のロゴマークは、人の手でお茶の葉を優しく包むようなシルエットです。「実際に現場で一緒に作業をすることで、人の手で丁寧にお茶が作られていく過程を肌で感じることができました。ロゴマークには、収穫作業を通して得た思いや感動を込めています」。

西村園のお茶をブランディング

ロゴマークの制作を機に、西村さんは江藤さんにデザインだけでなく、コンセプトの相談などもするようになり、関わりは一層深いものになっていきました。

ロゴマークの他にも、名刺、贈答品に添えるリーフレットなどを制作。2012年には、西村園初のオリジナルパッケージ商品として『東京紅茶MIZUHO』、その翌年には『東京狭山茶』の企画開発も行いました。「パッケージは、若い女性にも買ってもらえるようなデザインを意識しました。素材にクラフト紙を起用することで、お茶のこだわりの雰囲気を演出するほか、どこか温かみを感じられるようにしています」。

従来のお茶のパッケージとは一線を画したデザインは、様々な企業や団体の目に留まり、大手自動車販売店のギフト商品に採用されたほか、国土交通省関東運輸局主催の、外国人観光客に訴求する質の高い商品「TOKYO AROUND TOKYOブランド」にも認定され、観光振興奨励賞を受賞しました。

さらに2016年ごろから、『東京紅茶MIZUHO』と『東京狭山茶』をセットで販売することを提案。2017年、西村園と江藤さんが手がけた『東京紅茶MIZUHO』は瑞穂町の地場産品にも認定されました。2016年には、粋な江戸の食文化を楽しむことをコンセプトとした商業施設「両国江戸NOREN」のショップでも扱われるようになり、東京の食文化を伝える一商品として評価されるようになりました。

【関連記事はこちら!】農家と二人三脚で取り組む 「農業デザイナー」のブランディング術

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