農業界に大風呂敷を広げてください
農業を仕事としていく苦労について語ってもらった第一回座談会。
話は、農業界へとふくらみました。
これからの農業を牽引していく若手農家として、農業界に大風呂敷を広げてください。
安保 満貴(あんぼ みつたか)さん
株式会社新しい風さとやま 取締役
https://agri.mynavi.jp/2017_10_31_9171/
石川 龍樹(いしかわ たつき)さん
任意団体 夢農人(ゆめのーと)とよた 会長、いしかわ製茶
https://agri.mynavi.jp/2017_12_22_13234/3/
佐川 友彦(さがわ ともひこ)さん
阿部梨園 マネージャー
https://agri.mynavi.jp/2017_12_07_12959/
柴海 祐也(しばかい ゆうや)さん
柴海農園 代表
ノウハウをオープンにして業界を変える
佐川:僕は大風呂敷を広げているところなんです。阿部梨園がやってきた400件超ある、改善や新しく始めたことなどのノウハウを全部インターネット上にオープンにしようというプロジェクトを、2017年の11月に立ち上げました。クラウドファンディングで資金調達したところ、なんと最終的には446万円もの支援が集まりました。
柴海:話題になりましたよね。
佐川:周りの生産者の話を聞くうちに、私たちが悩んで解決したことは、皆さん同じように悩み、つまずいていることなんだと気づきました。そこのノウハウを業界に還元したい。企業秘密ですし、差別化要因ではあるのですが、代表の阿部と相談して全部オープンにしようと決めました。「誰かがパンツをおろせば業界が変わるかもしれないですよ」って言って、「その火付け役の『パンツを先におろした農家』になりませんか?」と。
石川さんもおっしゃっていたように、ノウハウはどんどんオープン化して、お互い良いものを取り入れてやっていくことで、業界が成長します。
農家のポテンシャル
佐川:小さいことでは「作業記録ってどうやってつけるの?」とか、「お客様に送る注文票はどういうもの?」とか。意識が高い生産者さんは、書類を「コピーしていいですか?」とうちにいらっしゃって。どうぞと言うと、今度は「エクセルで作ってみたんですけれど、見てもらえますか」とまたいらっしゃいました。他には例えば、人を雇うにはどういう法律を守ればいいのかとか、事業らしくするには何が必要なのとか、それが分からない。
僕は企業から農家に雇われで入っています。それは世の中では当たり前でも、農家ではまだ当たり前じゃない。そこにポテンシャルがある。
柴海:そうですね。農業って、野菜作りに関しては毎年同じような流れ。私はそこに、アプローチの仕方を変えたいなと思っています。今までは自分主導で全部決めてきたんですけれども、少しずつどんどん人に仕事を振っていきたい。
一概に正解はありませんが、「自分についてこい」じゃなくて、明確な組織としてのミッションとかビジョンを定めて、自分事として考えてもらいながら皆の考えを募っていくような形を作りたいですね。