世界中で利用される食材 ショウガ
ショウガはインド付近の熱帯アジアが原産で、中国を通して3世紀以前に日本にもたらされたと言われています。中国では漢方薬の材料として利用され、薬や香辛料として世界各国で使われている食材の一つです。日本では地域によって、ショウガは神事とのつながりも深く、古くから大切にされてきた野菜です。
ひね物と新ショウガの違いとは?
初夏の頃に早堀りして流通するのが「新ショウガ」といい、色が白っぽく繊維がやわらかく、辛みもさわやかです。収穫後2ヵ月以上保管されてから出荷されるのが、「ひね物」と呼ばれるショウガ。繊維質がしっかり形成され、色も濃いのが特徴です。ひね物は辛味が強いという違いがあります。
鮮度の良いおいしいショウガの見分け方
新物の根ショウガは、皮が変色しておらず、みずみずしくてシワが少ないものが新鮮です。
鮮度の良いひね物の根ショウガは、皮に傷がなく肌がなめらかで、全体的にふっくらとしています。葉ショウガを選ぶときには切り口をチェックして、みずみずしいものを選びましょう。
ショウガの栄養
ショウガに含まれる「ショウガオール」は、ショウガ特有の辛味と香りの成分で、強い殺菌作用と消臭作用を持っています。さらに、血行を良くし体を温める効果があるため、漢方薬にも使用されています。冬にはもちろんのこと、夏の冷房対策にも積極的にとり入れてみましょう。
また、ショウガは肉や魚の臭み消しの効果があります。ビタミンやミネラルなどは、他の野菜と比べると少なめです。
ショウガの保存方法
水気をよく拭き取ってから、キッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。水気がついていると傷む原因になるので、しっかり拭き取るのがコツです。千切りやスライス、すりおろしなど、使いたい形にしてから1回分ずつラップに包んで冷凍庫で保存すれば1ヵ月ほど持ち、すぐに使えて便利なのでおすすめです。
ショウガの旬と時期
ショウガは1年を通して手に入りやすい食材ですが、根ショウガは7月頃から、葉ショウガは4月〜9月にわたって主に出回ります。葉ショウガは夏の風物詩として親しまれています。全国の生産量のうち、半数近くを占めているのが高知県です。
ショウガで肉がやわらかくなる
皮の部分に強い香りがあるので、肉や魚の臭みを消す際や、風味づけに使う時には皮のまま使用した方が効果は高くなります。ショウガは肉をやわらかくする作用を持っているので、ショウガのすりおろしを焼肉やステーキの肉につけておくと、タンパク質を分解する酵素の働きによってやわらかく風味よく仕上がります。
ショウガの豆知識
料理のレシピでよく言われる「ショウガひとかけ」とは、親指の頭くらいの大きさを指します。ショウガを炒め物や煮物に使うときは、繊維を断ち切るようにして切り、薬味用の場合は繊維に沿って切るとシャキッとした食感になります。
ショウガの簡単レシピ
ジンジャードリンク
寒い冬には、リンゴジュースや柚子の果汁にはちみつを加えてレンジで温めます。そこにショウガのしぼり汁を入れると、とても簡単に体がほっと温まるジンジャーホットドリンクが完成します。
葉ショウガの酢漬け
葉ショウガを布巾でこすって薄皮を取り除き、根の部分だけを熱湯に約30秒ほどつけて塩をまぶしてそのまま冷まします。パッドに合わせ酢を入れて、漬けるだけで酢漬けのできあがり。魚料理の付け合せにしたり、そのまま前菜の一つにもなります。新ショウガはやわらかく辛みも爽やかなため、同じように甘酢漬けにしてもおいしくいただけます。
血行促進作用など、健康効果が高いショウガ。薬味として使うだけではなく、新ショウガをスライスして生で食べたり、ホットドリンクやジンジャークッキーなど、さまざまな料理にショウガを取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド~野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)