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第2回 神戸ファーマーズマーケット運営者インタビュー ~ノウハウ編~

第2回 神戸ファーマーズマーケット運営者インタビュー ~ノウハウ編~

最終更新日:2018年08月22日

新たな神戸の風景として定着しつつあるファーマーズマーケット。震災の追悼と復興を祈るイベント“ルミナリエ”の会場として有名な東遊園地という公園で開催されています。

マーケットには「1.大きな樹の下で開催する」「2.定期的に続ける」という2大ルールがあります。その理由を徹底取材しました!

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2015年の春、ゼロからスタートしたこの取り組み。運営事務局の1人である小泉亜由美さんにマーケットの全貌についてお話を伺いました。第2回では、マーケットを運営するためのノウハウをご紹介します。

ルール1:大きな樹の木の下でやる

就農

マーケットの運営方法はどこで学んだのですか?
このファーマーズマーケットは、アメリカ・ポートランド市のファーマーズマーケットを
モデルにして社会実験としてスタートしました。始める前に、神戸市役所の方と事務局の代表がポートランドへ視察に行きました。そこで色々な話を聞いたのですが、主なアドバイスは「大きな樹の下でやりなさい」と「継続してやりなさい」の2つでした。

なぜ樹の下でやるのですか?
広場が必要だからといって、単なる駐車場でマーケットを開いても楽しくないだろうって。公園のように自然の緑がある、誰もが毎週行きたくなるような場所でやりなさい、とアドバイスをもらいました。

春や秋は芝生だけでもいいかもしれないですが、夏は少しでも暑さをしのぎ、人も食べ物も守るためには「大きな樹」が必須です。テントだけでは強い日差しをさえぎれませんから。
また、雨でも開催するので小雨をしのぐこともできます。マーケットに「たくさんの大きな樹」は必要だと実感しています。

開催場所はどうやって決めたのですか?
最初は市内の神社や小さな公園も検討したのですが、なかなか適切な場所が見つかりませんでした。そんなとき、たまたま東遊園地という国有の公園を活性化するための市のプロジェクトに参加することができました。ここなら大きな樹もたくさんあるし、マーケットにぴったりだと思いました。ただ、人が少ない公園だったので不安はありました。

ルール2:定期的に続ける

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なぜマーケットを毎週続けるのですか?

イベントを脱して街のインフラとして朝市を定着させるためには、最低週1回の開催が必要です。その重要性はポートランドでも実感しました。雨でも雪でも強風が吹かない限りは休みません。1週間分の野菜や食料を買いに来てくれる方がいらっしゃるからです。

また、マーケットは野菜を通じたコミュニケーションの場でもあります。神戸へ移住して来た方の、地域コミュニティへの入口にもなっています。そこに行けばマーケットがある、いつもの人たちがいるんだという安心感が重要です。
ルミナリエなどの大きなイベントと重なる時は休むこともありますが、基本的に、ほぼ毎週土曜日に開催し、年間40回以上を目指しています。

販売に慣れていない農家は大変では?

2015年の春に2日間限定で社会実験として開催しました。その後、秋に6週連続でできるかどうか挑戦しました。皆が素人なので四苦八苦しましたが、農家さんたちが「頑張ればできないことはない」と言ってくれて、毎週開催することに決めました。継続するうちに、皆さんスキルアップしています。

いちばんの苦労は何でしたか?
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社会実験のときの設営と撤収です。事務局だけでテントやテーブルも設営していたので大変な労力でした。当時は倉庫が遠く、大きな荷物を持って何往復もしていました。今は、公園の地下駐車場に大きな専用の車を置いて倉庫代わりに使っています。

昨年からは農家さんやお店の人たちが積極的に関わってくれるようになりスムーズになりました。慣れて手際も良くなり40分ぐらいで出来るようになりました。傍観者はおらず、皆で汗をかいて助け合うスタイルが定着し、お互いの信頼も深まっています。

お客さんと農家が歩み寄れる場所

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接客の経験がない農家も出店できますか?

まだ社会実験だった頃、お客さまのおばあさんが「計算が遅い」と怒っている場面に遭遇しました。「この人は八百屋さんではないので販売に慣れていないんです。農家さんなんですよ」と説明すると、おばあさんは自分の間違いを大きな声で笑い「そうやったんか、ごめんやで!頑張りや!」と笑顔で応援してくれました。

マーケットにはそういう笑顔があふれていて、素敵な風景だと思っています。就農1年生でも、慣れている農家さんや事務局がサポートするので大丈夫です。

出店者同士のコラボが大人気!

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農家の野菜を使用したパンもありますね

毎週、力を合わせて続けているうちに農家とお店が仲良くなり、パンや焼き菓子、瓶詰めやドリンクなどのコラボ商品が生まれています。お店からは「商品が定番化していたので、農家さんと繋がり、旬のメニューが開発できるようになって良かった」と言われています。

その他にも、クラフトビール店のビール粕が農家の手に渡り、畑の肥料として活用されている例もあります。お客さまも私たち事務局も、そのようなコラボレーションは大きな楽しみのひとつです。

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様々な業種の人が「食」を真ん中にして、繋がり、学び合い、支え合っています。そこには色々な思いや願いがあります。売る人と買う人という立場を越えた、フラットで強い絆のある、心あたたまる場を目指しています。

毎週続けるのは簡単ではありませんが、これからも生産者と消費者が共に成長できるマーケットにしていきたいです。

※開催日時は基本的に毎週土曜日9:00~12:30(1~3月は10:00~13:00)ですが、イベント等により開催されない日もあります。詳しくはホームページ等でご確認ください。

【神戸ファーマーズマーケット 運営者インタビューシリーズ】
第1回 コンセプト編
第3回 集客編
第4回イベント編
 
EAT LOCAL KOBE

写真提供/(一社)KOBE FARMERS MARKET
撮影/片岡杏子

取材・文/西島陽子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。暮らしと自然をテーマに雑誌やウェブ等で執筆中。
https://www.facebook.com/yoko.suzuki.0222

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