まずは専門機関やサイトから、良さそうな土地を探そう!
独立して農業をスタートする際、まず必要となるのが「土地」です。自分でさまざまな場所を回り、良い土地を探して直接交渉…というのも不可能ではありませんが、なかなかハードルが高いですよね。そこで、まずは土地選びを助けてくれる機関やサイトを使いましょう。
そのひとつが「農地中間管理機構」(※1)。各都道府県にあるこの組織は、農地を借りたい人と農地を譲りたい人のマッチングを行っています。また、ウェブサイトの「全国農地ナビ」(※2)では、各都道府県の農地情報がまとめられています。
これらから、まずはいくつか良さそうな土地をリストアップし、問い合わせてみましょう。
パッと見では分からない、土地の良し悪しを知るには?
土地に目星をつけても、すぐに購入してはいけません。いくつもの項目をチェックする必要があります。特に重要なのが「水はけ」。雨で湿った後、どのくらいかけてその土地が乾くのか。また、土の表面は乾いていても、掘ってみると水分が多いこともあります。もし水はけが悪いと、作物が腐るなどのトラブルが増えるかもしれません。実際の土地の様子と、土の種類を調べましょう。
あわせて大切なのが「日当たり」です。一日にどれだけ日が当たるのかはもちろん、太陽の高度が低い冬場もきちんと日が当たるか調べる必要があります。日当たりが悪いところでは、作物は育ちにくいですから。
チェックすべき項目は、まだあります。大雨や強風の際、その土地でどんな現象が起きるのかも知る必要があるでしょう。雨が長く降った時、その土地に水が流れ込んだり、頻繁に強風が吹き荒れたりする土地は、リスクが大きいと言えます。
これらの要素は、一日だけその土地を見ても分かるものではありません。ですので、近くで農業を営む人や、住んでいる人に聞いて情報を集めましょう。
見落としてはいけない「利便性」「家からの距離」
さらに、その土地の「利便性」をチェックすることも重要です。たとえば、近くに川や沢があるか。農業では水をたくさん使います。その“水源”が必要ですよね。ただし、川や沢が近くにあっても、場合によっては水を使う権利(水利権)が厳しく決められているケースがあります。ですので「自由に使える水源かどうか」も確認しましょう。
そして、見落としがちなのが「家からの距離」です。農業は毎日のように畑に行きますよね。さらに、何かトラブルが起きればすぐに駆けつけて対処しなければなりません。もし家から遠い土地を選ぶと、日々通うのは想像以上に大変。急なトラブルが起きても、対処に時間がかかってしまいます。家から近くて、通える場所がベターです。
これらを見ながら、あくまで「自分がなぜ農家になったか」「どんな農業をしたいか」という動機と照らし合わせることが重要。たとえば、イチゴ狩りのように収穫体験ができる農園を作りたい場合は、都市や観光地の近くなど、人が集まりやすい場所が適しています。
土地選びには、さまざまな“見るべきポイント”があります。最初はその項目を書き出して、一つひとつ吟味すると良いでしょう。絶対に焦らず、慎重に進めるのが土地選びの鉄則です。
次回は一年を通じた働き方にも関わってくる「作物選び」について取り上げます。
【関連記事】
農業で成功する秘訣とは【動機編】
農業で成功する秘訣とは【作物選び編】
農業で成功する秘訣とは【肥料選び編】
※1 農地中間管理機構の制度や実績等:農林水産省
※2 全国農地ナビ
【「農業で働く」という選択肢を提案。全国6都市開催「就農FEST」の詳細はこちら↓】