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ミカンの皮の意外な使い方4選!お風呂に入れたり、掃除・肥料などにも活用!

ミカンの皮の意外な使い方4選!お風呂に入れたり、掃除・肥料などにも活用!

ミカンを食べた後、皮はどうしていますか?そのまま捨ててしまう方が多いと思いますが、実はミカンの皮には、捨てるのはもったいないくらい様々な使い方がたくさんあります。お風呂に入れたり、掃除や臭い取りに使えたり、肥料にできたりと活用方法は多種多様です。そんなミカンの皮の意外な使い方をご紹介します。

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ミカンの皮活用法1:お風呂に入れる

ミカンの皮活用法

ミカンの皮は「陳皮(ちんぴ)」とも呼ばれ、漢方薬の材料に使われています。皮にはビタミンCが含まれ、爽やかな香りと共に、癒やしや美肌効果をもたらすとされています。簡単な使い方としておすすめなのが、ミカンの皮をお風呂に入れる方法です。

下準備

1.ミカンの皮を洗う

無農薬ミカンならそのままでも良いですが、無農薬でない場合は皮を水で洗います。食べる前の丸いままの方が洗いやすいです。農薬などが気になる場合は、食べたあとの皮に重曹や塩を振ってもみ洗いしても良いでしょう。

2.皮をちぎる

3センチほどの大きさに皮をちぎります。

3.天日干し

水分をよく拭き取ったら、ザルや新聞紙の上などに重ならないように広げて、天日干しにします。期間は1週間~10日間ほどです。カサカサと音がするほど完全に水分が飛んだ状態が目安です。

電子レンジを使う方法

時間を短縮して作りたい場合は、電子レンジを使って作る方法もあります。キッチンペーパーの上に重ならないようにミカンの皮を並べます。それを電子レンジでまず1~2分加熱します。ミカンの皮の大きさや水分量にもよるため、様子を見て裏返したりしながら加熱時間を調整しましょう。

お風呂に入れる

でき上がったミカンの皮は布袋やガーゼに入れて包み、あとはお風呂に入れるだけ。1回でミカン4~5個分が目安ですが、お好みで加減しても良いでしょう。ミカンは、お湯がたまったあとに入れても沸かす前から入れておいても、どちらも香りがしっかり出るのでおすすめです。敏感肌の方など、肌がピリピリするなど刺激を感じたらすぐに使用を中止して、シャワーでしっかり体を洗い流しましょう。

ミカンの皮活用法2:家の中の掃除に

ミカンの皮活用法

ミカンの皮にはクエン酸、ペクチン、リモネンなどが含まれています。これらの成分には汚れを落としたり、ツヤを出したりする効果があるため、ミカンの皮は掃除に使用するのもおすすめです。

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「ミカンの皮洗剤」の作り方

使用するものはミカンと水だけです。水400mlに、ミカンの皮約4個分をちぎって鍋に入れて火にかけます。15分程煮たら冷まし、ザルでこして出来上がりです。スプレー容器などに入れて使用しましょう。これだけで洗剤を使わなくても、家の中の様々な場所の汚れを落とすのに効果的です。ただし長期保存はできませんので、1~2週間ほどで使い切るようにしましょう。

油汚れ

ミカンの皮は特に油汚れを落とすのに向いており、ガスレンジ周りの油汚れなどにおすすめです。しつこい油汚れのときは、キッチンペーパーにミカン皮洗剤を浸して、しばらく放置してから拭き取ります。

フローリングのツヤ出し

ミカンの皮に含まれる成分にはツヤ出しの効果も期待できるので、汚れも落ちて一石二鳥です。

ミカンの皮活用法3:臭み取りに

ミカンの皮活用法

ミカンの皮は爽やかな柑橘系の香りがあるため、消臭効果を目的とした使い方もできます。

魚焼きグリルの臭い

魚を焼く前にグリルの受け皿に水を張ったら、約1個分のミカンの皮をちぎって入れておきます。こうすると、グリルに魚の臭いがつきにくくなり汚れも落ちやすくなります。

鍋の魚の臭い

煮魚などを作った際に、鍋に魚の臭みがついて洗っても取れないことがあります。そんな時は、ミカンの皮と水を鍋に入れ、そのまま煮立たせると臭いが落ちやすくなります。

電子レンジの臭い

電子レンジにミカンの皮を約1個分入れ、1分程加熱します。蒸気が充満し、電子レンジの中の臭いを取ってくれます。

手の臭い

魚やタマネギ、灯油などの臭いが手についてしまった時は、ミカンの皮を手でもむと、嫌な臭いを和らげてくれます。ミカンの皮を手でこすりながら水で洗うのもおすすめです。

ミカンの皮活用法4:肥料として使う

ミカンの皮活用法

ミカンの皮には、紫外線や虫から身を守るため、フラボノイドという成分が含まれています。これを利用してミカンの皮を肥料にすることもできます。

肥料の作り方

1.ミカンの皮を乾燥させる

ミカンの皮を天日干しにして乾燥させます。1~2週間ほどで、パリパリ・カサカサになって完全に水分が飛んだ状態が目安です。

2.細かく刻む

乾燥させたミカンの皮を5ミリくらいに細かく刻みます。

3.土にまいてかき混ぜる

2のミカンの皮を土に混ぜます。1~3日おきにかき混ぜましょう。

 

みかんの皮は肥料になる?

みかんの皮は、土作りの肥料や堆肥として非常に役立ちます。しかし、みかんの皮をそのまま土にまいても効果が出るまで、とても時間がかかります。植物がみかんの皮に含まれる栄養素を吸収するためには、微生物の分解が必要だからです。

有機物は土壌中の微生物によって分解され、無機化されることで植物が吸収できます。そのため、そのまま使用する場合は、肥効が現れるまでに時間がかかるので注意しましょう。

堆肥は有機物を発酵させたもので、微生物による分解が進んでいるため、比較的早く肥効が現れます。また、ぼかし肥料というものがあり、発酵や熟成をより進めることで速効性の肥料として使用可能です。

みかんの皮には窒素、リン、カリウムなどの栄養素が含まれています。みかんの皮に含まれている栄養素を肥料に使うことで、植物を安定して育てることが可能です。

みかんの皮を肥料として使う方法は、いくつかあります。例えば、みかんの皮を粉砕して土壌にまぜる方法やみかんの皮を刻んで、土壌の表面に散布する方法です。

ただし、みかんの皮を肥料として使う際には、注意点もあります。みかんの皮には農薬や化学肥料などが含まれている可能性があるため、無農薬・有機栽培のものを選びましょう。

また、みかんの皮を使いすぎると、窒素が過剰になるため、適量を守って使うと良いです。みかんの皮を上手に活用して、健康的な植物を育てましょう。

みかんの皮に含まれる成分は?

みかんの皮には、主に窒素やリン酸、カリウムが含まれています。各成分について説明します。

窒素

窒素は生命に必要不可欠な元素であり、植物の成長にも欠かせない栄養素です。

窒素は肥料として使われることが多く、植物の体を作るタンパク質や光合成に必要な葉緑素など、植物が成長するために重要な働きをします。

窒素を肥料にしたものを「葉肥(はごえ)」と言い、植物の成長初期に効果的で、葉と茎の成長に大きく貢献します。

リン酸

リン酸は、植物におけるタンパク質の合成や遺伝子情報の伝達などを行う核酸に必要な成分です。

リン酸は植物にとって重要な栄養素の一つであり、肥料や農薬として使用されます。肥料になったリン酸である「実肥(みごえ)」は、植物全体の成長や結実や開花を促す大切なものです。

カリウム

カリウムは植物内でカリウムイオンとして存在しており、カリウムの肥料は「根肥(ねごえ)」と言います。

カリウムイオンは葉で作った炭水化物を根に送って、根の発育を促したり植物を強くしたりして、抵抗力を高める働きがあります。

みかんの皮を肥料にする方法は?

みかんの皮を肥料にする方法は3つあります。それぞれの方法について解説します。

乾燥させて使う

最初にみかんの皮を取りだす前によく洗って、キッチンペーパーなどで水気を拭き取ってください。次に、取り出した皮を包丁やハサミで細かく切ります。

大きくて分厚い皮は、より小さく切ると乾燥が早いです。細かく切った皮をオーブンや電子レンジ、炊飯器などで乾燥させます。

それぞれの方法は、下記の通りです。

・オーブンを使う場合は170℃に予熱して、皮を天板に敷き詰めて、約10分間焼く。焦げ付かないように、途中で皮をかき混ぜる。
・電子レンジで乾燥する場合は、皮を皿に並べて500Wで2〜3分間加熱する。皮が乾燥するまで、30秒〜1分おきに加熱を繰り返す。
・炊飯器を使って乾燥する場合は、皮を内釜に入れてスイッチを入れるだけ。

皮が乾燥したら、保存用の袋や瓶などに入れて保管します。湿気のない場所に保管すると、長期間の保存が可能です。

そのまま土に混ぜ込む

まずは食べたみかんの皮をできるだけ残さず集めましょう。

みかんの皮を混ぜ込む土の部分を10〜20cmほど掘り起こします。掘り起こした土の上にみかんの皮を細かく砕きながら、土と混ぜ込んでください。

混ぜ込んだ土を平らにならして、表面を手で軽く叩きながら整えます。みかんの皮が土に混ざることで、土壌改良や有機肥料としての効果が期待できます。

堆肥・ぼかし肥料にする

みかんの皮は堆肥やぼかし肥料として利用できるので、捨てる前に再利用してみましょう。堆肥の作り方は最初にみかんの皮を集めて、できるだけ小さく刻みます。

用意した堆肥箱にみかんの皮と枯れ葉や刈り取り草、野菜くずなどの堆肥材料を混ぜます。

堆肥箱の中で、微生物の力で分解されるまで待ちましょう。

空気を入れるために、たまに中をかき混ぜると良いです。約半年〜1年程度で、完成した堆肥が取り出せます。使う時には、不純物が入っていないかチェックして、必要に応じてふるいにかけてください。

ぼかし肥料の作り方はみかんの皮を集めて、細かく刻みます。約1週間ほど、水に浸けましょう。ニオイが気になる場合は、水を変えて腐らせないようにすると良いです。

水に浸けた後は、水と一緒に植物に与えます。土に直接混ぜる場合は、栄養分がすぐに流れ出してしまうので、必要量を計算して与えるようにしましょう。

害虫予防にもなる?

みかんの皮には柑橘類特有の香り成分が含まれており、アブラムシや蚊などの害虫を寄せ付けない効果があります。例えば、みかんの皮を部屋に置いたり庭先に散らしたりして、害虫対策を行うと良いです。

ただし、完全に害虫を寄せ付けなくするわけではないため、注意しましょう。

害虫を寄せ付けないようにするためには、害虫の繁殖源を減らしたり害虫を寄せ付けにくい環境を作ったりすることが重要です。害虫対策を行う時には、複数の方法を組み合わせて行うと効果的です。

まとめ

ミカンの皮の意外な利用方法をご紹介しました。お風呂に入れたり、汚れを落とす掃除アイテムとして使えたり、肥料としても使える、ミカンの皮。ご紹介した利用法を参考に、ぜひ試してみてください。

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